家
京都から帰ってきた私たちは久しぶりに家へ帰ってきて爆睡しました。
たっぷりと疲れが溜まっていたのでしょうね。
二日間、何もしたくないと思うほどに眠気が襲ってきて、二人とも食事もそこそこにダラダラと過ごしました。
ミズモチさんには申し訳ありませんが、大量の菓子パンと保存肉でその間は凌いでいただきました。
人間って気を抜くとダメですね。
いつまでもダラダラできてしまうんです。
帰ってきたコタツもいけませんでしたね。
コタツにみかん、それにお餅とお煎餅を置いて、飲み物は二人でじゃんけんをして取りに行くのを決めました。
二人でこんなにもダラダラしたのは、初めてかも知れませんね。
「コタツはヤバいですね」
「本当ですよ。ヒデオさんがコタツを出すから」
「申し訳ありません。ですが、魔力には抗えないのです!」
「ふふ、そうですね」
こんなやり取りをしながら、二人でビールや日本酒を一升瓶ほど空けてしまいました。各地で購入してきた物をミズモチさんに出してもらいます。
青森から始まって、秋田、鳥取、岡山、香川、高知、愛媛、徳島、京都、大阪、十県を回った際に買っていたお酒たちが二日でどんどんなくなっていきます。
「はぁ〜流石にそろそろ起きないといけないですね」
「そうですねぇ〜」
私たちがコタツの魔力から抜け出せたのは、三日目の朝でした。
流石にダラダラしすぎて、体が痛くなってきたからです。
自身の回復さんがあるので、寝て起きたら体が楽になってしまうのですが、それでもじっとコタツにいると腰が辛くなってきました。
これは、ケガと判断して頂けなかったようです。
「お風呂に入って冒険者ギルドにいきましょうか」
「はい」
三日目の朝にお風呂を沸かして身支度を整えて、私たちは冒険者ギルドへ顔を出しました。久しぶりに訪れる冒険者ギルドは何も変わっていないように見えます。
事前にくることを伝えていたので、ユイさんが出迎えてくれます。
ここ最近の動きなどをカオリさんに説明してもらうために、専属ルームで話をして、オークションに出していた黒鬼ダンジョンのドロップや魔石などを受け取りました。
兜以外の鎧一色はかなりの好評だったようです。
さらに、魔石も合わさって、見たことのない数字が記載されていました。
「10000000000円?」
キリがいい数字ではあります。
ですが、正直意味がわかりません。
「100億?」
「はい。オークションのまとめで、端数は冒険者ギルドの取り分としていただきました。ですから、これがヒデオさんとカオリさんの取り分になります」
ユイさんの言葉に頭が真っ白になりました。
今までも、億の単位はすごい金額だと思ってきました。
ですが、流石に一度で稼げる額として、100億は異常ですね。
もしも、私に何かあってもカオリさんは一生遊んで暮らせるでしょうか?
「ヒデオさん。そんなに驚くような数字ではありません」
「えっ?」
カオリさんの発言に茫然としていた私が引き戻されます。
頼もしすぎませんか?
「すでにヒデオさんの口座には50億近くのお金が入っています。この間装備で十億使っても土蜘蛛ダンジョンや酒呑童子ダンジョンの魔石は、オークションに出されています。それ以外の地域のダンジョン開放などで得た報酬もヒデオさんは見ていませんが、私が確認して50億を超えているんです。ですから、今更100億増えても私たちには関係ありません」
いつの間にそんなことになっていたのか知りませんが、私はカオリさんとユイさんがいなければ、今頃人生が狂っていたのではないかと思います。
「あの、そこで相談なのですが、阿部さんご夫妻に冒険者ギルドから提案です。ご自宅を購入するつもりはありませんか?」
「ご自宅?」
「はい。冒険者ギルドは銀行やショップ、冒険者方々の輸送なども行なっています。その一環で不動産売買もしております。それは冒険者の方が使う武器や道具は特殊な物が大きいの保管する場所などいるため大きなお家が必要になる方もいるからです」
言われてみればそうですね。
私たちはミズモチさんが預かってくれるので、そんなことも考えておりませんでした。
「前に自宅購入の話をしていたので、いいかも知れませんね」
「ヒデオさんたちご夫婦なら、マンションを建てることもできますので、そちらでもご相談できます。入居者も冒険者の方々ならご紹介できるので、トレーニング施設なども加えていただければご紹介しやすくなります」
ユイさんがやりての不動産屋さんに見えてきました。
私はこういう話は全て丸投げなので、カオリさんを見ます。
「良い話だと思いますよ。変な不動産に頼むくらいなら、冒険者ギルドに頼んだほうが信用できます」
「わかりました。そちらの費用や話については、ユイさんとカオリさん、諸々の書類も必要になると思うので弁護士のマリアさんにお願いしましょう」
「はい! それでは進めさせていただきます」
話が大きくなりすぎて私はもうわけがわかりません。




