side1 ミルン.5
ゆっくりと目を開ける。
またあの夢を見た。
恐い、悲しい夢。
隣を見る。
口をだらし無く半開きにして寝ているお父さん。
私は身体を擦り付け、尻尾をお父さんの顔にのっけて振ると、ンガッむふふとお父さんが尻尾を掴み、幸せそうな顔になる。
朝日が昇ろうとしていた。
起こす時間までまだあるから、もう少し、今度はお父さんのお腹の上で寝よう。
そう思い、そっと身体を乗せると、
「ミルンは…良い子だ…なぁよしよ…」
無意識だろうか、頭を撫でられた。
やっぱりパパ、ママと違う。
でも、撫でられると、スッと恐かった気持ちや、悲しい気持ちが、嘘の様に消えていく。
「えへへっ、おとうさん」
そういえば、お父さんはママの事を自分のお母さんだよと言っていた。
なら、お父さんはお兄ちゃんなんだろうか?
お兄ちゃんと言ったらどんな反応をするのだろう? 嬉しくて踊る? 違うと怒る?
ちょっとだけ見てみたいけど、やっぱりお父さんで良いと思った。
怒りっぽくて、すぐ泣いて、私を甘やかしてくれる、大好きなお父さんだ。
でもやっぱり、ちょっとイタズラしちゃおうかな?
※
「ぐへぇええええええええ!? 何!? 誰だよお腹乗って来たの!」
朝が来たのでお腹に飛び乗りました。
じゃあイタズラしちゃおう。
「おはよう、お兄ちゃん!」
あっ…固まってる。
お兄ちゃん! 朝だよ!
お兄ちゃん…?
ゆっくりと私をお腹から下ろして、腕を上げてストレッチして、顔をパンパンと叩き、ゆっくりとそのまま毛布を被り、寝た!?
「夢だと思われた…ふふっ」
なら夢だと思って貰おう。
寝息を立てるかイビキをした瞬間、またお腹の上に乗って、ちゃんと起きて貰おう。
今度はちゃんと、おとうさんと呼ばないとね。
はいはい後書きのお時間と相成りました!! 読んで頂きまことにありがとうございます。かみのみさきで御座います。
ep1.ミルンは如何でしたでしょうか? ミルンが流に出会う前を話にしてみましたが自分としてはアレはこうでコレはアレと未だ悶々としております!!
いつかep2.ミルンが書けるように進めてまいりますのでどうぞ読んで頂いている皆様!! 見捨てないでおくんなまし!!
次からは二章となりますのでお楽しみにー!
感想、評価も是非にお願い致しまするぅ。
それではまた後書きで。
ゴールデンウィークも…仕事嫌だ働きたく無い…。