13話 皆んなで楽しくピクニック.6
「ルシィ、お前さっきの言葉、言ってみろ」
俺はルシィの前に立ち、催促する。
「なっな何をじゃ!?」
おいおい、お前がさっき言ってた言葉だろ? ほら、煮豚を解放しろって上から目線で言った後に、それが罪って言葉だよ。
「ほら、目の前で、聞いてやるから、さっきお前が上から目線で言った言葉だよ。言ってみろって」
なんで口をパクパクさせて魚の真似か?
「ヒィッだっだぃっしっ」
台紙? 大事? 聞き辛いぞー。
「何て言った? ちゃんと言えよ」
これで女王って…滑舌悪いよなぁ。
「だっひっ…くっかいぐずっ…」
何泣いてるの? お前女王だろ? 泣いても何も始まらないし、終わらないぞ。
「言えよ早く」
さっさとしてくれないかなぁ。
「いっいやぁじゃぁぐずっ」
ふぅ…本当にコイツは…っ!
「言えぇええええええええええええええええ!」
「ぐぃぅうう大司教を解放じろっこの魔王が!」
言ったなコイツ。
腹の底、頭の中から熱が沸き出て、俺は魔法の発動構成、何を、どのように、どうして、を想像し、腕をそのままルシィの首へと振りーーー
「流君やめろ!?」
「それわアカンってー!」
「流さんやめてくださいぃ!」
ーーーかざす瞬間、影が現れ俺の腕を掴んだ。
「お待ち下さい流さん。陛下、お怪我は御座いませんか?」
あっ、影さん(二号)なんで邪魔するのかな? 放せよ、ルシィの首チョンパ出来ないだろ。
「流さん、ミルン様は女王陛下の姪だとご存知でしょう。ミルン様の目の前で肉親に手をかけるおつもりですか?」
痛いところ突いてくるなぁ…でもこんな奴が肉親だなんてミルンも嫌だろ。なあ…ルシィ。
「わたっぐすっわたくっしっわ」
何お前座って…漏らしてる!? おいおい泣き虫女王からお漏らし女王になったぞ! これで女王が勤まるなんて、本当にこの国終わっているよな。
「俺達に槍を向けて、その理由が煮豚を解放する為で、その煮豚は今までお前が放置してきて、俺を魔王に認定して、自分達の欲の為に刺客差し向けて、ダメだったから今度はケモ耳っ子達傷付けて、ルシィ、お前はそれが、罪では無いと言ったようなものだからな」
「ぢがぅぐすっそうじゃないっ」
何が違うんだよ、教えてくれよなぁルシィほら早く教えてくれよ何で泣くんだお前女王だよなふざけるなよ言えよほら何が違んだぇ!?ーーー
「おとうさん! いいかげんにしなさい!」
ーーーミルンが俺の肩の上から斧の背を俺の脳天にメゴォッと音がする程の勢いで振り落とし、俺はそのままの勢いでルシィの腰が抜けてM字になっている太腿の間に顔面を突っ込み失神。
ピンポンパンポーン(上がり調)
レベルが1上がりました(〜黄金水〜)
ピンポンパンポーン(下がり調)
目が覚めたら…顔が小便臭かった。