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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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17話 ジアストール城内の探検.4


 2/7 加筆修正致しました。



 日本人っぽい感じのおっさんが、包丁片手に部屋へ押し入って来たけど、何なのこれ。

 物凄く、ガンを付けられています。


「料理長。お客様に対して、失礼ですよ」


「んだぁ? メイドが俺に物申すっ……あぁっ、お前さんか。ムラトが戻って来ねぇからよ、何かあったんじゃって、思ってなぁ」


「直ぐに刃を収めなさい。それと、そこの下働きを、しっかり指導なさい」


「っ、本当に、何があったんですかぃ?」


 ドゥシャさんの顔を見るなり、矛を収めると言うか、包丁を懐に仕舞うって、どんだけドゥシャさんの事を、恐れてるんだ。

 と言う事で、ドゥシャさんの説明タイム。

 うんうん、料理長の顔に、血管ピキピキと浮かんで来て、茹で蛸食べたいなぁ。


「こんっ、馬鹿者が!!」


「おごっ!?」


 流石、見た目が昭和の男。

 顔面目掛けての、体重の乗ったストレートパンチで、ムラトをブッ飛ばしやがった。


「本当にすまねぇ! ムラトが失礼を!」


「失礼と言うか、俺の質問に、答えてくれないだけだから、殴る必要は無いぞ?」


「いやっ、それは違いやす。提供してるモンを、聞かれたら答える。それは料理人として、当たり前の事でさぁ」


 このおっさん、プロ根性は凄いな。

 さっき包丁向けて来たけど。


「おめぇも寝てないでっ、こっち来て謝んな!」


「ぐっ……」


 寝かせた料理長が、それを言うのか。

 ふらふらとしながら、ムラトがゆっくり起き上がり、こっちに来ても謝らず。

 この人、頑固過ぎて、損をするタイプだろ。


「謝れってのぉっ!!」────ゴスッ!!


「あがっ!?」


 今度は脳天に一撃か。

 日本でこんなんしたら、パワハラと暴行の罪により、レストランは閉店です。

 んで、ムラトはそのままダウンっ!

 試合終了っ!

 何の試合だっけ?


「ムラト……気絶したんじゃね?」


「こんぐれぇの事でっ、情けねぇ!」


「大将、俺は気にしてないよ。それよりも、あんた日本人か?」

 

 料理長よりも、大将の方がしっくり来る見た目だし、大将で良いよね。


「お前さん、今なんて言った」


「大将って、日本人なのか?」


 それを聞いた大将が、凄い顔をしながら、ゆっくりと近付いて来ます。

 動きが怖いよ、このおっさん。

 

「お前さんっ、地球を……日本と言う場所をっ、知ってるのか!?」


「やっぱり同郷の人か!」


「いえっ、ちげぇます」


 違うんか──い!?

 今の流れ的に、日本人であれよ!!

 

「今さっき、地球って言ったじゃん! それとその姿! 顔! どう見ても日本人だろ!」


「俺っちの御先祖様が、日本人なんでさぁ」


「あ──成程ってならんわ!?」


 御先祖様が日本人って何?

 そりゃまぁ、俺だけ異世界ひゃっほう! 何て思わんけど、せめて生きてろよ!


「御先祖様の古い手記に、地球の、日本ってとこから来たって書いててよぅ。親父はそれを信じずにいたけど、俺っちは信じた訳よ」


 なんで急に、モノローグに浸ってんの。

 ぶっちゃけ大将の事は、どうでも良くなってしまったんだけど。


「んで俺っちは、御先祖様を信じて、その手記を調べたのよ。そしたら、米食いてぇ米食いてぇばっかり書いてるもんでなぁ」


 それは正に、今の俺だな。

 異世界に来てからの主食は、パンと肉。

 美味しいんだけど、腹に溜まらない。

 

「米米ばっかり書いてるものだから、俺っちも食いたくなって、探したんでさぁ。んで、なんとか見つけて作ったのが、あの酒っ。名前は勿論、ニホンシュって訳ですわぃ」


「あっ、ムラトが教えてくれなかったから、説明してくれてた────米?」


 この大将、米を見つけたって言ったのか?

 それをなんとかして、酒にしたと?


「まさかっ、こんなとこでぇ、日本人に会えるたぁ……っ、俺っちばっ、嬉しいぜぇ」


「泣き出したとこ御免。米あるの? もしかして、白米食べれたりするの?」


「少ねぇですが、ごぜぇます」


 異世界に来て……初お米っ!!

 俺の頭の中では、ファンファーレが鳴り響き、心ウキウキっ、体ワクワクっ、挙動不審になっちゃうぞ!!


「おとうさん、だいじょうぶ? あたま……」


「ミルンさんや、これが俺の、正常だよ」


「ごっつんする?」


「可笑しく無いから、ごっつん不要だ」


 ミルンの目が、可哀想な人を見る様な目になってるし、ドゥシャさんも呆れてるなぁ。


「だが気にしない! 大将! 食わせてくれ!」

 

「ごはんはやく! びーふおんりーっ!」


 大将はハッとして直ぐ、ムラトを部屋の外へと蹴り飛ばし、『食事も出さず申し訳ねぇ! 行儀とか作法とか気にしねぇからっ、どんどん食ってくれや!』と、笑顔で出て行った。


「ムラト……大丈夫なのか?」


「びーふっびーふっびーふっ!」


「まったく……あの料理長は、腕は確かなのですが、行動に難がありまして。お騒がせしまして、申し訳御座いません」


「ドゥシャさんが、謝る必要無いって」


 俺的には、お米様が食べれるだけで、もう脳汁どばどば出てますから。


 そして始まる、フルコース。


 料理を運んで来るのは、ムラトでは無く、何故かお城のメイドさん達。

 けど、レストラン風の外観だから、違和感は全く感じないんだ。

 違和感を感じるとしたら、一つだけ。


「ボソッ(メイドさん達、ドゥシャさん見て怖がってるよな……何者なんだこの人)」


「旦那様、何か仰られましたでしょうか?」


「何も言ってないぞっ……」


「びーふっ、たべていい?」


 そうだな、そろそろ攻めるか。


「ミルン……準備は良いか」


「じゅんびよしっ!」


「それじゃあ手を合わせて、頂きます!」


「いただきますっ! ムゴゴゴッ!」


 言って直ぐに、肉が無くなりました。

 でも大丈夫!

 無くなるや否や、ワンコ蕎麦の如き動きで、次々に料理が運ばれて来ます。


「米っ……旨めぇぇぇぇぇぇっ」


「おにぐぅっ! おにぐぅっ! うまうまぁ!」


「物凄い勢いで御座いますね。ミルン御嬢様、ソースが付いておりますよ」


「むむむ──っ、ありがとうどぅしゃ!」


 何だろう……ドゥシャさんって、ミルン専属のメイドになってるよね。

 

 揚げ物、炒め物、煮物、焼き肉、巻き肉、肉、肉、米、肉、米、パスタっぽい物、醤油漬けっぽい物、サラダ、サラダ、香草焼き、照り焼き、パイ包焼き等々、料理名は知らないが、止まらずに来る。


「これは、食べるのが早いか、作って持って来るのが早いかの、競争になってないか?」


「モゴモゴおいっ、モゴモゴしいっ!」


「ミルンが、リスさんになってる……くっ、スマホが有ったらっ、永久保存するのにっ」


 無い物は仕方が無いが、悔やまれる思いだ。

 まぁ、悔やんでる暇があったら、目の前の料理を平らげないとだ。

 無くならない。

 減らないと言うより、追加が早い。


「ドゥシャむぐむぐさんも、食べむぐむぐなよ」


「何で御座いましょうか?」


 お前何言ってんのって顔だなぁ。

 大の大人が、咀嚼しながら話すのは、テーブルマナー以前の問題っぽい。


「んぐっ、ぷはっ。ドゥシャさんも食べなよ」


「私は不要に御座います。ミルン御嬢様の、御食事のお邪魔を、する訳には参りませんので」


 そう言いながら、ミルンの口に付いたソースを、丁寧にナプキンで拭き拭きですか。

 ミルン専属メイドじゃん。

 そんな事を思いつつ、米をモリモリ食べていたら、見知った顔が入って来た。


「お邪魔するでぇ、流にーちゃん」


「お邪魔しますぅ」


「流君。君だけ美味しそうな食事をするとは、狡いとは思わぬのかね」


 丁度良い助っ人の登場。

 だってね、料理が減らないの。


「人数増加大歓迎っ! ミルンと二人だと、食べ切れ無くてな」


「まだまだくるの!」


 ミルンは余裕の顔してるけど、そのお腹の、何処に入っているのだろうか。

 

「と言う事でっ、ドゥシャさんも食べよう! ミルンも、それで良いよな?」


「どぅしゃっ、あーんするの!」


「っ、分かりました。失礼致します」


 小さいミルンには、弱いなこの人。

 

「この椅子、使わせて貰うで」


「美味しそうですぅ」


「流君の飲んでいるソレは、何であるか?」


 レストランが一気に、宴会場になりました。

 こうなれば、腹が悲鳴を上げるまでっ、延々と食べ続けてやるぜ!


「すみませ──ん! 日本酒お代わり──っ!」


「モゴっ、まだモゴモっ、まだいける!」


 流石ミルン、肉ばっかり食べてるよな。


「ミルン、まだ朝御飯だぞ?」


「おひるのぶんもっ、たべちゃうの!」


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