今後の二人は?
私はご近所ダンジョンを攻略するために、新装備を購入しようと思ったのですが、攻略したいダンジョンは鬼を主体にしたダンジョンです。
鬼という耐性があるのかわかりませんが、防具に鬼耐性加護をつけてもらえるならつけて欲しいと考えました。
白鬼乙女さんが授けてくれた刀、鬼切丸は鬼を切るための刀だと思います。
攻撃力に関しては、すでに授けていただいております。
ですが、鎧は最高品質でありながらも、鬼に対する耐性はついていないと、カリンさんの鑑定してもらったお墨付きです。
ということは鎧の方はこちらで用意しなくてはいけません。
「なるほど。今後はご近所ダンジョンさんを攻略するために強力な防具が必要になり、それを入手するためにオーダーメイドの防具を作ってもらうということですね。その材料を集めるための冒険をしていくわけですね」
自宅に帰った私は、カオリさんにオークションに出していたドロップ品の買取価格を伝えました。
16億という言葉にかなり驚いてくれましたが、冒険者アプリで確認もしてもらいました。ただ、今後のことを考えて必要な装備と、費用のことを伝えると難しい顔をされました。
ただ、それは今後の方針に難色を示したとかではなく、私のことを心配してくれてのことでした。
「これから色々と大変ですね! しっかりと支えますから」
残り一週間ほどで、カオリさんは会社退職されます。
それからは、私のマネージャーという形で動いてくれることが決まりました。
今後は冒険者として稼いだお金などを家計簿としてではなく法人化させて経理として管理しもらうことになったのです。
また、テレスさんなど、仕事を依頼してくる方の交渉役や、弁護士さん達との話し合いなどもカオリさんを通してもらうことになりました。
これまでの私を見ていたカオリさんが負担が減るだろうと提案してくれたのです。
私はミズモチさんを中心とした冒険者業に専念できることになります。
また冒険者業務の方は、専属受付であるユイさんがややこしい手続きなどをしてくれるので、最近はカオリさんとユイさんの顔合わせを行いました。
「阿部の秘書兼マネージャーの矢場沢薫です」
「あなたが! 冒険者ギルドで阿部秀雄さんの専属しております。水野結です」
二人はミヤコさんの店で顔合わせをしていたので、初めましてではありませんが、改めて仕事の関係で挨拶をしてもらいました。
mainの交換もしてもらったので、今後私に何かあれば、連絡が取り合えるようになりました。
あの日、カオリさんのご両親と決別をした日から、カオリさんは変られました。
私とミズモチさんを幸せにすると言ったのは、こういう形で支えるということも含まれていたんですね。
「わかりました。そちらはヒデオさんの思うがままに行ってください。その方がヒデオさんの安全面が確保されるならば、私も喜ばしいことです。もしも、経費や必要なことがあればなんでも言ってくださいね。私は全面的に協力してバックアップします」
本当に心強い話です。
カオリさんはお母さんのこともあり、あまり表に出ないで裏方として生きることを決めたそうです。
会社などに所属してしまうと、要らぬ疑いをかける人が出てくると言われていました。
そこで、カオリさんは個人で会社を起こすことを考えたそうです。
私の名前が社長として登録されます。
他人の会社に勤めにいくことでカオリさんがお母さんのことで責められるぐらいなら私は良かったと思っています。
今後は、法人化した会社でマネージャ兼秘書として、雑務を担当してくれます。
業務内容は、私が冒険者として活動するだけです。
他にも冒険者業で困っている方の相談や、今後の成長に対してマネージメントをしていく会社なのだそうです。
はっきり言えば何もまだ決まっていません。
私はカオリさんがやる気に満ちているので、応援するだけです。
会社の資本金として1億円ほど出資をさせていただきました。
カオリさんは自分の貯金でやるといっていたのですが、私が社長なので、それぐらいはしてもいいですよね。
足りなければもっと資本金として登録をしておきたいのですが、まだまだ法人化のメリットなどが私にはわからないので勉強が必要です。
元々冒険者は非課税対象職業なのですが、どこまで対象なのか私もわかっていません。
最初の頃にユイさんに説明を受けたのですが、流石に一年ほど前になると覚えていませんね。
その辺もユイさんとカオリさんで話し合いをしてくれるそうです。
私は今まで通りミズモチさんと冒険を続けていれば良いそうです。
ですので、当面はご近所ダンジョンさんを攻略するために必要なことをしていくことを伝えています。
「まずは、装備に必要な加護について調べないといけないですね。それにどんなデザインの装備にするのか? 勉強からですね。私も法人化の勉強していますので、二人で頑張りましょう!」
「はい! よろしくお願いします!」
今後は二人で支え合っていけそうです。




