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『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


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第31話 ダンジョン強化計画

第三階層から帰還した翌日。


 俺は久しぶりに落ち着いた気分でダンジョンコアの前に立っていた。


 侵略者との戦い。

 深層主との遭遇。

 リリスの誕生。


 短期間で色々なことが起きたが、とりあえず大きな問題は片付いた。


 そして今、ようやく本来の仕事に戻れる。

 ダンジョン運営だ。

 コアへ意識を向ける。

 半透明の画面が展開された。


【ダンジョン情報】

階層数:3

保有DP:37

眷属

・スイ(原初の眷属)

・リリス(命名眷属)

・シャドウバット(負傷個体)


建設可能施設

・眷属居住区

・罠強化

・魔力循環路

・監視網


 相変わらず選択肢は多い。

 だがDPは少ない。

 命名に1000DP使った直後だから当然だ。


「まずは稼がないと駄目ですね」


 隣でリリスが画面を見つめる。

 その姿は以前と変わらない。

 いや、変わってはいるのだが、中身はアラクネのままだった。

 真面目で働き者。

 そして妙に世話焼きだ。


「ご主人様は使い切る癖がありますから」


「耳が痛いな」


 実際その通りだった。

 貯まるとすぐ使う。

 経営者としてどうなのかと思うが、必要な投資だったのも事実だ。


「あるじ!」


 そこへスイが飛び込んできた。

 最近は第三階層を走り回っているせいか、以前より活発になった気がする。


「人面蜘蛛さんたちからお礼が届いた!」


「お礼?」


「これ!」


 差し出されたのは白い糸だった。

 ただの蜘蛛糸ではない。

 触れた瞬間に魔力を感じる。

 リリスも興味深そうに手に取った。


「高品質ですね」


「分かるのか?」


「はい。私でも作れますが、かなり熟練した個体の糸です」


 なるほど。

 第三階層との交流が早速利益を生んだわけだ。

 同盟という選択は間違っていなかったらしい。

 その時だった。

 コアの画面が小さく震える。


【新機能を解放可能】


「ん?」


 詳細を開く。


【眷属居住区】

必要DP:50


【眷属召喚陣】

必要DP:100


【魔物保管庫】

必要DP:80


 思わず目を細める。

 面白そうなものが増えている。


「眷属召喚陣……」


 リリスも画面を見つめる。


「以前の召喚とは違うのですか?」


「説明を見る限り違うな」


 今までのモンスター召喚は魔物を呼び出すだけだった。

 だがこれは違う。


【眷属召喚陣】

ダンジョンへ忠誠を誓う個体を召喚します


 完全な配下。

 つまり組織運営向けだ。

 戦力としてはモンスター召喚より弱いかもしれない。

 だが管理は圧倒的に楽になる。

 リリスが頷いた。


「将来的には必要になりますね」


「だな」


 今はまだスイとリリス、それに療養中のシャドウバット一体だけで回っている。


 だが領域が広がれば限界が来る。

 その時に必要になる施設だろう。

 しかし今は買えない。

 DPが足りない。


「まずは稼ぐか」


 その言葉に二人が頷いた。

 するとスイが何か思い付いたように顔を上げる。


「じゃあ冒険者!」


「ん?」


「最近来てない!」


 言われてみればそうだった。

 第三階層の騒動で忘れていたが、最近は冒険者の姿をほとんど見ていない。

 俺は監視画面を開いた。

 そして理由を理解する。


 入口付近が酷かった。

 罠は古い。

 構造も単純。

 そして第一階層にはモンスターを配置していない。


 今の戦力に対して、第一階層が弱すぎる。


「なるほど」


 リリスも苦笑する。


「入口で魅力を感じないのでしょう」


「テーマパークみたいに言うな」


「似たようなものでは?」


 否定できなかった。

 冒険者が来なければDPは増えない。

 DPが増えなければ強くなれない。

 つまり入口の改善は急務だ。


「次の目標を決める」


 二人がこちらを見る。


「第一階層を全面改装する」


 スイの目が輝く。

 リリスも小さく笑った。


「ようやく本業ですね」


「ああ」


 第三階層の問題は片付いた。

 第四階層はまだ先だ。

 深層主も今は動かない。

 ならばやるべきことは一つ。


 ダンジョンを育てる。

 もっと人を呼び込む。

 もっとDPを稼ぐ。

 もっと強くなる。


 俺は新しい設計画面を開いた。

 そこには改装可能な第一階層の全体図が映し出されている。


 そして俺の頭の中には、すでにいくつもの案が浮かんでいた。

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