表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/606

17話 ジアストール城内の探検.9


 2/9 加筆修正致しました。



「はっはっはっ! では、やろうではないか!」


「目が笑って無いんだよ……っ、面倒な」


 村長との、強制模擬戦開始です。

 ハッキリ言おうっ!

 魔法無しでっ、勝てる気がしない!


「因みにさ……魔法使っても、大丈夫なのか?」


「上手く扱えるのかね? 流君の魔法は、そう易々と、打てるモノでは無いのであろう」


「へぇっ、良く見てんのな」


 村長が、ジリジリ間合いを詰めて来る。


「あの時、幾度も打たれて、その後も、何度も見たのでな。条件が有ると見た」


 俺対策バッチリって事ね。

 正解と言いたいけど、言えないわな。


「さぁね。魔法打つのに、条件なんてあんの?」


 手に持つ木剣が、ペーパーナイフに見える。

 剣のど素人の俺が、どう足掻いても、村長に勝てる未来が見えません。


「高位の魔法使いであったとしても、何某らの条件を整えねば、使えぬ魔法もあるのだ」


「そりゃ、御高説どうも……」


 村長が一歩、前進する度に、俺は二歩以上、後退しなければならない。

 体格差と言うか、脚の長さだな。

 一歩が大きくて、ただ怖い。


「ボソッ(こちとら小中高大と、帰宅部オンリー生活だったんだぞっ。無理に決まってるだろっ)」


 剣道すらした事無いのに、どうしろと?

 魔法使いたくても、村長から意識を外した瞬間を狙われて、即殺されんじゃん。


「あの時の覇気を、感じぬのである。そう逃げ腰では、剣は振れぬであるぞ」

 

「んな事言われてもなぁ」


 隙を見て、全力で逃げようと、画策中です。

 逃げるが勝ちって、言葉が有るんだから、俺の負けにはならない筈だ。

 嘘です、負けで良いです。


「埒が開かぬっ。流君に、先手を譲ろうではないか。その際、反撃はせぬぞ」


「おっ、それ本当か?」


「うむっ。流君の攻撃が終わったならば、私の番である。それならば良いであろう?」


 甘い男だな、村長は。

 どんな雑魚にも、ナメプは命取りだぜ。

 流さんにも、犬歯は有るんだ。


「……頭カチ割られても、恨むなよ」


「早く来るのであるっ」


 良しっ、俺の殺人剣をっ、見せてやるぜっ!

 伊達にヌルヲタはやってないんだよ!


「どたまカチ割ったらああああああ──っ!!」


 村長は、先手を譲ると言って来た。

 一回の打ち込みとは、言っていない。

 ならば……取れる手段はただ一つ。


「先ずは脚いいい──っ!」


 ポコッ────「むっ?」


「次に腕えええ──っ!」


 ペコッ────「うっ、うむ……」


「お次に首いいい──っ!」


 ペシッ────「ぬぅぅぅっ」


「止めのっ、頭カチ割りだあああ──っ!!」


 コンッ────「ふむ……」


 ふぅっ、打ち込み終わったぜ。

 で、何さっきの打ち込み音。

 木刀が当たったにしては、やけにオモチャちっくで、可愛らしい音だったぞ。


「流君……まさかここまで、貧弱だったとはな」


 村長の顔が、物凄く申し訳なさそうな感じだけど、貧弱って言うなよ貧弱って。

 それでも、あれだけ打ち込めば、痣の一つぐらいは、出来てるだろう。

 そう、思ってました。


「何で村長、一つも痣が無いんだよっ!?」


「君の力が、弱過ぎるのだっ」


「そんな訳っ……そう言えば、俺の力のステータスって、平均値の十五パーセント……」


 今更ながら、貧弱ステですね。

 下手したら幼稚園児にも、負けるんじゃね?

 これは不味いっ、不味過ぎる。


「なあ……村長」


「なんだね……流君」


「逃げて……良いだろうかっ」


「この距離ならば、逃す訳が無いのである」


 そりゃぁ俺との距離、近いもんね。

 

「頼むからっ、痛くしないでね?」


「加減はするのであるが、痛みを無しには出来ぬ。さて、覚悟は良いかね?」


 覚悟なんて、有る訳無いだろ。

 それでも、防ステータスなら、力ステータスよりも結構高いしっ、一撃ぐらいなら……死なずに耐えて下さいっ!

 

「では……行くぞっ! 流君っ!」


 大雑把な横降りっ!

 動きが遅いっ、これなら対応出来るぞっ!


「ふはははっ、馬鹿め村長っ! 俺の華麗なフットワークをっ、見るが良い!」

 

 村長の横降りを、軽くしゃがみながら、後ろへと避ける。そのつもりだった。

 しかし、その横降りの軌道が、変わる。


「甘いぞ流君! ふんっ!」


「横降りはフェイントっ!? 頭狙いか!」


 何とか木剣を上に向け、ガードしようとするが、そんなの、出来る訳が無い。

 ブオンッと言う、空気の裂ける音が聞こえて直ぐ、俺の意識が、飛んで行きました。


『しまったっ!? まさか、受ける事すら出来ぬとはっ。むっ……待ちたまえミルン君!?』


『お父さんに怪我させたっ! 許さないっ!』


 


 ふわふわした空間に、俺は居た。

 遠くで誰かが、『おーい、流ーっ』と、手を振りながら、呼んでいる。

 あれは、父さんと母さんかな。

 呼んでいるなら、行かなくちゃ。

 そう思い、ゆっくりと歩き出す。

 

「あれっ? 俺……何してたっけ?」


 歩きながらも、思い出そうとするが、頭にモヤがかかった様に、思い出せない。

 

「でも、二人が呼んでるなら、行かなくちゃ」


 久々に会えたんだ。

 色々と、話がしたいんだ。

 だんだんと二人に、近付いて行く。

 すると、目の前に、大きな川が現れた。


「ここを渡るのか……」


 川の向こうでは、『おーいっ、流ーっ』と、いまだ二人が呼んでいる。

 行くしか無い。

 そう思い、川へ入ろうとしたその時、ポケットの中に、何かが入っている事に、気が付いた。

 出して確認してみる。


「……何で毛玉? モフモフしてんなぁ」


 大きめの、金色っぽい、ただの毛玉。

 なのに何故か、それをモフモフしているだけで、気持ちがスッと、落ち着いて来る。


「あれっ……父さん? 母さん?」


 両手で毛玉を、モフモフしていたら、川の向こうに居た筈の、二人の姿が消えていた。


「何が……二人は何処に?」


 パシャっと、川の中で、何かが跳ねた。


「この川、魚いんのか?」


 そっと、川を覗き込む様に、見てみる。

 何も居ない。

 そう思い、これからどうしようかと、後ろを振り向いたその時────誰かの怒声が、聞こえた様な気がした。



『うしっ、それじゃぁこのまま────っ、いつまで寝とるんじゃボケェっ!!』


ドゴスッッッ────「んぎゃああああああたまがああああああ──っ!?」



 エグい痛みが頭を襲い、悶え苦しみながら、目を開けました。

 少し涙目になりながらも、原因を探す。

 同じ痛みをっ、味わって貰う為にだ。


「どうしたん、そないキョロキョロして?」


 原因は……リティナっ、お前かっ!?


「頭っ、今っ、頭っ、殴ったのお前なの!?」


「んな訳あるかいな。失神しとった流にーちゃんを、治療したってんで?」


「失神? 治療? 痛っ、どうなってんの?」


「そない考えとる暇無いやろ。あそこの二人止めな、色々不味いんとちゃうの」


 あそこの二人?

 リティナが視線を向ける先に、ガチギレミルンと、筋肉村長が、格ゲーみたいな動きで、バトルを繰り広げている。


『玉潰すっ! 玉潰すっ! 許さないのっ!』


『動きがっ、鋭くなって来たのであるな!』

 

「村長? ミルン? ガチバトルじゃんっ!? ミルン止まれ──っ!!」


「ほな、ウチはまだ、用事があるさかい。ホンマっ、頭には気を付けや。ニア、行くで」


 この状況的にどうやら、マジでリティナが、俺を治療してくれた様だな。

 お礼ぐらい、言っておくか?


「リティナっ! 怪我治してくれて、有難う! マジで助かったわ!」


「これは貸しにしとくわ」


「分かった。返せるか分からんけどな」


「期待しとらんわ。ほなな、ニア、行くでーっ」


 行っちゃったな。

 貸しにされても、本当に、返せるのか分からんのに、変なリティナだわぁ。


「お父さ──んっ!」


 ミルンがこっちに、気付いてくれ様だ。

 ズドドドドドドッッッて、勢い良く走ってるけど、あのまま衝突されたら、俺間違い無く昇天するよね。


「ミルンっ! ストオオオ──ップ!」


 はいっ、後一秒遅れていたら、正面衝突。

 ミルンの顔が近いんです。


「お父さんっ、お怪我は無いの!?」


「……甘えたミルンじゃ無いっ!?」


「頭っ、大丈夫? 痛くなあい?」


「うん、その言い方だと、色々と誤解を招きそうだけど、大丈夫だぞミルン」


 ミルンが俺の背中に、よじよじと登って、肩車セット状態で、脳天を凝視して来ます。

 上からの視線って、恐怖を感じるわぁ。


「あーっ、思い出した。アレだっ、ちょっと村長が、筋肉ハッスルし過ぎた所為で、受けんのに耐えられなかったんだ」


「痛いの痛いの、飛んでって?」


「ミルンさんや、何故痛みにお願いなんだ?」


 それでも、ミルンが俺の頭を、撫で撫でしてくれるだけで、痛みが和らぎます。

 不思議だよね。


「ふぅ……ようやく起きたかね。危うくミルン君に、潰されるかと……肝を冷やしたのである」


 来たか、この筋肉めっ。


「余裕だった癖に、良く言うわ。だから言ったろうに、俺に剣は無理だって……」


「う……うむ。まさか、あそこまで貧弱だったとは、正直驚いたのであるぞ」


「頼むからっ、見た目で察してくれ」


 俺、もやしよ?

 村長との筋肉を比較すると、月とスッポン。

 無理に決まっとるわ!


「にしても……有難うな村長。ミルンに結構、手加減してたんだろ」


「うむっ。最後の方は、正直肝を冷やしたのであるっ。力加減が、難しいのでな」


「パンチ、あたらなかったっ!」


 甘えたミルン、お帰りなさい。


「駄目だぞミルン。こんな筋肉に、正面から戦うなんて、無謀過ぎる。股間を狙うのなら、寝静まった時を狙って……プチっとだ!」

 

「起きて早々っ、何を教えておるのだ!? ミルン君もっ……狙うでないぞ」


「ちょっとした冗談だよ。なあミルン?」

 

「パンチするならっ、おきてるとき!」


 そうそう、ミルンの言う通り、ちゃんと起きた時に、プチッと潰すんだ。


「起きてる時なら、問題無いよな?」

 

「寝起きも駄目だぞ……流君っ」


「冗談冗談っ、やる訳無いじゃん……」


「冗談に聞こえぬわ!?」


 本当に、ただの冗談なのに。


「おはよう御座います、旦那様」


 このメイドさんっ、急に現れるなぁ。

 この人今さっきまで、離れた位置で、村長とミルンのバトルを、観戦してたのに。


「……観戦、楽しかった?」


「それなりに御座います」


「止めてくれても、良かったんじゃね?」


「問題無しと、判断致しました」


 駄目だ、また頭が痛くなるっ。

 そろそろ戻って、作業再開しようか……結局俺っ、運動してないぞっ!?



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ