16話 みんなでお引越し.6
ゆっくりと馬車が進んで行く。
俺達は王都を出て野営地へと到着し、そこで一日過ごした後、ラクレル村へ帰る予定だ。
流石にマッスルホースさんより行者の村長を休ませないと疲れているからね。
そんな村長はミウちゃんに腕枕、メオは村長の腹の上でしがみつく様に寝ているから、ちょっとだけ羨ましいなぁ。でも、今日の俺はミルンを肩の上に乗せてるから大丈夫だ!
「おとうさん、きょうはなんのごはん?」
尻尾を振り振りと俺の背中をさすってきますね気持ちいい…はっ!? 立ったまま料理中に寝てはいけない危ない所だった!!
「今日のご飯は、チャーシュー? と野菜の盛り合わせだ!」
リシュエルに合ったあの日にルシィから身支度で貰った金を使い、肉屋で豚野郎とコカトリスの骨をたんまり買ったからな! 灰汁を取り取り紐で縛った豚野郎の塊を野菜と一緒にグツグツと沸騰しないように見張りながら煮込んでます。
ちなみに俺の空間収納、俺の物と認識しつつも俺が許可した人の物も別枠保管できるみたいだな。中身が凄い増えてる。
(一覧)
ミルンの尻尾の毛玉
ミルンの耳毛
ミルンの髪の毛
肉屋の在庫▼
花屋の在庫▼
農作物▼
資材▼
汚れた村人A装備セット
門兵Dの不倫相手の家の鍵
門兵Fの不倫相手の家の鍵
門兵Hの不倫相手の家の鍵
隊長室の扉の鍵
門兵詰所の鍵
門兵女性用詰所の鍵
流れのお金▼
ミルンのお金▼
ルシィのお金▼
ミルンのドレス
ミルンの服(男用)
ミルンの牛っぽい肉(500キロ)▼
ミルンの豚っぽい肉(300キロ)▼
ミルンのコカトリスの肉(198キロ)▼
肉のタレ▼
ケモ耳っ子達の服▼
オークの骨▼
コカトリスの骨▼
ミノタウロスの骨▼
オーク肉(700キロ)▼
コカトリスの肉(500キロ)▼
ミノタウロスの肉(500キロ)▼
王都の香辛料▼
王都の作物の種▼
王都の野菜▼
王都の果物▼
王都のキノコ▼
王都の調理器具セット▼
王都の建築資材▼
王都の家具▼
金の器
金の皿
金の精霊像
金の裸婦像
金の塊(二キロ)
金のブレスレット
金の鎧
金の盾
金の剣
金の指輪(十個)
世界樹の雫
世界樹の枝
回復薬(二十個)
解毒剤(十個)
万能薬(十個)
門兵の鍵は何か面白そうだから出て行く時に正門の脇にこっそり投げ捨てた。それ以外の鍵は持っておくことにしたよ、だって不倫相手の家の鍵とか地雷じゃん。
あと煮豚の砦で拾った物の中に世界樹の枝って物があったから植林しましょう!
だって世界樹だよ!
これぞ異世界のお約束、植えて育てて高級素材を労力ゼロでお金がうっはうは!
あと金の裸婦像はこっそり寝室に飾って、一日の最後に顔面ビンタしよう。だってリシュエルに似てるからね!! あいつ次に会ったら今度こそ殴る。
「おとうさん、まだ?」
すまないミルン、もう直ぐ出来るからね?
ドゥシャさん、野菜洗って切ってくれ。
「畏まりました旦那様。どうぞ、終わりました」
早っ!? 全員分の更に既に盛り付けも終わってるし、それじゃあ鍋から縛った豚野郎取り出して、薄切りにしてから、皿上にのせて、この秘伝のタレを上に垂らして…完成だ!!
「よし、ミルンや、皆んなを呼んで…」
その必要は無かったな。
流石ケモ耳っ子達、この匂いで真っしぐらに走って来る。
レネアも、リスタも、アジュも走ってるしってお前ら子供かっ! ケモ耳っ子達追い越すなよ!?
「良い匂いだな! 今日は何だね流君!」
「ごはん、おなかちゅいた…」
「いいにおい!」
起きたか村長。
肩の上にミウちゃんを乗せ、脚にはメオをくっ付けて、羨ましい…。
「私がっ一番だー!!」
はいレネアさん一番だねと頭を小突く。
えっ? って顔しても駄目だぞ。
「くそっ負けたぁー!」
「はぁ、はぁ、レネア姉さんには敵わないや」
と来たリスタとアジュには拳骨だ!
えっ? って顔してるがお前ら三人共大人げ無いんだよ。見てみろ影さんはケモ耳っ子達の一番最後を見守りながら走ってるだろ。
お前等護衛の癖して何遊んでるんだ。
お前等には肉は少なめにする! 文句は言わせん!
「「「そんなぁあああ!?」」」
ハモるんかよ!? そういや同じとこで育ったのか、仲良い訳だよ。
「そのぶんのおにく、わたしの!」
はいはいミルンのじゃ無いからねー、ちゃんとこの三人以外は均等にするから駄目だぞ。
「「「ごはーん!!」」」
来たかケモ耳っ子達。
いっぱい用意してるから焦らずにゆっくり食べなさいな、喉に詰まらせるなよ。
皆んなで頂きますをして、レネア、リスタ、アジュはケモ耳っ子達の面倒を見ながら食べ、影さんとドゥシャさんは何か話をしながらゆっくりと、村長は、ミウちゃんとメオに口に肉を突っ込まれながら必死になって食べており、ミルンは俺の頭をテーブルにモゴモゴと可愛い口を膨らませて食べている。
うんうん、ワイワイしてるケモ耳っ子達を眺めて食べる食事は最高だな!
俺は至福の時間を堪能した。