表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『最凶進化ダンジョンマスター ~冒険者を餌に最強を目指す』  作者: もかどら


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/80

第30話 原初に次ぐ者

爆発した魔力が地下空間を揺らした。


 人面蜘蛛たちが悲鳴を上げる。

 女王ですら数歩後退していた。

 その中心にいるのはアラクネだ。


 金色に輝く瞳。


 渦を巻く魔力。


 そして全身を包み込む白銀の光。


「ご主人様……!」


 苦しそうな声が響く。

 だが俺にはどうすることもできない。

 命名は始まってしまった。

 あとは見届けるしかない。


【命名を実行中】


【対象:アラクネ】


【個体情報を再構築します】


 再構築。

 その文字を見た瞬間、アラクネの身体が大きく震えた。

 蜘蛛脚が光へ溶ける。

 長い銀髪がさらに伸びる。

 肌は雪のように白く変わり、漂う魔力は明らかに別次元へ到達していた。


 人面蜘蛛たちが跪く。

 本能的に格の違いを感じているのだろう。

 女王も無言だった。

 その変化を見守ることしかできない。

 やがて光が収束する。

 静寂が訪れた。


 そして。


 そこに立っていたのは、以前のアラクネでありながら、明らかに別の存在だった。


 上半身は美しい女性。


 腰から下には白銀の蜘蛛体。


 だが以前の禍々しさは消えている。

 どこか神秘的ですらあった。

 ゆっくりと瞳が開く。

 金色の瞳が俺を見る。


「ご主人様」


 その声は変わらない。

 だが響きが違った。

 以前よりも深く。

 以前よりも力強い。


【命名完了】


【個体名:リリス】


【種族:原初の魔蛛】


 原初。

 思わず表示を見返す。

 スイだけが持つ特別な称号だと思っていた。

 だが詳細を確認すると違った。


【原初の眷属:スイ】


【命名個体:リリス】


 別枠だった。

 スイは唯一。

 リリスは命名によって生まれた上位存在。

 似ているようで違う。

 それを確認して少し安心する。

 スイの特別さは失われていない。


「ありがとうございます、ご主人様」


 リリスが深く頭を下げた。

 その仕草は以前と変わらない。

 だが周囲の反応は違った。

 人面蜘蛛たちが完全に畏怖している。

 女王でさえ警戒を隠せない。

 それだけの進化だった。

 そして次の瞬間。

 システムが新たな情報を表示する。


【命名特典】

【眷属管理機能を解放】


 さらに続く。


【眷属施設】

【建設可能】


 俺の目が見開かれる。

 施設。

 また新しい機能だ。

 詳細を確認する。


【眷属の居住区を建設できます】


【眷属の成長速度が上昇します】


【配下管理効率が向上します】


 思わず笑みが漏れた。

 強い。

 派手な戦闘能力ではない。

 だがダンジョン経営においては最高クラスの機能だった。

 リリスも表示を覗き込む。


「これで配下を増やしやすくなりますね」


「そうだな」


 むしろここからが本番だ。

 強い個体を一体作るより。

 強い組織を作る方が価値がある。

 その考えは変わらない。

 女王がこちらへ歩いてくる。


「約束通りです」


 彼女は静かに頭を下げた。


「今回の件で我々は救われました」


 第三階層の人面蜘蛛たちも続く。

 敵意はない。

 むしろ感謝に近い。


「今後も交流を続けたい」


 女王はそう言った。

 支配ではない。

 同盟だ。

 今の段階ではそれで十分だった。


「こちらも異論はない」


 俺は頷く。

 第三階層との関係はこれで安定した。

 無理に争う必要もない。

 今はもっと優先するべきことがある。

 ダンジョンの成長だ。

 帰還した俺は早速コアを開いた。


【DP:37】


 命名で綺麗に消えた。

 だが後悔はない。

 むしろ安いくらいだ。

 そして新たな選択肢が並ぶ。


【ダンジョン拡張】


【眷属居住区】


【モンスター召喚】


【施設建設】


 第四階層。

 深層主。

 その先に待つ未知の脅威。

 今の戦力ではまだ届かない。

 だからこそ、ここで立ち止まるわけにはいかなかった。

 スイとリリスが俺の隣に立つ。

 最強の駒は揃い始めている。

 次はダンジョンそのものを強くする番だ。


 俺はコアへ手を伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ