表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/552

エピローグ


 2/13 加筆修正致しました。



 ここは、世界の狭間。

 灰色の空間が、何処までも、何処までも、何処までも続く、神域と地上の、境目の場所。

 そんな場所で、ふわふわと漂いながら、額の汗を拭う"フリ"を、する者が居た。


「あーっ、危なかったですねぇ。まさか、殴りかかって来るなんてぇ。あの時、介入しなければぁ、当たってましたよぉ。ぷぷぷっ」


 上か下かも分からぬ場所で、くるくると回りながらも、考える。

 変質は、抑える事が出来た。

 しかし、別の問題が起きてしまった。


「あれしかぁ、無かったとは言え、魔王の卵ですからねぇ。ふとした拍子に、孵化しちゃったらぁ、不味いですよねぇ」


 あのまま変質していたら、それこそ勇者と言った、あの世界にあってはならない存在が、誕生していたかもしれない。


「勇者は、神様の影響下ですからぁ、私にとっては、邪魔なんですよねぇ」


 と言っても、あの世界に、勇者なんて存在が産まれた事など、一度も無い。


「何処かにぃ、良い材料でも有ればぁ、試してみたいですねぇ」


 神様の影響下に無い、勇者を作る。

 勿論、神の目を盗んで。


「それでもぉ、"彼と"同じくぅ、魔王になられでもしたらぁ、困るんですけどぉ、どうしましょうかぁ。ぷぷぷっ、楽しいなぁ」

 

 その顔は、困ると言うよりも、玩具を壊すまいとする、子供の様な笑顔である。


 数多居る異世界人の中で、唯一、私の干渉を防ぎ、脱した、"ジアストールの魔王"。


「"哲也"ぁ、何処に居るんですかぁ、ぷぷぷっ」


 くるくるくるくると、その場で前転をしながらも、次の手を考える。

 どの様に干渉しようか。

 どうすれば、思う様な存在になるのか。

 くるくるくるくると、前転をしていたら、ふと、気になるモノを見つけた。


 ピシィッ────「あらぁ、これは……っ」


 目の前にの空間に、亀裂が走った。

 この狭間は、自身の制御空間であり、他の者には、干渉出来ない筈なのに。


 それが可能な存在は────『見つけたわよりしゅえええええええええるっ!』


 逃げようとしたが、遅かった。

 亀裂から伸びてきた手が、リシュエルの頭を掴み取り、そのまま締め付ける。


『貴女っ、やってくれたわねぇ……』


「痛いですぅ、アルテラさまぁ」


 亀裂が拡大して、ゆっくりと、時間をかける様に、狭間に入って来る存在。

 女神アルテラが、姿を現した。


「ボソッ(目が痛いですよぉ)」


「聞こえてるのよっ! 目を開けなさいっ!」


 リシュエルが、目を閉じる理由。

 それは、女神アルテラの姿を見ると、目が潰れるのでは? と、思っているからである。


 長い桃色の髪に、桃色の瞳。

 桃色の唇からは、桃の香りがする。

 桃色のドレスには、金色に輝く神具を付け、そこに嵌め込まれている宝石も、桃色。

 勿論ヒールも、桃色だ。

 桃色による、桃色の為の桃色。


「なんでぇ、普通のピンクにぃ、しないんですかぁ? 痛い姿ですよぉ?」


「黙らっしゃいっ!」


「申し訳、御座いませぇーん」


 リシュエルは、軽口を叩いている様に見えるが、内心では、口から下呂を吐き、アルテラにぶちまけたい気分である。

 片や、信仰神の一柱。

 片や、神様の奴隷。

 どう足掻いても、勝てる訳が無い。

 正に、ドラゴンに睨まれた、可愛い兎。

 脱兎の如く、逃げ出したい。


「えぇっとぉ、どの様な御用件でしょうかぁ。転生神様ならぁ、別の空間ですよぉ?」


 ミシミシと、頭蓋が嫌な音を立てる。


「分からないのかしらぁ、リシュエエエエエエエエエルちゃああああああんっ?」


「皆目ぅ、見当もぉ、つきませんねぇ」


 ミシミシと、頭蓋が嫌な音を立てる。


「貴女のミスの所為でぇ、送られて来た馬鹿がぁ、私の美貌を讃える為に作らせたぁ、私の為の像を……っ、壊したんでしょうがっ!!」


「えぇぇぇ、それぇ、私の所為ですかぁ?」


「当たり前でしょうっ!?」


 アルテラ様の信徒が、アルテラ様と同じく、頭が愉快な方達ばかりで、自業自得では、無いのでしょうかぁ。

 そんな事を口にすればぁ、頭蓋が割られるのでぇ、思うだけにしますぅ。


「何よその目は。存在ごと……潰すわよ」


「止めてくださぁい。申しわけぇ、御座いませんでしたぁ、アルテラさまぁ。この通りぃ、反省しておりますぅ」


「謝る時はっ、頭ちゃんと下げなさいよ!!」


「理不尽なぁ、要求ですねぇ」


 ミシミシと、顔面を掴まれたままで、どの様にして、頭を下げろと言うのだろう。

 流石、女神アルテラ様。

 あの愉快な信徒達が崇める、神の一柱。

 

「頭を下げないのら、割るわよ……」


 メキィッと、頭蓋が嫌な音を立てる。


「そんなに怒らないで下さぁい。やらかした彼もぉ、今は大人しいですからぁ、もう迷惑はかけない────ふぇっ?」

 

 彼の現状を見てもらう為、指を鳴らして、地上の映像を、アルテラに見せた。

 今頃彼は、獣族達を引き連れて、村での暮らしを、始めようとしている頃だろう。

 そう思って、アルテラに見せたのだ。


「ねぇ……リシュエル?」


「えぇっとぉ、これはぁ……」


 リシュエルにも、予想外の出来事。


 映し出された映像は、彼が発動したのであろう、『神級魔法・メテオライトフォール』が、丁度ラクレル村に、直撃した瞬間であった。


「ねぇ……リシュエル?」


「ほらぁ、アルテラさまぁ、見て下さぁい。まだ無事な家もぉ、有りますよぉ?」


「本当ねぇ、凄いわぁ……」


 ミチィッと、頭蓋が嫌な音を立てる。



「村滅ぼしてんじゃ無いのよおおお──っ!? このっ、お馬鹿あああああああああああああああああああああ────っ!!」



 女神アルテラの叫びが、地上に降り注ぐ。

 転生神に続いて、二度目となる神の波動は、地上に一体、どの様な異変をもたらす事に、なるのだろうか。


「ああああああっ、タイミング悪いですよぉ」


 手脚をバタつかせながら、何とかこの場を乗り切るべく、リシュエルは考えるのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ