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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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15話 皆んなで楽しくピクニック.5


 1/24 加筆修正致しました。


 

 豚野郎もとい、今回の元凶の一人を引き摺りながら、村長が不機嫌そうだ。

 筋肉がピクピクと気持ち悪いし、どうした?

 

「村長、そんなにその豚重いのか? ニアノールさんに頼めば、軽くして貰えるぞ?」


 ニアノールさん、ずっとその豚を目で追っているから、ゴーサイン出せば一瞬だ。


「この後の事を考えれば、不機嫌にもなるだろう。落とし所は、考えているのかね?」


「落とし所? この豚をスラムにポイだろ?」


「そう簡単では無いのだ……」


「大丈夫だろ? この豚が指示した事は確かだし、こっそりポイすりゃオーケーだ」


 こんなの早く終わらせて、ケモ耳っ子達をモフモフして、身心の疲れを癒したい。

 疲れていないけど、癒して欲しい流です。


「モフっ子達が、待っている!!」


「おとうさん! ミルンがいるでしょ!」


「分かってるよミルン……ぉぉっ」


 何かを察したのか、ミルンの尻尾が背中にペシペシと来てるんだけど、今は止めて欲しい。

 何故かって?

 忘れてた尿意が、じわじわ来てんの。


「何や緊張感無いなぁアンタら。あと少しで出口やさかい、気ぃ抜いたらアカンで?」


「そうですよぉ。伏兵が隠れて居るかもですしぃ、まだ敵地ですからねぇ」


「へいへい、気を抜かずに歩きますよ」


 前方を行く、ニアノールさんの尻尾の所為で、緊張したくても出来ないのが本音です。

 メイド服に穴が開いてて、左右にふりふりと、やっぱりミルンと動きが違うの。


「何でぇ、私の尻尾を見てるのですかぁ。私の尻尾は、リティナ様専用ですぅ」


「視線だけで分かるのか……ミルンの尻尾はモフモフだけど、その尻尾はどんな感じかなぁって思ってな」


「触らせませんよぉ。触るならぁ、手を切断してからにして下さいねぇ」


 それだと触れないだろ。

 それは暗に、触れたら手を斬るから、絶対触るなよって言う警告だよね?

 雑談をしながら歩いていると、外からの光が凄く眩しく感じて来た。


「ようやく外っ、明るいなーっ」


「めがチカチカするのっ」


「でも、砦の中より空気がうめぇーっ!」


 すーっ、はーっ、と深呼吸して、光にやられた目を擦り、んーっと考え再度目を擦り、この状況は何だろうか。


『出て来たぞ! 構え!!』


「「「了解っ!!」」」


 ガシャガシャと、めっさゴツイ鎧着た兵達が、隊列を組んで武器を構えて、突撃姿勢良し的な雰囲気出してんだけど。

 その兵達の奥に、あの女王の姿が見える。


「ルシィじゃん……何だこの状況?」


『魔王に命ずる! 今すぐ大司教を解放せよ!』


「……何か言ってんなぁ」


『さすればっ、この度の事は不問に処す故っ、大人しく従え!』

 

「はぁ……アイツ…何言ってんの?」


「ぶたさんのこと?」


「どうだろうな? 豚さんの事かな?」


 ルシィの奴、大司教を解放しろだと?

 コイツを引き渡して、この度の事は不問にするだのと、兵を使っての脅しか?


「こんな所まで来て、どうした泣き虫ルシィ! 豚野郎を引き渡せって! 助けに来たのか!」


『動くな魔王!!』


 前へ出ようとしたら、すかさず槍の穂先を向けて、動きを抑えに来たか。

 この兵達、砦守ってた奴等と比べて、纏ってる空気が遥かにヤバげだな。

 この雰囲気だと、女王直轄の兵達なのか?

 素人目にも分かる。

 だって、圧と言うか、これが殺気かと思わせる程に、殺る気満々だもん。


「矢張りこうなったであるか」


「あーっ、村長が心配してたのは、コレか」


「うむ。やむ得まい……陛下! 何故この大司教を引き渡せとっ、お命じになるか!」


 村長格好良いーっ!

 槍にも屈しず、一歩前に出て声上げてら。


「陛下! この者はっ、スラムを焼けと指示した大罪人でありますぞ!!」


『近寄るな! 串刺しにされたいか!』


 隊長らしき兵が声を上げ、村長の筋肉にも怯えず、ジリジリと間を詰めて来る。

 ルシィの奴、何無言貫いてんの?


「ニアノールさんはリティナの側に。ミルンはそのまま、俺の肩の上だな」


「はなれない!」


「分かっとるわ。頼むでニア……」


「リティナ様に槍を向けたらぁ、殺りますねぇ」


 うん。前の兵達の圧よりも、ニアノールさんの圧の方が、数段上だわ。

 にしても、この兵は仕事だから良いとして、あのルシィ……ちょいムカつくなぁ。


「なぁルシィ! 何で兵達の持ってる槍がっ、こっちを向いているんだ! 答えろ!!」


 ちょい離れてるから、アイツの顔が良く見えないし、前の兵達が邪魔だ。

 そう思い、一歩前進する。

 そうしたら、槍を構えた兵達が、不思議と何故か、一歩後退した。


「おとうさん、おかおこわいっ」


 ミルンが俺の顔を覗き込んでいるけど、別に俺は、普通の顔をしているぞ。

 笑顔が足りないんだろうか?


「何言ってるんだミルン? 俺はニッコリ笑顔で、スマイリー流さんだぞ?」


 笑顔のまま、一歩前進する。

 そうしたら兵達は、また一歩後退して、更に奥に居るルシィでさえ、逃げ腰になってる。

 あぁ、称号の効果かな? 

 そうだよね? 

 俺の顔が恐いって訳じゃないよな。

 だってこんなにも、スマイリーなんだぞ。


「なあルシィ! 俺の頼んだ事はどうした! 何でこいつらは槍向けてんだ!」


『きっ貴様の言った内容は進めておるわ! じゃが、それとこれとは話が別じゃ!』


「話が別って何がだ!」


『大聖堂を破壊し! 大司教をその様な姿にした事はっ、大きな罪じゃ! 大人しくっ、其奴を引き渡せ魔王!』


「ボソッ(罪ねぇ……)」


「おとうさん?」


 豚野郎を煮豚にしたら、大きな罪だってさ。

 はぁ……これでも我慢してたのに。


「お前っ……この糞煮豚を自由にさせておいてっ、どの口がほざいてんだ!!」


『ひっ!?』


「何が罪だ!! この糞煮豚が指示だして! 俺を殺す為だけでは無く! スラムのケモ耳っ子達を拐って傷付けたのっ、お前影さんから報告受けてるよな! それを解放っ、解放しろだと言うかお前は!!」


 俺は一歩進む。

 衛兵は槍を向けたまま震え固まり動けない。

 俺は更に進む。

 衛兵が俺に槍を突き出そうとしたが、俺の顔を見て直様、槍を引っ込めた。

 俺は更に進む。

 衛兵達が道を開け、そこに震えた女王様。

 俺はルシィの前に立った。


「ルシィ。お前さっきの言葉、俺の目の前で、もう一回言ってみろ」


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