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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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16話 みんなでお引越し.1


【16話 みんなでお引越し】


 村長にボコられた後、動き周ってスッキリしたミルンと部屋へと戻り、なぜかドゥシャさんもついてきて、面白荷車バージョン二号を完成させた。

 

 そしてその夜、皆んなを集め、女王ルシィに連れられて地下へと向かう。


 そこで、ルシィが煮豚と黒幕さんに裁判という名の私刑を宣告してニコニコ笑顔で俺は黒幕さんに近づき目隠しを取り執行。


「さあ黒幕さん。刑の執行の時間だよ?」


 俺の面白荷車に裸の四つん這いで拘束されている煮豚のお尻に、同じく裸の四つん這いで拘束されている黒幕さんをハイっ連結! 固定完了致しました! と両名の悲鳴? 叫び? を聴きながら満足した俺たちは…満足したの俺だけ? とにかく、その後、女王ルシィに呼ばれて執務室に集まっていた。


「さて、これで一つ片付いた訳じゃが、魔王流。影から伝え聞いた事の準備も整ったのじゃ。」


 やっとか。

 それで、俺の頼みを聞いてくれるのは良いんだけど、何か条件でもあるのか。無料より怖いものは無いと言うが、見返りの無いただの善意を信じる程、俺は馬鹿じゃないぞ。


 実際、何の条件も聞かず行動に移したら、全部終わった後になって急にー いや、これが無料な訳ないでしょ常識で考えて下さいよー とか言い出して来て、最後には条件聞いていない貴方が悪いんです。ここまでやらせておいて酷く無いですか。とか言ってくる馬鹿も居る。


「有難うルシィ。それで、何か俺に出来る事、又は要望はないか? 一方的に頼みを叶えてくれるって訳じゃ無いんだろ?」


 社会人経験者は大人の善意を信じません。

 だって世の中の大半は悪意で出来てますから。

 あとほんの少しのケモ耳っ子成分とね。

 それは優しさですもん。


「ふむ、条件か。ならば魔王。いや、流。貴様の頼みとやら、それを必ず最後までやり遂げよ。それが、儂からの条件じゃ」


 何それ初めてルシィが格好良く見えるよ。

 そんなんで良いの? 後からアレしろコレしろ命令しても聞かないよ俺。

 

「王たる者、一度宣言した事は曲げぬ。寧ろ、こちらが伏して願わねばならぬ事柄故、儂に出来る事があれば幾らでも言うが良い」


 言ったな。

 この件に関して要望あれば幾らでも言うからな。

 嘘吐いたらまた泣かすからな絶対。


「嘘では無いわ! 疑り深い奴め」


 ミルン、村長、リティナ、ニアノールさんは何の話をしているのか分からず俺をずっと見てくるよ…ちゃんと話終わってから説明するね。

 ドゥシャさんはミルンを撫でてるな…いつ迄ついてくるんだろうか。


「今回は略式でいこうかの。では、ヘラクレス・ヴァント前へ」

 

 急に名前言われたから村長の筋肉が凄い歩いたよ今。

 ほら、村長呼んでるよー早く行って行って。


「おいっ押すな流君! どう言う事だね!?」


 チッ、抵抗しやがって村長め。

 早く行かないと不敬罪だよ…ボソッ

 耳元で囁いたらすかさず向かったよははは。


「ラクレル村の村長、ヘラクレス・ヴァントよ。今回の族の討伐、見事であった! その功績を讃え、貴殿には今より、騎士の位と、報奨金を授ける」


 村長はその内容を聞き唖然としているが、まだ話の続きがあるんだよなぁ見てて面白い!


「ルルシアヌ・ジィル・ジアストールが、騎士、ヘラクレス・ヴァントに命ず」


 キリッとした顔したなルシィ。

 ぷぷっいかん今は我慢、今は我慢、ぷぷっ。


「ラクレル村を獣族、人種のみならず、多種族が豊かに暮らせるよう環境を整えよ。

まだ、この王都すら成せていない事ゆえ時はかかろうが、村民が居なくなったラクレル村ならば一から作り直せるじゃろう。

王都に避難して来た元村民に関しては、こちらで住居を用意し、そこの流に負わされた傷も聖女に協力して貰い何とかしよう。

騎士ヘラクレスよ、貴殿の働きに期待しておるぞ。以上である」


 おーい、村長。

 黙ってると不敬罪だぞぉぷっくくくっ。


「ははっ!? このヘラクレス・ヴァント、誠心誠意務めさせて頂きたく存じます!」


 おいっリティナも口押さえてどうした?

 ああ我慢してるのっねっぷくくっ。


「くくっくはーあははははははははは!」

「ぶっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!」


 あーヤバい村長血管浮いてるよっ。

 ルシィは…口元隠して笑ってるな絶対。


「そう言う事だ村長。まあ頑張れっくくくっ」

「おとうさん、どういうこと?」


 それはねーミルン。

 孤児院のケモ耳っ子達や、他のケモ耳っ子達。ケモ耳っ子達とか、ケモ耳っ子達以外のケモ耳っ子達の楽園を作りましょうって事だ。

 その場所に、ケモ耳っ子達を好きな人種や、他の種族がいれば一緒に住めば良い。

 その生贄、もとい代表に、村長を据え置く為に騎士爵位を与えて、なんちゃって貴族にしました! みたいな? 


「何を笑うとる流。 貴様は相談役じゃぞ?」


 急に何いいだすんだよルシィ? びっくりして筋肉は…歩かないな。


「何だよ相談役って? 俺は聞いてないぞ?」


 立場的に俺が上? なんで? 男爵と同等?

 聞いてないからやらないぞ? 言っただろ?


「儂は言うたぞ。最後までやり遂げよと、のうミルン。それに…大聖堂を壊した分働け、流」

「ルシィいってたよおとうさん!」


 嘘でしょ? 俺はやらないぞ! だって男爵って面倒臭いじゃん働きたく無い! 

 俺は働かずにケモ耳っ子達と楽しく暮らすんだ! 大聖堂はアイツ等が悪いのに!

 働くと負けなんだよ! なぁリティナ!


「なんでウチに聞くんや!? 働けや!」


 だって聖女って治す人いないとニートだろ。

 仲間じゃないか。

 

「流さん。リティナ様は各村々を周り、病気や怪我の治療、教会で小さな子に文字の読み書きや道徳を教え、聖女と呼ばれるようになったのです。働いていない訳がございませんよぉ」


 ニアノールさん、それ本当ですか?

 俺より立派な社会人じゃん。


「流君、いや相談役殿! 宜しくな!!」


 満面の笑みで言ってんじゃねぇえええ!!

 

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