15話 皆んなで楽しくピクニック.4
1/7 加筆修正致しました。
砦内部に、楽々侵入完了っ!!
道案内のガリ細神官は、しっかりと解放しましたとも。去り際にミルンが『たまっ!』と襲っちゃって、片玉になったけど、生きているから問題無しだろう。
「すんすんっ、このなかくさいっ」
「そうか? 嗅覚良いから、何か臭うのかね」
「埃っぽい所やなぁ。掃除してへんやん」
「兵も、居らぬ様であるな」
確かに埃っぽいし、衛兵も居ないけど、そんな事よりもだ。この砦……広すぎじゃね?
外からは小さく見えたのに、地味に広くて、小部屋が沢山あんのよ。
「この部屋は、保管庫か?」
「ぴかぴかいっぱいっ!」
「それじゃ、『空間収納』で回収回収」
「流にーちゃんは、正に泥棒やな」
「泥棒じゃ無いぞ。これは、迷惑料の徴収だ」
どうせ、汚い金で手に入れたい物だろうし、俺の懐に入れちゃっても、バレる事は無い。
そう思う事にする。
「大司教……何処に居るんだ。なぁ村長。もうこの砦ごと、魔法で消炭にして良いか?」
「止めたまえ。それだと、首謀者が死んだかどうかが、分からないだろう」
「そりゃそうだっと、今度は鍵掛かってるな。『空間収納』で、鍵ごとほぃっ」
「またぴかぴかっ!」
「宝飾品と……枝? 何で枝?」
貴重な生薬とかだろうか。良く分からんけど、纏めて空間収納に入れとくか。
「ほんまっ、あいつ何処におんねん」
「リティナは、大司教を見た事あるのか?」
「声だけやで。いっつも姿見せんと、幕の向こうからなんや言って来おったわ」
「へーっ。女性か?」
「気持ち悪い、おっさんの声やったで」
それならちゃんと、ミルンの股間撲滅パンチを、御見舞いしなきゃだな。
女性なら、顔面グーぱんで済ましたけど、野郎なら加減の必要無しっ。
「ちゃんと、潰さないとだな」
「そうですねぇ、流さん。細切れにしないとぉ」
「たまつぶす?」
「細切れはアカンでニア。しっかり生かして、やらかした事のツケを、払って貰わな」
「たまつぶすっ!」
ミルンさんや、玉潰しは確定だから、肩の上で斧をブオンッブオンッ振り回すのだけは、勘弁して下さいな。
「遠心力でっ、バランス取りにくいっ」
斧が視界に入る度、俺の玉がキュッと恐怖で縮こまるから……っ、これはヤバい。
何がヤバいって?
キュッと恐怖で、尿意がヤバい。
「トイレって、どこにあるんだっ」
「尿意ぐらい我慢せいや」
「おまっ、我慢は体に毒なんだぞっ」
そんな事を言い合いながら進んでいたら、謁見の間みたいな部屋に到着した。
何で分かるのかって?
あの趣味の悪い椅子を見れば、この部屋が、お偉いさんと顔合わせする場所だって、誰でも分かるだろ。
「っ、我慢の限界なんだけどっ、トイレっ!!」
「おとうさんあっち! もらしちゃだめっ!」
「ミルンの勘か!? ちょっと行って来るっ!」
ミルンを下ろして、確認する。
趣味の悪い椅子の、右奥にある扉。
お偉いさんだって、出るモノがあるんだから、緊急時のトイレぐらい設置してるだろ。
「村長とニアノールさんは、周囲を警戒よろ! ミルンは臭いで、敵が来たら知らせてくれ!」
「りょうかいっ!」
「任せて下さいねぇ」
「まったく……早く行きたまえ」
「ウチは無いんか?」
ミルンさんや、その敬礼みたいなの何?
誰に教えて貰ったの?
可愛いから気にしないけどさ。
「……リティナは一人漫才よろ」
「なんでやねん!?」
「っ、ととっ、膀胱がヤバいっ」
俺は小走りで扉へ向かい、鍵を壊す勢いで扉をバキィッと開け────「「えっ?」」
中に居たモノと、目が合った。
見つめ合う一人と一匹。
どう見てもコレ、一匹だろ?
「脂ギッシュな光沢を放つ顔面にずんぐりとした肉付きのミルンの好物だけども何でお前みたいな魔物が居るんだと聞きたいが人語を理解出来るとは思えないっ!?」
「きさっ『ぼいりんぐっ、うぉ──たあああああああああ──っ!!』」
オークもとい豚野郎が、何か言いかけたが、俺は反射的に、魔法を行使していた。
トイレで思い付いたのは、温水。
あの、恐ろしい切れ痔の時にも、優しくお尻を清めてくれる、温かい温水。
ズシュウッ────「まあああああああああああああああああああああ────っ!?」
便座から熱湯が噴き出して、ジェット噴射からの、尻にダイレクトイン。
ズドドドッ────「おばああああああああああああああああああああ────っ!?」
うわぁ、熱湯が尻に当たって、体浮いてる。
ちょっと離れないと、水がかかって汚いし、なんかこのオーク、臭くないか?
「……これなあに?」
「おっ、ミルン来たのか。オークを見事っ、煮豚にしている真っ最中だ!」
「にぶた?」
そう言えば、この異世界に来てから一回も、煮豚を食べた事無いな。今度作ってみるか。
ズドドドッ────「いばああああああああああああああああああああ────っ!?」
「この豚野郎、何で服着てるんだ? これが上位個体って奴なのか?」
「おーくじゃないよ?」
「えっ、これ豚野郎じゃ無いのか?」
「においがちがうのっ。ひとしゅのにおいっ」
これが……人?
この無駄に宝飾品を付けて、無駄に指輪をはめて、無駄肉全開の豚野郎が……人?
ズシュゥゥゥゥ────「あぁ…………」
ゆっくりと、飛行機の着陸みたいに降りて来て、そのまま便座へ着陸成功しました。
「死んだか?」
「……きさっ…ま…なんっ…何者だっ……」
「死ぬ訳ないわな。お前こそ誰だ? ここに大司教が居るって案内されて、来たんだけど」
「わっ、たしがっ、大司教だっ!!」
「えっ、マジ?」
「たまつぶす?」
そうかそうか、お前が大司教か。逃げ場の無い場所に自ら籠って、呑気に糞してたと。
緊張感が無いと言うか、馬鹿だよねっ!
「貴様っ、誰がは知らぬが、私にっ…この様な事をして……無事で居られるとっ、思うなよ……」
「そりゃお前だな。ぼいりんぐっ、うぉ──たあああああああああ──っ!!」
ズシュウッ────「なぜだああああああああああああああああああああ────っ!?」
何故ってそんなの、お前を潰しにここまで来たのに、そんなのんびりしてるからだな。
「見事に浮いてるなぁ」
「ゆでぶたさん?」
「この茹で豚は、食べれないぞ?」
スープにしても不味そうだ。
いっその事、豚野郎の巣を探して、そこにぶち込んでみるか。
「……何か汚ねぇ」
「おもらしっ!」
「顔も真っ赤だけど、まだまだ大丈夫だろ」
着陸しても、また飛ばして、二十回ぐらいは続けようかな。その後は……何しようか。
尻がでろでろになった茹で豚が、真っ赤な顔をさせながら、床で見事に気絶してます。
あの熱湯って、そんなに熱かったのか?
「取り敢えず起こすか……ミルンさんや、豚野郎を起こして下さいな」
「わかったっ! うーん、えいっ!!」
豚野郎の起こし方。
ミルンが斧を持ち上げて、そのままブオンッと振り下ろし、グチィっと股間を潰します。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ────っ!?」
「すると、簡単に目が覚めると」
「これが、大司教かね」
「なんやのたうち回って、泡吹いとるやん」
「漏らしてますねぇ」
豚野郎は、ひとしきり転がって、また気絶。
色々汚くて、触りたく無いけど、まだまだ地獄を見せないとな。
「それじゃあ次は、この立派な椅子に座らせてっと。なんかくくるモノ無いか?」
「紐であれば、あちらの部屋で見つけたが」
「それで良いや」
紐でぐるぐる縛って……無駄肉が食い込んで、見事なハムに見えるんだけど。
「なぜぇ…わたっ…しにこのよぅ…な…」
「……はぁっ?」
なぜ私に、この様な事をするのかだと?
お前、マジで言ってるんだなぁ。
そうか、そうか、分からないか。
目の前に居る俺が、誰だか分からないと。
「巫山戯るなああああああああ────っ!!」
怒りが頂点に達し、身体から殺意が溢れ出て来て、豚野郎の頭を掴み、目と目を合わせる。
「お前がぁ、俺を魔王と認定したんだろ。俺を直接襲わずにぃ、子供達の家燃やしてぇ、怪我させてえ、お前何様だよ。なぁ……答えろよ」
豚野郎はただ震え、歯を鳴らし、失禁までして、俺の目を見ている。
その目に映る俺の顔は、魔王というよりも、悪魔と言った方が、正しいだろう。
「流にーちゃん、完璧に魔王やな」
「魔王と言ったのは、この糞教会だぞ」
「流さん。私まだ、細切れにしていませんよぉ」
「時間勿体無いし、外でやれば良いんじゃね?」
俺と目を合わせていた豚野郎は、見事に白目でまた気絶。根性無さ過ぎだろう。
「そんじゃ、この豚野郎持って帰るか」
「かえってごはん!」
ミルンさんや。このタイミングでそれを言うと、この豚野郎が食材に見えて来るから、考えて喋ろうな。
「と言う事で、頼んだ村長」
俺はこの豚野郎を、持ちたく無い。
色々と汚いし、絶対重いだろこの巨体。
「流君、君は……いや、もう何も言うまい」
そう言って村長は、煮豚の足を持ち、時折り煮豚の顔面を踏み付けながら、歩いて行った。
「やっぱ村長も、怒ってんじゃん」
「かたたまのこってるっ!」
「帰ってから潰そうな」




