エピローグ
「あ〜危なかったですねぇ〜。
まさか本当に殴りかかって来るなんてぇ。
冷や冷やしましたよぉまったくプンプン」
色の無い空間、所謂世界の狭間でリシュエルは、さも怒っているかの様に頬を膨らませ、だが目元は笑っているままにその場所を漂っていた。
「危ないと言えばぁ、危うくあの人が変質しちゃうところでしたよぉ〜。何とか魔王の卵に変える事ができましたけどぉ、ちょっと予想外ですねぇ」
その眼は、オモチャを壊すまいとする親の目線か、はたまた、大事に扱う子供目線か。
ふと、リシュエルの空間に亀裂が生じる。
「見つけたぁあああ!! リシュエル、あんたやってくれたわね!」
亀裂から手を伸ばしリシュエルの顔を掴みながら現れたのは桃色の髪にこの世ならざる美貌を持ち、流が粉微塵にした像そのままの姿。
女神アルテラ。
桃色のドレスを見に纏い、桃色の口紅、桃色のネイル、桃色のヒールと眼が痛く成る程の桃色尽くしでもう桃である。
「あらぁ〜アルテラさまじゃないですかぁ、どうされましたぁ?」
わざとらしく笑顔のままで聞くリシュエルだが、相手は神。あの転生神に劣るもののリシュエルではアリと象程の力の差があり、その気ならリシュエルなど小指一本で消炭である。
今は顔を掴まれているが手加減しているのであろう。若干桃臭い。
「アンタのミスで送られて来た奴のせいで、私の子達がやられちゃったじゃないの!! しかも私の美貌そのままに作らせた像まで壊して!!」
前半は彼等が頭おかしかっただけで、後半はそのとばっちりでわ? と思うが口には出さないし出したら終わる。
「申し訳ございませんアルテラさまぁ〜この通り反省しておりますぅ〜」
顔を掴まれたままなので頭は下げれないが口で言う事は出来る。
「アンタ謝る時は頭ちゃんと下げなさいよ!」
無茶苦茶言う女神だ。
なら手を離してくれと思うリシュエルだが、顔からメキメキィッと音が鳴るぐらい離してくれないから頭は下げれない。
「申し訳ございません〜ほら、その人も今は大人しく…」
指を弾くと映像が流れる。
その映像には丁度、流がラクレル村へメテオライトフォールを発動した場面が映っていた。
「村滅ぼしてんじゃ無いのよぉおおおおこのお馬鹿ぁあああああああああああああ!!」
女神アルテラの叫びが地上に降り注ぐ。
二度、神の波動を受けた地上に異変が生じるかどうかは、地上に居る者にしかわからない。
「タイミング悪いですよぉ〜」
手足をバタつかせながら、何とかこの場を乗り切るべくリシュエルは考えるのであった。
はいはい〜第一章完結しました!
最後に村を消炭にした流がどうしたかは、第二章をお楽しみにして下さい。
色々悶々しなが続けて参りますが、読んで頂いた皆様! 誠に有難う御座います。
皆様が読まれる限り、最後まで突っ走りますのでお楽しみにしてくださいふふふ。
是非評価等もお待ちしておりますのでお願い致します。
ではまた後書きで〜