表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女の居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/655

22話 進撃乱戦あいつはどこに.2


 2026/06/28 改稿



 背後に付いて来ていた人達は、門の中には入れて貰えず、しぶしぶ俺達の五人だけで、司教名乗った爺さんに、案内をされている。


「こちらが、"教皇様"が植えられた、ミルトルトの木で御座います。この木から採れる樹液は、貴重な薬の材料となるのですよ」


 うん、観光客じゃないっての……いや、俺とミルンは元々、王都観光しに来ただけだから、間違ってはいないのか。


「あちらの花も、教皇様が大層気に入っておられ、祈りのない日などは、よくお手入れをなされておられるのです」


 にしてもこの爺さん。さっきからずっと教皇様教皇様と、何アピールしてるの? アレか、俺達は教皇派とでも、言いたいのか。


「えっと、ゼンビル司教だっけ? さっさと、オーグドって大司教の所に、案内してくれ。こちとら我慢の限界は、とうに過ぎてるんだ」


 村長の顔には、血管が浮かび上がり、リティナはポキポキと骨を鳴らして、ニアノールさんはナイフを握っている。そしてミルンは──「暴れるのっ、走り回るのっ」と、俺の肩の上から、飛び出さんばかりに興奮中。


「っ……これは、失礼致しました」


「お前ら教会が、一枚岩じゃない事ぐらい分かるっての。俺達の目的は、ザルブに指示を出していた、"大司教"だけだ」


 もしもあのザルブの放火に、教皇が関わっているのならば、話は変わってくるだろうが、先ずは大司教をぶん殴る。


「教皇様、枢機卿様は、遠方にて視察を行なっており、この度の一件には、関わっていない事を、先にお伝えしたく……」


「頭には入れておこう。んで、その一件を引き起こした奴は、あの建物にいるのか?」


 城と見紛う程の、巨大な建造物。恐らくはあれが、アルテラ教の教会……あの感じだと、大聖堂がしっくりくるな。


「あの者は、大勢の民衆を引き連れた、聖女様が来たとしり、自らの拠点へと逃げたのです。まったく、愚かな男で御座いますよ」


「拠点? 自宅って事か?」


「いいえ。ああ、丁度ここからなら、見える位置かと。大聖堂の奥をご覧下され」


 目の前には、巨大な大聖堂。そして、その左側の小道を、真っ直ぐと見ていくと──教会の敷地内なのに、なぜか砦らしきモノが見える。

 

「……」


「あの者は、腐っても大貴族の、血縁に御座いますからな。前王の時代にあんな物を建て、好き勝手やっておるのですよ」


「……成程ね」


 この爺さんが、こうも俺達をすんなりと、教会の敷地内に入れた理由が、なんとなくだけど分かってきた。


「あんたにとっての"邪魔者"を、潰せってか?」


「……そう思って頂いても、結構で御座います」


 派閥間争いに、利用する気満々じゃん。この爺さんが、オーグドっていう大司教じゃないだろうな……結構腹黒い爺さんだぞ。


「流にーちゃん。その爺さんは、大司教やないで。大司教は、オークみたいな見た目やねん」


「おいコラっ、お前何喋ってんの」


「ここまで来たら、もうええやろ。おいコラ爺さん……ウチは本気でキレとんねん。教会の者やったら、そん意味分かるやろ」


 聖女リティナが、本気で怒る事の意味。俺にはまったく分からんが、司教の爺さんの顔が、サ──っと青褪めている。


「なあリティナ、どういう事だ?」


「なんや流にーちゃん、気付かんか? この国で唯一、致命傷の傷を負うても治せるのが、この聖女である、リティナ様やで」


「ああ……そういえば、そうか」


 俺はまだ、見た事はないが、傷を治したりする魔法か、それに似た何かは有るのだろうが、瀕死の重症までは治せない。しかしリティナは、それすらも治す。切断された腕まで生やす程の、規格外の力の持ち主だ。


「本当なら、教会が敵に回したくない奴、ナンバーワンの存在じゃん」


「ほんまやで。もしウチの家族を襲ったんが、アルテラ教の総意やったら……」


 リティナの顔が怖い。特殊メイクが落ちてきており、怒りの顔と合わさって、見た事のない生物になっている。


「司教とやら。大司教は間違いなく、あの砦に居るのだな? 嘘ではなかろうな……」


「逃げているところを、この目で見ましたので、間違いないかと」


「うむっ。であれば、流君。あの砦の中に入り、証拠とやらを探すのであるぞ」


 どうやら村長も、我慢の限界のようだ。ミウとメオを拐った奴の親玉が、あの砦のに居るのだから、そりゃそうなるわ。


「……もしかしてだけど、大司教の動きが遅かったのって、爺さんが何かしたのか?」


「さあ……どうでしょうな」


 やっぱりこの爺さん、腹黒だなぁ。

 冒険者ギルドにビラ作成して、ミルンに配らせたり、あーだこーだしたけども、妨害らしい妨害を、全く受けなかった。

 いくらリティナが、この王都で絶大な人気を得ているとしても、上手く行き過ぎてるんだ。気味が悪いとまでは言わないが、なんかスッキリしないんだよなぁ。


「まっ、大司教潰してスッキリすれば、俺的には他がどうだろうと、気にしないけどな」


「あの砦に攻める?」


「そうだぞミルン。大司教を捕まえるついでに、証拠作……証拠も探さないとな」


 遠くに見える、砦を眺める。


「なあ爺さん。あそこの砦に、兵士とかは居たりするのか? そこんとこ聞きたいんだけど」


「大司教の雇った者達が、常駐しております。数までは……把握出来ておりません」


「私兵が居るのかぁ」


 左を見ると、リティナが目をギラつかせ、ニアノールさんは、ナイフを握って満面の笑みを浮かべ、右を見ると、村長が筋肉を膨らませて、白い歯を見せている。


「んしょっ、暴れて良い?」


 肩から下りたミルンは、斧をブンブンとスイングしながら、尻尾を振り振りヤル気満々。


「ふむふむ……」


 元騎士団副団長の、筋肉ヘラクレス。

 関西風やさぐれ聖女の、リティナ。

 暗殺系猫耳メイドの、ニアノールさん。

 肉食系ケモ耳幼女の、ミルン。

 特にケモ耳ミルンの背後には、この国の女王が付いているという、素敵なオマケ付き。


「そして、意味不明な魔法を撃てる、中年男の俺ですよっと……俺だけ普通のおっさんじゃん」


「お父さんお父さん」


「なんだミルン?」


「冗談は匂いだけにするのっ」


 それは暗に、俺の体臭がヤバいって言ってるのかな? 中年なんだから勘弁して欲しいというか、そこまで言うのなら、なんでミルンは、俺の匂いを嗅ぎまくっているのだろうか。


「よしっ……行こうか」


「お父さんが拗ねたっ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ