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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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ご近所ダンジョンさん 15

 阿修羅の前で私はミズモチさんに乗って構えを取ります。


 刀は鞘の中に足場はミズモチさんが整えてくれます。


 私はただ一刀を放つために力を込めるだけでいい。


「行きましょう」


 自分がどんな姿をしているのかわかりません。

 ですが、もうそんなことはどうでもいいです。


「阿修羅さん。お待たせしました。さすがは強者ですね。強い鬼さんたちは皆さん、強くなればなるほど武人な方が多かったです。阿修羅さん、あなたもそうなのですよね?」

「人をやめし者よ。我と戦う資格を持つ貴様に敬意を表す」


 やはり、ちゃんと話ができるのですね。


 もう驚くことはありません。

 私もあなた方の仲間になったのですから。


 人外は魔物なのか、それとも人なのかわかりません。


「ありがとうございます。あなたは今まで出会った中で最強の鬼です。阿修羅さん」

「うむ。元人の子よ。武人として貴様と戦えることを我も誇りに思う」


 六つの武器を器用に構える阿修羅さん。


 私は鬼切丸さんを右手に、白金さんを左手に構えました。


「ミズモチさん、私は腕が二本しかありません。残りの四本を補ってくれますか?」

「はい!」

「ありがとうございます。それではいきましょうか」


 真っ黒に染まったミズモチさんと人外になった私。

 見た目は変わってしまったかもしれませんが、心は何一つ変わりません。


 人外へ変わる恐怖はありましたが、私自身は何も変わっていません。


「阿修羅ーーーーーー!!!!!」

「うおおおおおおーーーーーー!!!!!」


 六つの攻撃が左右上下同時に時間差でありえないほどに隙間なく、油断なく、圧倒的に、全てを飲み込むように、全ての力を私に向けられています。


 ですが、その全てをミズモチさんが高速を超えた音速の動くで、全て避け切ってくれました。


 ああ、さすがですね。


 ですが、それでも届かない。

 阿修羅さんが今まで最強である以上。

 甘くはありませんね。


 私の相棒はどんな魔物にも対応してくれています


「白金さん!」


 ここまで近づいて六つの攻撃が同時に私たちを襲います。

 

 だから! 多くの戦いを白金さんと一緒に潜り抜けてきました。


 特大の白金さん回転させて、阿修羅の攻撃を全て弾き飛ばしていきます。


「すみません。相手の攻撃は犠牲なくては止められませんでした」


 白金さんに食い込む六つの武器。

 私の魔力が注がれた白金さんが、一時の猶予をくれます。


「東郷流剣術一刀の極み」


 奥義を超える秘奥義にて、白金さんが作ってくれた一時を失わないために。


「ミズモチさん」

「ご主人」


 ミズモチさんから飛び出して空中へと身を投げ出します。


 巨大化したミズモチさんが、白金さんを押し込むように阿修羅さんの動きを止めてくれました。


 さすがは私の相棒です。


「秘奥義、鬼殺し!」


 巨大な阿修羅の首は一刀によって滅する。


「うおおおおおおお!!!!!!」

「あなたは強い。ですが、私とミズモチさんはもっと強い」


 一刀両断した阿修羅が魔石へ代わり、六つの武器が全て落とされました。

 どうやらそのままドロップ品になるようです。


「白金さん。これまであなたにはたくさん助けられてきました」


 ボロボロにひび割れて地面に落ちている白金さんを拾い上げてお礼を伝えます。

 すると、白金さんは最後の役目を終えたように砕け散って消えて行きました。


「ありがとうございます。これまであなたがいたことが私の救いでした」


 長く戦ってきた友との別れを終えた、私は六つのドロップから一つの武器を選択します。


「銀色の杖ですね。どんな能力があるのかわかりませんが、白金さんを失った私には必要となるでしょう。どうかご協力をお願いします」


 残りの五つはミズモチさんに持っていただき、もしも魔力切れになることがあれば吸収してもらうことにしました。


 阿修羅を倒すと、視界を奪っていた霧が晴れると幻想的な景色が広がっていました。


 白鬼乙女さんがいると言われ続けているボス部屋の扉もハッキリと見えました。

 とうとう私たちはここまで辿り着いたのですね。


 Sランクの上にはZランクと言われるダンジョンランクが存在します。

 天変地異、何を起こしてもおかしくない天災級ダンジョンで、人が到達できるレベルではありません。


 ですが、私は人ではなくなってしまいましたからね。

 

 人外である私が行かなくて、誰がいくのだと言いたい。


「ふぅ、ミズモチさん。ボスの部屋に入る前に腹ごしらえをしましょう」

「はい!」


 カオリさんが二人で食べるように御重のお弁当を百人前作ってくれました。

 絆ギルドの皆さんや、ユイさん、カオリさんも手伝ってくれたそうです。


 ふふ、皆さんには帰ったらたくさんお礼をしないといけませんね。


「はは、シチューが入っています。ミズモチさん、実はカオリさんに初めてお弁当を作ってもらった時に、シチュー論争という会話をしたんです。シチューはスープか、おかずかってね。懐かしい。あれからもう一年が過ぎようとしています。まさかカオリさんと結婚ができるなんて夢のようです。本当にミズモチさんに出会ってから色々ことがありました」


 お腹いっぱいお弁当をいただき、お茶を飲んで、残ったお弁当はミズモチさんに食べていただきました。


「少しだけ休憩しましょう」


 白鬼乙女さんが住んでいた古屋があるので、そこで一泊させてもらいます。


 明日は、いよいよ白鬼乙女さんに会いにいきます。


「待っていてくださいね」


 私はボス部屋の前に、買ってきておいたクリスマスケーキとシャンパンを置いて手を合わせました。

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