第42話 広がる縄張り
【保有DP:105】
【侵食率:3.3%】
【ダンジョンランク:D】
【配下モンスター】
・スイ(ヒューマノイドスライム)×1
・リリス(原初のアラクネ)×1
・シャドウバット×1
・ゴブリン×4
・ポイズンスライム×2
・洞窟ネズミ×3
新人冒険者三人の迎撃は問題なく終わった。
訓練されたゴブリンが誘導し、ポイズンスライムが足を止め、最後はスイが仕留める。
もはや結果を見る必要すらない。
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【冒険者を捕食】
【DP+118】
【保有DP:223】
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十分な成果だった。
新人冒険者は資源になる。
だが、それ以上ではない。
今の俺はもっと先を見ていた。
俺は管理画面を開く。
⸻
【保有DP:223】
⸻
増えた。
だが使う。
強くなるためには投資が必要だ。
俺は再び10DP召喚を選択する。
今回の目的は単純だった。
さらなる軍勢の拡大。
それだけだ。
結果は悪くなかった。
ゴブリン。
洞窟ネズミ。
ポイズンスライム。
劣化魔石。
そして再びゴブリン。
派手な当たりは出ない。
だが構わない。
欲しいのは雑魚だからだ。
召喚を終えた頃には配下はさらに増えていた。
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【配下モンスター】
・スイ×1
・リリス×1
・シャドウバット×1
・ゴブリン×8
・ポイズンスライム×3
・洞窟ネズミ×5
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ようやく軍勢らしくなってきた。
ゴブリンたちは訓練施設へ向かう。
整列。
移動。
連携。
以前とは比べものにならない。
弱いことに変わりはない。
だが使える雑魚になり始めていた。
「良いな」
俺は満足する。
強者は貴重だ。
失いたくない。
だから雑魚を使う。
雑魚に戦わせる。
雑魚に死なせる。
そのための軍勢だった。
その時だった。
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【侵食率:3.3%】
↓
【侵食率:3.5%】
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再び数字が動いた。
しかも前回より上昇幅が大きい。
「またですか」
リリスが眉をひそめる。
俺も表示を見つめる。
すると続けて通知が現れた。
⸻
【侵食進行を確認】
【周辺領域との接触確率が上昇します】
⸻
「周辺領域?」
初めて見る文言だった。
だが説明はない。
相変わらず不親切なシステムだ。
俺が考え込んでいると、シャドウバットが慌ただしく飛び込んできた。
『キィッ!』
珍しい。
普段は落ち着いている。
視界共有。
森。
獣道。
そして――。
「なんだ?」
俺は目を細める。
そこにいたのは冒険者ではなかった。
魔物でもない。
小柄な人型。
緑色の皮膚。
粗末な武器。
だが見覚えがある。
「ゴブリン?」
違う。
少し違う。
装備がある。
集団行動をしている。
そして何より。
森の中を移動している方向が妙だった。
こちらへ向かっているわけではない。
まるで何か別の拠点へ帰るような動きだった。
俺はしばらく考える。
野良の魔物ではない。
誰かに管理されているように見える。
「リリス」
「はい」
「森の奥に、俺以外のダンジョンがあると思うか?」
リリスは少しだけ沈黙した。
そして静かに答える。
「……可能性はあります」
その瞬間。
俺の興味は一気に新人冒険者から離れた。
冒険者は資源だ。
だがダンジョンは違う。
もし本当に存在するなら。
そこにはDPがある。
魔物がいる。
施設がある。
奪えるものがある。
どうやら世界は、思っていたより広いらしい。




