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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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17話 ジアストール城内の探検.1


 2/6 加筆修正致しました。



 煮豚と大臣には、生地獄を味わって貰おう。

 そうルシィに提案して、裁判までの間に、とある物を用意する事になった。


「えっと、ここをこうして繋げて……」


「なんや流にーちゃん。もの凄っごい笑み浮かべて、元気やんか」


「んっ? よっリティナ、元気で悪いか?」


 俺の目が覚めたと聞いたのか、リティナが部屋に入って来た。

 ノックも無しに入るなんて、社会常識に欠ける聖女って、聖女で良いのだろうか。


「リティナ! のっくするの!」


 ほら、ミルンさんも怒ですよ。


「貴族やあるまいし、そんなんした事無いわ。普通に面倒臭いやん」


「残念聖女」


「ざんねんせいじょっ」


「誰が残念聖女や!? 二人して同じ事ぬかすなや! 折角見舞いに来たっちゅーのに、頭痛くなって来るわほんまっ」


 リティナの頭が痛くなる?

 痛くなる程の頭が、有ったのだろうか?

 世の中は、不思議だらけだな。


「そん顔……絶対ウチを馬鹿にしとるやろ」


「ミルン。リティナを馬鹿にしたのか?」


「してないの」


「おどれらっ……ふぅ。それ、何作ってんの」


 ルシィから道具を借りて、空間収納から木材を取り出し、DIYでお手軽作成。

 ナイフで車輪を作るのって、中々難しくて、トライアンドエラーで、やってます。


「流さん特製の、拘束荷車だ」


「そんなん、何に使うんや。魔物でも捕まえて、運ぶ気かいな」


「どうせ直ぐ、使い道が分かると思うぞ」


「何やそれ、意味わからんわ」


 そう言いながらも、俺の作業をジッと眺めているリティナって、暇なのだろう。


「リティナ、ひまならてつだって」


 ミルンが、トンカチをそっと、リティナに渡そうとするが、手伝う気は無さそうだ。

 顔を見れば分かる。

 物凄く、面倒臭そうな顔してるもん。


「ウチは、見舞い来ただけやって。ニアとの茶の約束もあるし、もう行くわ」


「ああ、見舞いあんがとさん」


「その変な物、使う時にでも呼んでーな。何に使うんか、気になるし。ほなな」


 そう言ってリティナは、手をヒラヒラとさせながら、部屋から出て行った。

 御要望通り、使う場面を見せてやろう。

 間違い無く、面白いからな。


 ガコッ────「これで、ー台目完成っと」


 今作ったのは、前方の荷車。

 次は、後方の荷車を作らなきゃな。

 その後に、連結部分の金具を取り付けて、最後にテストしたら、完成だ。


「んしょっ、んしょっ、えいっ!」


 パシパシゴンゴンパシゴンゴン。

 ミルンが肩乗り頭を叩くよ。

 ゴスッゴスッパシパシ、普通に痛い!!


 これは不味いっ、ミルンが暇モードに突入して、俺の頭を楽器代わりに叩いてくるっ。


「……ミルンは暇か?」


「ひまなの」


「……お城の中、探検するか?」


「たんけんする!」────スパァンッッッ!!


 ミルンさんや、勢いで頭を、叩かないでね。

 本気で痛いから。


「それなら、ファンタジーあるあるの、金目の物でも、漁ろうか」


「いっかくせんきん!」




 部屋から出て、廊下を確認。

 横幅三メートルと、通路の幅が広く、絨毯まで敷かれている豪華仕様。


「流石、ルシィの私室。廊下まで豪華とは……」


「しゅみがわるいの」


「ホントそれな。んじゃ先ずは、メイドさんを探してみようか」


「なんで?」


 それはねミルン、俺が見たいからさ。

 日本でメイドと言うと、『萌え萌え波っ!!』と叫びながら、オムライスにハートを刻む、客商売としてのメイドだ。

 しかし、ここは異世界。

 しかも、王城と言う、最高の場所。

 本業のメイドさんを見れる、大チャンス!!


「ルシィの部屋から、そう離れていない場所に、メイドさんが居る筈……」


「おとうさんが、きもちわるいっ」


「心にグサッと刺さないで? 先ずは、一番近い部屋からだな。趣味の悪いドアノブだけど、行くぜミルン!」


「じゅんびよしっ!」


 ノックを三回、返答待たずに突入します。

 だから言うんだ、失礼しますと。


「失礼しまーす……」


「しつれいしまーす」


 ミルンが俺の真似してるっ、可愛い!!

 今直ぐモフモフしたいけど、ミルンは肩の上だから、モフモフ出来無いこの辛さ!!


「何だこの部屋、執務室か?」


 書類の山と言うか森と言うか、もう積みに積まれた紙っぽい物が、部屋を圧迫中です。

 その紙の山に、ポツンと一人、女性が居るんだけど、社畜さんですか?


「おめめしんでる!」


「だよなぁ。昔の俺より、酷い目してるわ」


「また持って来たのですか。そこに置いといて下さい。後で陛下に、確認頂きますので」


 何のこっちゃ? 俺とミルンを、何処ぞの文官と勘違いしてるっぽいな。


「陛下はいつになったら、戻ってくるのか。というかっ、どうして私がこんな仕事をっ、しなくちゃならないのよ!!」


 ドンッッッ──っと机を叩いて、ヒステリックに叫び、情緒不安定で怖いよこの女性。


「ふぅっ! まだ居たの? 早く次の書……」


 ヒステリック文官と、目が合った。

 そりゃもうバッチリと。

 その視線に、ミルンも恐怖を感じたのか、俺の肩の上で丸まってます。


「へっ……」


「へって何だ?」


「変態!! どうして城に居るのよ!? 衛兵! 衛兵! 変態がここに居るわ!!」


「ちょ──っと落ち着こうかっ!!」


 初対面で変態を連呼です。

 衛兵が来た瞬間に、ミルンが襲いかかって、股間撲滅パンチで乙女になっちゃうぞ。


「っ、何で誰も来ないのよ!?」


「んな事知らん。俺はルシィの客っ……の様なモノだし、変態呼びされる、謂れは無いぞ」


「城に不法侵入! 極刑よ極刑!!」


「このヒステリックっ、ミルン! ルシィか影さん二号を探して、呼んで来てくれ!」


「いや! おとうさんといるっ!」


 くそっ、探検行くぞと言った矢先にコレだから、離れてくれないぞ。

 このヒステリック文官女が、ギャアギャア騒いでいると、あらぬ疑いを……仕方無いっ。


「俺の秘技を、見せてやる」


 両手を前に──っ、ワキワキ準備良しっ。


「なっ、何よその手はっ!」


 手をワキワキさせながら、前進します。

 勿論、目標目掛けて一直線に。

 叫んでいた女性は、何かを察したのか後ずさるものの、逃げ場は何処にも無い。

 出入口は、一ヶ所だからねぇ。


「ちょっ、来ないでよ変態っ!」


「だから、何で俺が変態なんだ」


 更に一歩前進します。

 面白いのか、ミルンも同じく両手を前に、可愛い御手手をワキワキさせてるぞ。


「おててわきわき」


「目標っ、二つの御山! 前進します!」


「何なのよ貴方っ! その子も!!」


 はいっ、壁に追い詰めました。

 あとはこのワキワキを、上手く着陸させれば、万事解決だ。


「逃げ場は無いぞぉ。さぁ、何で俺が変態なのかを、詳しく教えて貰おうかぁ」


「おとうさんはっ、へんたいさん!」


「んっ? ミルンさんや、それ違うぞ?」


 それだと、変態を肯定してるからね。

 俺は変態じゃぁ、無いからね。


「わっ私の事をっ、忘れたとは言わせないわ! この覗き魔! 変態!」


 はて? 俺が覗き魔?

 俺に、覗きの趣味は無いし、そんな事したら間違い無く、牢屋行きだろう。


「ミルン、何か知ってるか?」


「おててわきわき」


「知らない様だな……人違いじゃ無いか?」


「貴方っ、まっ、まさか忘れて……えぇ……」


「んな事言われてもなぁ」


 忘れるも何も、覗きなんてしとらんて。

 俺みたいな紳士の見本が、覗きなんて犯罪をだ、やる訳無いだろ。


「せっ正門の詰所でっ、覗いたじゃない!!」


「正門の詰所?」

 

 牢屋に入れられて、拷問されそうになり、全裸に焼かれた記憶しか、無いんだが。


「何でっ、忘れてっ、るのよっ!?」


 小刻みに地団駄って、踊りみたいだなぁ。

 ボーっと、その光景を眺めていたら、カチャカチャと衣服を脱ぎ始め、気でも狂ったの?


「これでどうよ!!」


 ズルッと下を脱いだので、すかさず回れ右からの、冤罪防止術です。


「あんたは痴女か!?」


「ちじょって、なあに?」


「何で後ろを向くのよ! ちゃんと見なさい! これで思い出すでしょ!」


 見たらアレだろ! 言いがかり付けて、犯罪者確定乙からの──っ、牢屋行き!!

 豚箱は、もう飽きたんです。

 飽きる程、入ったんです。


「牢屋はもう嫌だ!」


「良いから見なさい! 牢屋に入れないから!」


「嘘だ! そう言って油断させてっ、また俺を裸に剥いてっ、楽しむ気だろ!」


「貴方の裸なんて見たくないわ!?」


 言い合う事十数分。

 業を煮やした文官女が、背後に迫って、無理矢理回れ右をさせられました。

 うん、力強すぎだろコイツ。


「目を開けなさいいいいいいっ!!」


 瞼も強制解放です。

 ミルンはずっと、ワキワキしてるし、助けてくれないんだ。

 そして俺は、見てしまった。

 見たくも無いのに、見てしまった。


「それって……貞操帯?」


 前に鍵穴が付いていて、褌の様な形をした、不思議な不思議なパンティさん。

 貞操帯だよなぁ。

 あぁ……貞操帯で、間違い無い。


 俺は、まだ手をワキワキしているミルンを、ゆっくりと肩から降ろして、一息吐く。

 

「えっと、『空間収納』から、コレだな……」


 空間収納から、とある物を出して、両膝を床に付け、とある物をそっと差し出す。


「ごめんね!」


「どうして貴方がっ、私の鍵を持ってるのよおおおおおお──っ!?」


 貞操帯の鍵、持ったままだったわ。

 

「んじゃ、失礼しますよっと」

           

 この鍵が本当に、文官女の鍵なのかを確認する為、鍵穴に差し込もうとしたら、腕を捻られ倒れ込み、鍵を奪われました。


「痛ってぇ。本当に、あんたの鍵なのか?」


「これ、我が家の家紋」


「家紋? あんた貴族様なの?」


「お爺様の時代はね。これは、その時の名残みたいなモノよ」


「ふーん、それなら返すしか無いな。色々と、ご馳走様でした」


「何がご馳走様なの!?」


 その素晴らしい、生脚の事だ。

 筋肉が付きつつも、良い感じに引き締まっており、その御御足こそ、まごう事無き美脚。


「ミルンさんや。あの健康的な美脚を目指して、しっかり運動するんだぞ」


「おにくっ! おいしそう!」


「あの御御足は、観賞用だから食べちゃ駄目だ」


「みるだけのおにく、いらないっ」


 ミルンが尻尾を下げたまま、俺の肩の上に戻って来たんだけど、本気で食べる気だったの?


「ちょっと、何の話をしてるの……」


「貴女の御御足の話です」


「私の脚……っ、見ないでっ!!」


 ヒュゴッと顔面すれすれパンチ。

 当たってたら……頭蓋骨陥没しそうだな。


「それで、何で変態がここに居るの? ここは貴方の様な、変態が入れる場所じゃないのに」


 ズボンを履いて、澄まし顔の門兵女さん。

 文官の仕事してるけど、門兵だよね?


「それはこっちのセリフだから。なんで門兵のお姉さんが、ここに居るんだよ。門兵クビになったのか?」


「クビになる訳無いでしょう!」


 あのルシィに、男だらけの場所で女性一人だけでは危ないからと、城へ拉致されて、業務と称して、書類作業を延々とさせられていると。


「程の良い雑用係乙! まぁ頑張ってね! それじゃあミルンっ、探検再開だ──っ!」


「たんけん! おたからさがすの!」


「ちょっと待ちなさい!」


「何だ? 俺に惚れたのか? それとも、ミルンの可愛さに気付いてしまって、離れたく無いとかか?」


「どっちも違う! 探検するなら、この書類を農作物担当者へ届けて欲しいのよ。私は他の書類で、手一杯だから」


 それは暗に、仕事を手伝えと言ってる?

 さっきまで、変態だの不法侵入だのと言ってたのに、急にどうしたの。


「ここまで騒いでも、衛兵が来ないのは、おかしいでしょ。と言う事は……貴方達の行動が、黙認されている証拠よ」


「黙認と言うか、放置だけどな」


「それなら、書類運び程度の仕事を、手伝って貰っても、何の問題も無い訳」


「嫌に決まってるだろ。何で俺とミルンが、そんな面倒を、しなくちゃならない」


「鍵……窃盗罪に、痴漢も有るわね」


 それは、恐喝罪にならないの?

 どちらにせよ、従うしか無さそうだよね。

 この門兵女、目が怖いもん。


「ミルンと探検のついでなら……」


 従わないと、本気で牢屋に入れられそうだわ。



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