17話 ジアストール城内の探検.2
2/6 加筆修正致しました。
貞操帯さんから、分厚い紙の束を渡されて、城内探検真っ最中です。
貞操帯さんって、誰かって?
さっきの、御御足美女の元門兵です。
立派な貞操帯を、これ見よがしに露出したから、貞操帯さんってあだ名を付けました。
ゴキュルルルル────「おとうさんっ、おなかすいたっ! おにぐっ!」
部屋を出て少ししたら、ミルンのお腹の振動が、俺の後頭部に響いて来た。
肩車してるから、ダイレクトに響くよね。
「まさか、さっきの御御足を見て、腹を空かせたとかじゃ無いよな?」
「あのおにくは、かんしょうようっ」
「……朝御飯、どこかで食べれるかなぁ。探検ついでに、食堂とかを探そうか」
「さがすの!」
お城なんだから、どこかに厨房は有るのだろうし、食堂が無ければ、そこに突撃だ。
「ミルンっ、可愛いお鼻の出番だぞ。食べ物の匂いをっ、嗅ぎ分けるんだ!」
「ごはんっ! すんすんっ……あっち!」
ミルンナビは完璧です。
肩の上のミルンの誘導に従って、足を進めていると、前方から、まさかの人物が来る。
「ご飯を探していたのに、まさかっ……」
頭には、白のフリル付きカチューシャ。
襟と袖が白く、足元近くまである、黒のワンピースの上に、白地のエプロンドレスを着た、どこからどう見ても、メイドであろう女性。
「メイド発見! ミルンっ、メイドさんだ! メイドさんが来るぞ! 突撃だっ!!」
「ミルンっ、いっきまーすっ!」
ちょっとした冗談だったのに、ミルンが肩から飛び降りて、そのまま本気の一直線。
止める間も無く、突撃しました。
「めいどさ────っん!!」
ミルンの五十メートル走、何秒だろうか。
そんな事を、一瞬頭によぎる間に、ミルンはそのまま、メイドさんと衝突した。
「廊下を走られては、危のう御座います。お怪我は、御座いませんでしょうか?」
「けがはないの……?」
「……えっ、あれっ? 何が……起きた?」
ミルンの全力ダッシュで、メイドさんに今正に、衝突したよね。
それなのに、何であのメイドさんは、ミルンを優しく抱っこしてんの?
「っと、ボヤけてる場合じゃ無い!」
疑問は後でと思い、急いでメイドさんの前まで行って、頭を下げた。
「すみませんっ、娘が急に突撃しちゃって。走ったら駄目だろミルン」
「おとうさんに、とつげきだっていわれたの!」
「いやいやアレは、冗談っ……御免なさい!」
メイドさんの目が恐いです。
冷たい眼でっ、俺を見ないで!
「ミルン御嬢様。例えお父様に言われたとしても、従っては駄目な事も、御座いますよ」
「むぅぅぅ、ごめんなさいっ」
「はい、良う御座います」
メイドさんが、ミルンを抱っこしたまま諭してるけど、目線は俺に向いたまま。
ちょっと怖いよぉ。
「それで、ミルン御嬢様は、何か御用があったのではないのですか?」
「おなかすいたの!」
「すみません。俺もミルンも、朝御飯食べてなくて……食堂さがしてたんですよ」
「左様で御座いましたか。それでは僭越ながら、私がご案内させて頂きます、旦那様」
「だんっ、旦那様……」
何これっ……めっちゃ恥ずかしい気持ちと、物凄く嬉しい気持ちの、ダブルパンチ。
「おとうさん、おかおへん!」
御免よミルン。
お父さんな、異世界に来て初めての、旦那様呼びだから、顔がヤバい。
「申し遅れました。私、パーラーメイドの、ドゥシャと申します。今後とも、宜しくお願い申し上げます」
流れる様な動きでカーテシー。
艶やかな黒髪に。凛とした眼差し。
身長は俺より十センチ程低く、成人女性特有の落ち着きを持ち、なによりミルンを抱っこしながらでも分かる、立派な御胸様。
で、今何を宜しくされたの?
「旦那様……」
「ごっ……御免なさい」
ガン見をしっかり、殺気で注意とか……この人、メイドさんだよね?
「先ずはこちらへ。食堂へご案内する前に、御嬢様の身なりを、整えましょう」
「おきがえ?」
「左様に御座います」
食堂行くのに、着替える必要が有るのか?
「そのままでも良いんだけど?」
「旦那様、場所を弁えて頂きませんと」
「はいっ! 必要ですよねっ……」
やっぱり怖いぞ、このメイドさん。
「んじゃ、ミルンさんや。こっち来なさいな」
「旦那様。御嬢様は、私めに、お任せ下さいませ」
「……はい」
ミルンを返してくれない。
何なの、このメイドさん。
ミルンを抱っこしたままなのに、そのままスタスタと、行ってしまった。
「歩くの速っ!? ちょっ、俺も行くから!」




