side1 ミルン.5
2026/02/20 加筆修正致しました。
魔龍の川近くに、住み始めて二年も経つと、ゴブリン狩りも、慣れたモノ。
それでも、逃げられる時がある。
しょんぼりしながら、ゴブリンの血が付いた体を、川でゴシゴシ洗っていたら、川上から、何かが流れて来る。
「レモモ? ……レモモっ!?」
あれはどう見ても、レモモ。
若干赤みを帯びていて、真ん中から割れた様な形には、見覚えがある。
甘辛じょっぱい、美味しい果実。
この魔龍の川付近には、果物どころか、木の実も落ちていない。
だからこその、超御馳走。
「レモモおおおおおおおおお────っ!!」
気合いで川に飛び込んで、レモモの側までなんとか泳ぎ、齧り付こうと口を開けたら……レモモじゃ無かった。
赤いお洋服から、尻が半分出てる……人。
「何で人……?」
この川は、地味に深い。
今もギリギリ、爪先立ちで耐えている。
ゴボッと泡が出てるから、生きてるっぽい。
「どうしよう……このまま、流そうかなぁ」
そう思い、一度は離れようとした。
でも結局、引っ張って助けてあげた。
「寝覚めが悪くなっちゃうもん」
何とか川から引き上げて、背負っている物を持って、引き摺りながら、小屋へと運んだ。
ふぅと一息吐いて、すやすや寝ている人を、ジッと観察する。
起きたらミルンを、怖がるだろうか。
暴力を振るっては、来ないだろうか。
「それ今じゃ無くねええええ──っ!?」
「きゃっ!?」
それが、お父さんとの出逢い。
初めて名前を聞いた時に、ママの最後の言葉を、思い出した。
────いつか流が、助けてくれる────
ゆっくりと、目を開ける。
また、あの夢を見た。
怖くて悲しいけども、優しい記憶。
隣を見ると、口をだらし無く、半開きにして寝ている、変なお父さん。
私は身体を擦り付け、尻尾をお父さんの顔にのっけて振ると、『ンガッ! むふふ』と、お父さんが尻尾を掴み、幸せそうな顔になる。
窓を見ると、朝日が昇ろうとしていた。
起こす時間まで、まだあるから、もう少し、今度は、お父さんのお腹の上で寝よう。
そう思い、そっと身体を乗せると────『ミルンは…良い子だ…なぁよしよ…』
無意識だろうか、頭を撫でられた。
やっぱり、パパやママと違う。
でも、撫でられると、スッと恐かった気持ちや、悲しい気持ちが、嘘の様に消えていく。
「えへへっ、おとうさん」
そういえば、お父さんはママの事を、『自分のお母さんだ』と言っていた。
それならお父さんは、お兄ちゃん?
寝起きのお父さんに、お兄ちゃんと言ったら、どんな反応をするのだろう。
嬉しくて踊る?
違うと怒る?
ちょっとだけ見てみたいけど、やっぱりお父さんで良いやと思った。
怒りっぽくて、すぐ泣いて、私を甘やかしてくれる、大好きなお父さんだ。
「でも……一回だけなら……悪戯しちゃおう」
ふんっと、お腹目掛けて飛び乗るっ!!
「ぐふぇっ、何っ!? 誰だよっ、俺の腹にプレスかましてんのっ……ミルンか」
まだ朝じゃ無いの。
それじゃあ、悪戯しちゃおう。
「おはよう、お兄ちゃんっ!」
「んんっ? まだ暗い……えっ、今なんて?」
あっ……固まった。
「朝だよ、お兄ちゃんっ!」
「俺が……おにい……ちゃん?」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「あーうん。うん? ミルンごめんよっと」
ゆっくりと、私をお腹から下ろして、腕を上げてストレッチして、顔をパンパンと叩き、ゆっくりとそのまま、毛布を被り……寝たっ!?
「夢だと、思われた? むふふっ」
それなら、夢だと思って貰おう。
寝息を立てるか、イビキをした瞬間、またお腹の上に乗って、ちゃんと起きて貰おう。
「今度はちゃんと、お父さんって呼ぶね」
パパ、ママ。
二人が居ないのは、悲しいけど、お父さんが居てくれるから、淋しく無いよ。
どうもーっ、"かみのみさき"に御座います。
サイドストーリー1を、加筆修正完了。
これで、一章全てを完了?
いえいえ、何か誤字脱字が有りましたら、修正していきますので、ご安心下さい。
ミルンと流が、出逢う前のお話。
如何でしたでしょうか?
酷い?
申し訳御座いませんっ!
今のミルンは元気っ子だから、許してっ!
追々二章も、修正して参りますので、"異世界とは"を、何卒これからも、宜しくお願い致します。
評価等々頂けましたら、胸筋を膨らませ、ヤル気が漲りますので、お待ちしております。
ではでは、又の後書きでぇーっ!!




