表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/80

第56話 黒狼の牙

【保有DP:2,663】


【侵食率:4.8%】


【ダンジョンランク:C】


【吸収ダンジョン数:2】


 山脈地帯へ到着した時には、戦いは既に始まっていた。


 巨大な岩山の中腹。


 黒狼の牙と呼ばれるダンジョンの入口付近で、騎士たちと狼型魔物が激突している。


 地面には死体が転がり、血の臭いが漂っていた。


「思ったより大規模ですね」


 リリスが周囲を見渡す。

 俺も同意だった。


 フィリアのダンジョン。

 コボルトダンジョン。

 どちらよりも規模が大きい。

 狼型魔物だけで百体以上。

 さらに奥から次々と増援が出てくる。

 領主軍も三十人以上いるが、徐々に押し込まれていた。


「まずいな……」


 フィリアが呟く。


「黒狼の牙は有名だったけど、こんなに強かったんだ……」


 その時だった。


 洞窟の奥から咆哮が響く。

 空気が震えた。

 狼たちが一斉に道を開ける。

 そして姿を現した。


 巨大な黒狼。

 全長五メートルを超える巨体。

 漆黒の毛並み。

 赤い瞳。

 全身から溢れる圧倒的な魔力。



【解析成功】



【ブラックウルフロード】



 強い。

 間違いなく今までで最強クラスだ。


 ブラックウルフロードが咆哮する。


 その瞬間、狼たちの統率がさらに上がった。

 騎士たちが押し返される。

 前衛が崩れる。

 魔術師が噛み殺される。

 戦況は完全に黒狼側へ傾いた。


 だが俺が注目したのは別だった。


 隣にいたブラッドウルフだ。

 身体が震えている。

 恐怖ではない。

 興奮だった。

 同族の王。

 格上の存在。

 本能が反応している。



【進化条件を確認】



【上位個体との対峙】


【戦闘経験蓄積】



 俺は思わず目を細めた。

 なるほど。

 こいつも近い。

 だが今はまだだ。


「行くぞ」


 俺は命令を下した。

 次の瞬間。


 ストーンゴーレムが戦場へ突撃した。


 轟音。


 巨大な拳が狼たちをまとめて吹き飛ばす。

 騎士たちが呆然とこちらを見る。


 さらにブラッドウルフが飛び出した。

 黒狼へ噛み付く。

 狼同士の激突し、牙と牙がぶつかる。


 その隙にスイが動いた。液状化した身体がブラックウルフロードへ絡み付く。


「邪魔だ!」


 ロードが吠える。

 その声だけで普通の狼たちが震えた。


 だがスイは離れない。


 毒を流し込む。

 さらにリリスの蜘蛛糸が飛ぶ。

 脚を拘束する。

 動きを封じる。

 そこへストーンゴーレムの拳。


 轟音。


 ブラックウルフロードが初めて膝をついた。

 騎士たちが驚愕する。

 当然だ。


 さっきまで圧倒していた怪物が押され始めているのだから。

 だが終わらない。


 ブラックウルフロードは強かった。

 ブラッドウルフを吹き飛ばす。

 ストーンゴーレムを弾く。

 スイを引き剥がす。

 それでも、一対一ではない。俺たちは軍勢だった。


 そして最後。


 ブラッドウルフが再び飛んだ。

 黒狼の王へ真正面から噛み付く。


 喉元。


 致命傷。


 ロードが咆哮する。

 だが、その瞬間。

 スイの毒が全身へ回った。

 動きが止まる。


 そこへストーンゴーレムの拳が叩き込まれた。


 岩が砕ける音。

 頭部が地面へ沈む。


 ブラックウルフロードは二度と立ち上がらなかった。

 静寂が訪れる。


 王が死んだ。


 それだけで戦場は終わる。

 残った狼たちは散り散りに逃げ出した。

 そして騎士たちの視線がこちらへ向く。


 恐怖。


 警戒。


 困惑。


 その全てが混じっていた。

 当然だろう。

 自分たちが勝てなかった怪物を、俺たちは倒したのだから。

 だが俺が見るのは彼らではない。


 洞窟の奥だ。


 そこにある。次の力が。次の獲物が。


 ブラックウルフロードの死体を見ながら、俺は静かに笑った。


 このダンジョンも俺のものになる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ