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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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土蜘蛛ダンジョン 1

 北野天満宮には、桜門、東門、北門が存在する。

 他にも塀を越えることもできるが、私たちは正面の桜門から侵入することにした。


 北門から入ったほうが、本殿が近く土蜘蛛のボスへ遭遇しやすくはあるのだが、今回のカオリさんが考えてくれた作戦は、三人のレベルアップです。


 白鬼乙女さんに挑戦する前にレベルを上げたい。


 それはカオリさんも含まれており、カオリさんが編み出した新たな《闇》魔法を使うことにしました。


「闇魔法って、可能性が多いですね」

「はい。私もそう思います」


 私たちを囲むように真っ黒な円形の結界が張られております。

 私が作り出し《聖》なる結界は敵の攻撃などを防御しますが、カオリさんが作り出した《闇》の結界は敵を吸収します。


「門を通ると、蜘蛛の巣がそこかしらに存在して、恐ろしいと感じましたが、カオリさんの結界はすごいですね」


 土蜘蛛の形状は、巨大な蜘蛛です。

 ですが、それはボスだけで、それ以外の魔物は小さな蜘蛛の魔物が巣を貼りこちらが巣にかかるのを待っておられます。


 そこにカオリさんの《闇》魔法が発動すると、蜘蛛の糸ごと闇の中へと魔物が吸収されていくのです。

 闇の中は、異空間というわけではなく、密閉された箱の中をイメージするような感じだとカオリさんは言われていました。


 箱なので、入れる限界はあるのですが……。


 そこへ《断捨離》スキルを付与しておくことで、箱の底にカオリさんの魔力吸収がさらに発動して、無限に魔物が取り込める脅威の結界が完成しました。


「あっ、レベルが上がりました」


 ただ、この結界の凄いところは、カオリさんだけが経験値を稼ぐためにできているわけではないということです。


 外部の魔物をカオリさんが判断して吸収していく中。


 私は白金さんを伸ばすことで上にいる魔物を倒して経験値をいただきます。


 これも伸縮自在の金棒を手に入れたことで、カオリさんが思い付かれました。

 私が白金さんで、カオリさんが金棒で、蜘蛛を落としたり、倒したりして、経験値を稼いでいきます。


 ちなみにミズモチさんは、ウォーターダンという独自の遠距離魔法を編み出されて、水の塊を高速で打ち出して蜘蛛を仕留めておられます。



 土蜘蛛ダンジョンの下見をして、ダンジョンに現れる蜘蛛たちの存在を聞いたことで考えたカオリさんの作戦は完璧です。

 


 それも1日で全てを攻略するのではなく。


 桜門から近辺を討伐したら、明日は東門へ向かいます。


 なぜ、そんな面倒なことをするかといえば、ダンジョンが解放された後のことを考えているからです。


 蜘蛛たちは大量の巣を糸で作っています。


 実はこちらの品物は、高級な糸で高値で売り買いされております。

 それを上手く集めるためにも、カオリさんの結界は役に立ちます。


 吸収した巣を作っていた糸だけを内側に吐き出して、ミズモチさんに保管してもらうのです。


 そうすることで土蜘蛛の糸を回収して、土蜘蛛を倒して経験値をもらい、それを数日に分けることで冒険者としての儲けを稼ぐ。


 土蜘蛛ダンジョンは、もはや攻略することよりも様々な意味を持つ貴重なダンジョンに思えてきました。


「そろそろ終わりにしましょうか?」

「そうですね。桜門から入った北野天満宮の中庭は一通り片付いたようです」

「明日になったら、また同じだけリポップするのでしょうか?」

「どうでしょうか? 私は再出現するのを待って戦ったことはないので、知りませんが、一緒に戻るのは嫌ですね」

「そうですね」


 像や牛などの動物系の魔物は、見た目に可愛いと思えてしまうのですが、Gの巣窟や蜘蛛のように虫系の魔物は、見ているだけで恐ろしく感じてしまいます。


 私って虫が苦手だったんですね。


 土蜘蛛たちは、ボス以外は一メートルほどの巨大蜘蛛です。


 それでも十分に気持ち悪いですが、ボスの土蜘蛛は十メートルはあるので、今見ている蜘蛛たちの十倍ということになります。


「一先ずは、帰りましょう。それで土蜘蛛の糸を冒険者ギルドに卸します」

「はい!」


 私はカオリさんと共に京都府京都市上京区馬喰町にある冒険者ギルドを訪れました。風情のある和風建築の冒険者ギルドは、他の冒険者ギルドと趣が違うように見えますね。


「今日はどうしはりました?」

「指名依頼の一環です。土蜘蛛の糸を百キロほど持ってきました」

「へっ? 百キロ? すんません。それではこちらへ」


 買取場所へ案内された私たちは、ミズモチさんにお願いして、土蜘蛛の糸を出してもらいました。


「うわ〜ほんまにすごいですね。鑑定と買取料の計算をさせていただきます」


 職員さんが驚いた顔をされて、数名の助っ人を呼んで計算をしてくれた。


 私たちは、和菓子とお茶が飲める冒険者ギルドのラウンジで待たせてもらいました。


「お待たせしました。こちらが今回の報酬になります」


 数字だけが書かれた紙が、私に渡されました。


 土蜘蛛の糸、百キログラム 一億。


「まぁまぁですね」


 カオリさんは満足された顔をしていました。


「品質も問題あらしません。むしろ、あないな綺麗な取り方は初めて見ました。解放された時のことを思ってお願いしましたが、どうや続けておきばりやす」


 職員さんに応援されて、私たちは冒険者ギルドを後にしました。

 

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