お引っ越し
20年間住み続けてきた我が家の契約を来年の一月に退去することで話をつけました。
ユイさんから、カオリさんへ家の話が成立したと連絡が来たからです。
私が思っているよりも家の購入がトントン拍子に進んでいきます。
まずは、自宅として一軒のお宅を購入することが決まりました。
すでに建てられた家ですが、中古というわけではなく。
高級な建築様式で、他では見ることができない芸術作品なのだそうです。
年数的には二年前で、誰も住んでいなかったので一応新築になります。
手入れはされていたそうですが、豪華な家に圧倒されるばかりです。
普通のネットサイトでは見えないようにされている、冒険者ギルド秘蔵の一軒家だそうです。
さらにその家には、1000㎡も土地の面積があるそうです。
家としての作りは150㎡ほどで、あとは、駐車場や倉庫、プールや遊技場、トレーニング施設など。家以外の建物が三件ほど別に建てられています。
これから子供が生まれ家族が増えても、私が魔物をミズモチさん以外にもテイムしたとしても、広々として使えるようにされています。
そして、600㎡の土地に、高級マンションが2棟建てられます。
うん。もうスケールが……。
建物としては250m2を使って高級マンション2棟です。
残りの土地は道路や公園など、必要な環境作りに使われます。
私は家を建てる話をしているのですよね?
何か別世界の話をされているのは気のせいなのでしょうか?
さらに高級マンション用のスーパーも建築予定です。
私は冒険者を通り過ぎて、何屋さんになるのでしょうか?
「というのが諸々の計画になります」
「はぁ〜」
カオリさんに説明を受けても、意味が全く分かりません。
家を買うというだけでも私には大事ですからね。
一応、大阪の両親にも連絡して、家を買うことを伝えました。
「お前が決めたことやったらええんちゃうか〜? 大阪には帰ってこうへんのか?」
「うちらはこの家があるから、東京に行くんは嫌やで」
そういう両親のために、私は小さくてもいいので、マンションをプレゼントして欲しいとカオリさんにお願いしました。
父親も、もうすぐ定年退職です。
第二の人生を悠々自適に暮らして欲しいと思うので、年金以外の収入源があった方が良いと思いました。
「もちろんです!」
カオリさんはすぐに枚方の駅近くで売りに出ていたマンションを購入してリフォームを行なってくれました。
さらにユイさんを挟んで冒険者ギルドが信用する業者に入ってもらったので、お金は高くなりますが頑丈で安心ができる作りになったそうです。
両親がそこに住んでも良いですが、もしも新しく家が欲しければ購入してもいいと伝えました。
「いらんいらん。住み慣れた家が一番や」
「今更変わるのもしんどいわ〜」
と言われたので、せめて家のリフォームと家電製品は全て新品に交換をするように提案しました。
両親は申し訳なさそうな声をしていましたが、それならと受け入れてくれました。
マンションの管理は専門のプロにお願いして、両親の口座に収入が入るように手配を終えて、なんでも甘えて欲しいと伝えました。
もしも家族と暮らしたいと思ってくれるなら、東京に来てもらってもいいとカオリさんにも言ってもらえました。
マンションや家のリフォームなどはすぐにできる者ではないので、その間の仮住まいの手配などは全てユイさんが行なってくれます。
本当に私はカオリさんとユイさんに全て任せきりで申し訳ないですね。
様々な出来事があったからこそ、普段の生活面を全然考えていなかったことに気づきますね。
私は改めて両親や、カオリさん、ユイさんなどの家族や仲間のありがたみを感じます。
年越し前に、私たちは引っ越しもすることにしました。
新しい家はいつ入居しても良いように手入れがされています。
冒険者ギルドが用意していた家具一式もセットでつけてくれるそうです。
50㎡のリビングに置かれた巨大なソファーは、1000万ほどの価値がある物だとカリンさんが教えてくれました。
「阿部さん、今から私とユイを妾にしない?」
「しません」
「うーん、まぁユイは阿部さんの専属なったから恩恵あるか〜良いなぁ〜」
「カリンさんにも色々とお世話になっているので、何かあれば言ってくださいね」
「いいの? その時はお願いします!」
ランクが変わろうと、お金をたくさん手に入れようと、カリンさんのように変わらないで接してくれる人は貴重ですからね。
引っ越しが完了すると絆ギルドのメンバーを呼んで、引っ越しパーティーをしました。料理人さんや給仕をしてくれる方を雇って、掃除もお手伝いさんを臨時でお願いしました。
流石にカオリさん一人では全ての部屋を掃除することはできないので、定期的に掃除をお願いするお手伝いさんを雇い入れました。
環境の変化で何か自分自身が変わってしまうかと思いましたが、私は自室として与えられた部屋にコタツを持ち込んでテレビを見ながらゴロゴロするのが一番です。
「コタツは最強ですね」
「はい!」
同じようにゴロゴロとしてくれるカオリさんがいるから幸せですね。




