第40話 投資先
【保有DP:175】
【侵食率:3.2%】
【ダンジョンランク:D】
【配下モンスター】
・スイ(ヒューマノイドスライム)×1
・リリス(原初のアラクネ)×1
・シャドウバット×1
・ゴブリン×1
・ポイズンスライム×1
・洞窟ネズミ×2
新人冒険者三人。
獲得DPは121。
失ったのはゴブリン二体。
収支だけ見れば大勝利だった。
俺は改めて戦闘を振り返る。
ゴブリンが誘導した。
ポイズンスライムが足を止めた。
洞窟ネズミが視線を逸らした。
そしてスイが仕留めた。
以前のようにスイ一体で戦ったわけではない。
ダンジョン全体で狩ったのだ。
それが何より大きかった。
「使えるな」
思わず呟く。
ゴブリンは弱いが、優秀だった。
二体死んだ。
それでも十分元を取っている。
むしろ安い。
人間三人とゴブリン二体。
交換としては破格だった。
俺は管理画面を開いた。
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【保有DP:175】
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数字を見る。
確実に増えている。
ダンジョンは成長している。
なら使うべきだ。
DPは貯めるためのものではない。
増やすために使うものだ。
「また召喚ですか?」
リリスが聞く。
「ああ」
「懲りませんね」
「効率が良かったからな」
俺は迷わず10DP召喚を選択した。
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【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:165】
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・ゴブリン
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「おお」
いきなり当たりだった。
悪くない。
続ける。
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【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:155】
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・劣化魔石
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【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:145】
⸻
・洞窟ネズミ
⸻
【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:135】
⸻
・ゴブリン
⸻
【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:125】
⸻
・ポイズンスライム
⸻
【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:115】
⸻
・劣化魔石
⸻
【10DP召喚】
【DP-10】
【保有DP:105】
⸻
・ゴブリン
⸻
そこで止めた。
十分当たりだろう。
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【配下モンスター】
・スイ×1
・リリス×1
・シャドウバット×1
・ゴブリン×4
・ポイズンスライム×2
・洞窟ネズミ×3
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軍勢と呼ぶにはまだ少ない。
だが確実に増えている。
俺は満足だった。
スイも新しいポイズンスライムへ近付いている。
「なかま」
『ぷるる』
嬉しそうだ。
そんな様子を横目に、俺は転がる劣化魔石へ視線を向けた。
「そういえば、これはどう使う?」
「集めれば魔石になります」
リリスが答える。
「完全なハズレではないのか」
「ええ。数が必要ですが」
なるほど。
なら保管しておけばいい。
ゴミではないらしい。
俺は劣化魔石を倉庫へ移動させた。
その後は訓練施設へ向かう。
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【訓練施設】
【元女剣士】
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施設は今日も稼働していた。
ゴブリンたちが整列する。
棍棒を振る。
移動する。
囲む。
下がる。
単純な動きだ。
だが以前とは別物だった。
雑魚は雑魚。
しかし訓練された雑魚だ。
冒険者を足止めするには十分だろう。
俺は少し考える。
この施設も優秀だ。
女剣士を倒した価値は大きかった。
強者を倒せば資源になる。
施設になる。
そしてダンジョンを強くする。
実に合理的だ。
その時だった。
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【侵食率:3.2%】
↓
【侵食率:3.3%】
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数字が動いた。
「ん?」
俺は表示を見直す。
見間違いではない。
確かに増えている。
だが理由が分からない。
「リリス」
「分かりません」
聞く前に返された。
どうやら彼女も知らないらしい。
侵食率。
以前から存在していた謎の数値。
今まで変化しても意味は表示されなかった。
だが今回は違った。
数字が変わった直後。
小さな通知が現れる。
⸻
【侵食進行を確認】
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それだけだった。
説明はない。
だが俺は妙な違和感を覚える。
まるで何かが近付いているような。
あるいは何かへ近付いているような。
そんな感覚だった。
だが今は分からない。
分からないなら放置だ。
いずれ答えは出る。
俺は表示を閉じる。
そして改めて配下たちを見渡した。
ゴブリン。
ネズミ。
スライム。
まだ弱い。
だが増えている。
強くなっている。
それで十分だった。
今は侵食率より軍勢だ。
もっと増やす。
もっと狩る。
もっと強くなる。
その先に何があるのかは、その時考えればいい。




