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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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12話 誰の後悔後先立たず.7



 お婆ちゃんの服屋を出て、次に向かうは、お肉屋、野菜屋、香辛料売ってるお店だな。


 ご飯は一日の活力だからコレばかりは妥協したく無いし、何よりミルンが美味しく食べてくれるから作る事が楽しいのだよ。


 ワンピースを着ているミルンを肩車して…さあ、ミルンよ遠くを見通しその効く鼻で食材を売っている店を探すんだ!


 スンスンと匂いを嗅いで探す姿もマジ天使。


「おとうさんあっち! すごい匂いする」


 早速見つけたかこの食いしん坊めーでも凄い匂いって? とりあえず行くか。


 通行人がミルンをチラチラ見てくる…何か今迄の貶すような目線じゃ無くて…耳がピコピコ尻尾フリフリの姿が可愛いからか?


 やらんぞ俺の娘だからな!

 そんな目線には魔王の笑みだ…ニヤァ!

 上を見たら天使で下をみたら魔王だぞぉ。

 俺の顔を見て逃げるなよそこの紳士淑女の皆様、待て待て逃げるなよ早歩きするなよ。


「おとうさんなにしてるの! みんなこまってるでしょ!」


 御免よミルン、でも可愛いミルンを見るのは俺の特権だから周りの通行人達の眼をそらさねば! と遊びながらミルンが指示した場所へ到着。


「成程、凄い匂いは香辛料か…良し!」


 これなら色々料理に使えそうだ。

 まあ、どんな香辛料かは匂いと味を確かめないと大変な事になるけどね。


「いらっさぃ、何かおさがすで?」


 凄い訛り言葉だな…まあ良いけど。


「この香辛料は全部で幾らだ?」


 売り子は何言ってるんだコイツはの目で見てくるなよ、早よ応えなさい。


「ぜんぶだと百万ストールだとも買えるのけ?」


 馬鹿にしているな…ほれ金貨十枚な!!


「ひぃっ!?」


 金貨を渡したら驚かれてなんか怯えられてるんですけどもなぜに?


「あんたぁお貴族さまですたか!? すまねぇだ直ぐよういすぃます少しおまちぐたせぇ!」

 

 ああ成程、金貨をポンっと渡して勘違いしたのか。

 大丈夫だ、俺は一般人だからゆっくりで良いし、何よりそこまで急いでいない…全く耳にはいってないな。


「おとうさんはむしょくだよ?」

「ミルン、せめてニートと言ってくれないか?」


 無職という言葉を、ニートという言葉で丸めればなんか緩くなるからね。


「おまだせしますた、馬車まではごびますのでぇどごでしょう?」


 まあ、普通この香辛料の量だと馬車に載せないと運べないわなぁ…でも大丈夫!


 空間収納っと。


「ひぃいいい!? 魔法使いざまですたか!?」


 またこのくだりか…じゃあな。


 ミルンはずっと鼻を押さえて耐えていたけど匂いの元を空間収納にいれたので、ぷはぁと息を吐いて「あれはぶきだ」と面白い事を呟いていた。

    

「さて、後はお肉と野菜だな」

「おとうさん、匂いあっち!」


 もう見つけてたのね流石ミルンさんですお肉には目がない…あそこか?


 うん…肉屋だ。肉が並んでいる肉屋だ。

 看板を見たら血塗れの豚野郎の絵が書いてあり、それと二足歩行の牛…ミノさんか? あとは小さく鶏…非常食の絵が書いてある。


 何これめっちゃシュール。

 やっぱり今まで食べてた肉は…コイツ達だったのか…ミルンがオークを見て「お肉」と言っていた事が懐かしいなぁ。


「おとうさん! ここのおにくはミルンがかうの!」

 

 もはや竜巻を起こせるのではと思う勢いで尻尾をグリングリンと回して鼻息荒く、眼が恐いですよミルンさん。


 分かったよ、ここの支払いは任せるから斧から手を離しなさい。


「おじゃましまーす、お肉下さいなー」


 元気良く店内に入るが…誰も居ない?

 出かけてるのかと思ったが、奥からダンッダンッって音が聞こえて来る。


 ミルンは鼻をスンスンさせながら奥へ行き、俺も後を追うが、奥へ行った筈のミルンが可愛く転がってきた…可愛い…どうしたミルン?


「肉切ってる時に危ないだろぉ!」


 あ…凄い剣幕でおっちゃん出てきたな。

 何で怒ってるのさ?


「あぁん!? 兄ちゃんこの子の連れか? ちゃんと見てくれないと危ねぇだろうが!」


 なんかミルンが肉切ってる所に近づいて、切ってる最中の肉に手を出しそうになったとか。


 すみません、お肉大好きケモ耳幼女なんで。

 ミルンも謝りなさい!


「ごめん…なさぃ…」


 あぁ…泣きそうになってるけどこればかりはミルンが悪いからな…庇えないよぅ。


「あぁん!? ちゃんと謝れて良い子じゃねぇか! 俺も声あらげて悪かったなぁ!」


 そういっておっちゃんはミルンに近づいて頭をわしゃわしゃ撫でている。


 この人も獣族とか気にしない良い人だな…ちゃんとした理由で怒ってくれてるし。


「おっちゃんすまなかった。ミルンが肉好きでな、買いに来たんだ」


 ほぉうという凄い顔でミルンを見て。


「おぅミルン嬢ちゃんって言うのか! 肉、好きか? そうかそうかどれぐれぇ欲しい!」


「ぜんぶくださいな!」


 間髪入れず発したミルンの言葉におっちゃんが少し考えている。


「全部ってーとぉ一千五百万ストールだぞ? ミルン嬢ちゃん冗談いうんじゃねぇぞ!?」


 あぁその値段で済むんだ…おっちゃんすみませんミルン持ってます。


 はい、金貨百五十枚。ちゃんとミルンのお金ですよ。


「かぁーっなんだミルン嬢ちゃん金持ちか!? 金貰っちゃあ、しかたがねぇ今日は閉店だ!」


「おにくいっぱい、おにくいっぱい! おとうさん、いれておいてください!」


 はいはい畏まりましたよと。

 それにしても凄い量だな、コレだけの量入るってやっぱりチートだな空間収納。


 総重量一トンの肉かぁ…毎日食べれるな。

 


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