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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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12話 誰の後悔後先立たず.11



 流が孤児院に戻る前、アルテラ教、神官ザルブは最後の手段として何処にも所属していない謂わゆるゴロツキ達を集め、計画とは呼べない様な計画を説明していた。


「貴様等、スラムの孤児院に居る魔王を滅した暁には更に金貨を支払う! 孤児院の獣共は好きにしろ! なんなら殺しても構わんし捕まえたなら奴隷として売り払っても構わん! 売買は手配してやる!」


 ザルブの前には十人程の武器を持った者達。

 その中にはラクレル村で片腕を失った者や、家族の眼を潰された者もいた。皆一様に口をつぐみ、今日を生きる為、復讐する為にまだかまだかと脚をゆする。


「では、行くぞ! 穢らわしい獣を飼う孤児院など、神の名の元に燃やしてしまえ!!」


            ※


 外の気配をいち早く察知したのはニアノールだった。鉄の扉が壊された音が響き、族が入り込む。


「リティナ様は子供達の所に、私が出ます!」


 そう言い、直ぐ様外へ出て状況確認。


「なんだぁ…一丁前に獣女がメイド服着てるぞおぃ皆んな見てみろよ!」


「ぶっひゃっひゃっひゃ! 何だよそれ獣には似合わないっての」


「獣が服着てるって変じゃねえか? 裸にひん剥いて俺達で遊ぼうぜ!」


「耳と尻尾切り取って人種様にしてやるよ? あぁそれだと耳が無くなるか?」


 下卑た笑をあげる族が四人。

 他はー。

 感覚を総動員して研ぎ澄ませる。

 裏手かっ!?


「何よそ見してんじゃこの獣がぁあああ!」

 

 一瞬の隙に族が一斉に襲いくる。

 上段からの剣撃を剣の側面を叩き逸らし、相手の喉目掛けナイフを振る。


 男は喉を押さえ倒れ込み、まず一人。


「やってくれたなぁあああ!?」


「おもちゃにしてやろうと思ったがもう死ねやぁああああああ!!」


「まずはその耳切り落としてやるぅううう!」


 前から右から左からと迫る凶器を冷静に観察して、右の突きをそのまま勢いを殺させず脚を払い、左から耳を狙っていた男の腹部に突き刺さる。其れを見届ける事もせず突き刺した姿勢のままの男の首を後ろからナイフで突き刺し、残りは一人。


 右斜めから振り落とされた剣を身体を低く捻り避けて男の左足首を切り、回り込む勢いそのまま両肩を突き刺す。


「あっぎゃあああ痛てぇ! 痛てぇよぉおおお!」


 コイツは殺さずに放置して今は裏手!

 そう思い行動しようとした瞬間、孤児院が爆発し火の手が上がる。


「リティナ様!?」


 ニアノールは裏手の族よりも先に、リティナを救出する為火の中へ飛び込んでいった。


            ※


 ヘラクレスは孤児院の裏手でミウや他の子供達と薪割りをして汗を流していた。


「そうだ子供達! 力を入れ過ぎず、斧の重さを利用して振り落とせば身体に負担をかけず、この様にーーー


ふんっ!!(パッコーン)


ーーーと木は簡単に割れる!!」


どう見ても筋肉で木を割ってますと言わんばかりの力の入れ方に子供達は笑いながら楽しくお手伝いをしていた。


 そこへー。


「むっ、何者だ!?」


 ヘラクレスは声を上げる。

 そこへゆっくりと姿を現したのはかつての村民達。


「ヘラクレス様、何をなさっているのですか?」


 一人の片腕を失った男が問いかけて来た。


「なぜ、こんな獣風情と…一緒にいるのです?」


 その後から五人程、武器を手に現れる。


「ここは孤児院だ! 物騒な物を仕舞うんだニロス!!」


 元村民達の眼は暗く澱み、焦点があっていない。


「獣は…狩らなきゃですよねぇえええヘラクレスさまぁあああああ!!」


「俺達を裏切って魔王についたのか!」


「この裏切り者ぉおおお!」


「あの時アンタが負けなきゃ俺達はこんな苦労する事無かったんだぁあああああ!!」 


「獣を殺せ、皮を剥げ、一匹たりとも逃すなぁあああ!」


「娘の仇だぁあああああああ!?」


「アルテラ教に栄光あれぇえええ!!」


 殺意を露わに、子供達に襲いかかる。

 ヘラクレスは舌打ちして子供達を急ぎ建物のなかへと誘導するも、ミウが腰が抜けて動けずにいた。


 そこへ迫る狂った男。


「まずは一匹ぃいいいいいいいいい!!」


 ミウの身体に剣が突き刺さる瞬間ーーー


「ぬぅぐぅうううう!?」


ーーーヘラクレスがミウを庇いその背に痛みが走る。


 ヘラクレスはその痛みを無視して在らん限りの力で腕を振り、ニロスと呼んだ男の胴体をくの字に折り曲げそのまま吹っ飛ばす。


 ゆうに十メートルは飛んだであろうニロスは、そのまま地に叩きつけられ絶命した。


「おじちゃんだいじょうぶ?」

 ミウが背から溢れる血を見て泣きそうになっている。

「大丈夫だ…こんなもの、擦り傷にもならんよ!!」

 

 実際スキルを使う余裕が無かった為、致命傷では無いがそれなりにダメージは負った。


 だがそれだけだ、それだけの事だ。

 他の元村民を牽制しつつ伝える。


「ミウ君、皆んなと一緒に建物に入って、院長の所へ避難しなさい」


 首を横に振るミウ。

 そんなミウの頭に手をのせ撫でて、優しく言う。


「私は大丈夫だから他の子達と待っていてくれ。大丈夫だ! 私は強いからな!!」


 白い歯を見せ力コブを作り、ミウを近づいて来たノーインへ託す。


「おじちゃん! まわしてーえがお!」(白い歯が輝いた)


 フンッ笑顔!!(白い歯が輝いた)

 ミウが避難するのを見届け、ヘラクレスは元村民を一瞥する。


 そうか…あの時の流君は…この様な気持ちだったのだな。


「例えラクレル村の元村民達だったとしても」

 

 全身に力を込める。


「私のこれ迄の罪の報いだったとしても」


 子供達の前では見せられない、封印してきたスキルを放つ。


「子供達に危害を加える事は許さん!!」


 ヘラクレス・ヴァントは高らかに叫ぶ。


「限界突破ぁあああああああああ!!」


 着ていた服が弾け飛び、全身の筋肉が血管を浮かせながら盛り上がる。それはさながらオーガの如し。


「村民達よ、すまぬ!!」


 身長二メートルの筋肉の塊が、元村民達を完膚なきまでに蹂躙していった。


 呼吸を荒くしながら疲れ切った顔でヘラクレスは血溜まりの中にいた。


 最早誰が誰の部分なのか分からない程の肉片を見つめながら、服を着なければと孤児院内へ入ろうとするが。


「がっ!?」

 

 突然の爆発により吹き飛ばされ全裸で転がっていく。


 すぐさま起き上がり、孤児院を見ると。


「なっ何が起きている!?」


 火が孤児院を包み込んでいく。


「子供達よぉおおお!?」


 ヘラクレスは全裸のまま火に飛び込んで行った。




 はい後書きのお時間ですねー。

 どうも、かみのみさきで御座いますーよー。

 皆様のお陰で2000PV達成出来ました!!!

 読んで頂きありがとう御座います!

 

 個人的には猫耳メイドは最強説を唱えたい一心ではありますが、各仲間の個性をどう出していくかを試行錯誤しながら人格崩壊させながらヒャッハーして書いていく所存でございますので、これからも宜しくお願い致しますね?見てくださいね?お願い致します!


 では、異世界とは、今後とも少しでも楽しく読んで頂けるますよう…出来たら評価や感想など頂けると…禿になります!?


 禿になります?


 励みになります!!!

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