12話 誰の後悔後先立たず.5
ハイオークの魔石が金貨70枚。
宝飾品が金貨350枚。
それで…これって幾らなのよ?
石貨は…十円ね。
銅貨は…百円ですか。
銀貨は…一万円
金貨は…十万円
お金の単位はストールとな?
ジアストールだからか成程。
パンが一つ百五十ストールだから、銅貨一枚と石貨五枚で買えると言う訳だな!
ということは…俺の持ち金は、七百万円!
ミルンにいたっては、三千五百万円!?
いや、ミルンさんや…俺より遥かにお金持ちになってるぞ…お肉、店ごと買えますね。
「有難うネリアニスさん、助かった。今まで村で過ごしてたからお金の種類なんて気にした事なくてさ」
「それにしては商談に慣れているご様子でしたが…まあ良いでしょう」
あっぶねーギリギリ誤魔化せた。流石に違う世界から来たので貨幣の価値を教えてぷりーずなんて言える訳が無い。因みにギルド長のゴッズは悔しそうに裏に引っ込んで行った。
「おとうさんおわった?」
ミルンが早く出たそうにしているな。
良し、お金も貰ったし、ミルン!
色々王都を観光だ!
「それじゃあ、また来ますね」
「ばいばいねりあにす」
ネリアニスさんが手をワキワキさせながら名残惜しそうに手を振っている姿を後目に、俺達は王都観光へと繰り出した。お金は空間収納にばっちり保管で盗まれる心配無し、完璧だ!
※
俺はミルンを肩車して周りからの視線を無視しながら王都の繁華街を歩く。
さて、まずは香辛料に味付けソースと、肉類に、それから…!?
「いや、最初は服だ! ミルンッお洋服のお店を探すぞ!!」
「どうしたのおとうさん!?」
そうだ…俺は門兵に赤ジャージを燃やされてからというものずっと門兵風の服を着て居る。コレしか服はありません。イコール臭い、汚い、逃げましょうな状態な訳で、ミルンも同じく…いや、ミルンは良い香りだな臭く無い!
「服屋…どこだ!?」
「おとうさんあっち!」
流石ミルン見つけたかとミルンが指刺した方へ走り到着したら。
「へぃらっしゃい!」
ザッ串焼きの店。
ミルン違うぞこれは服屋じゃ無いって分かったよ買うよ幾らだ?
「串焼き五本で六百ストールになりやす!」
はいよ銅貨六枚ね。
「毎度ーっまた来てくだせぇね!」
はぁ…ミルンや美味しいかい?
俺に一本くれるのか、有難う。
それじゃあいただきます…むぐむぐっ。
はぁ…!?
「うっめぇええええええ!? 何だコレこのタレよ甘じょっぱくて肉に合うし醤油程濃くはないけど相性抜群でこの世界に来てまともな味付け肉っ!?」
ミルンッどうしたミルンッ!? やばい…美味すぎてミルンが串焼きを口に入れたまま固まって泣いている…あっ大丈夫だ、一瞬で串焼き食べ尽くして口の中モゴモゴと幸せそうな顔しちゃってるな。
よしっ、さっきの串焼き屋からタレの情報を貰いに戻ろうそうしよう。
「おーい串焼き屋のおっちゃん」
「あれ? さっきの兄さんと嬢ちゃんどうしたんで?」
いや、串焼きのタレどこで売ってるの?
「その串焼きのタレ寄越せやゴラァアアア!」
あっ、間違えた御免、御免。
「いや兄さん無茶ですわ。このタレはワテの秘伝ですから譲れません! どうしても言うなら五十万ストールでレシピは渡しますけど払えないでしょ?」
おっ、見た目で判断しやがったな。
まあこんなボロボロの服着てたら仕方ないか…だがしかし! ほいお金!!
「はい金貨五枚ね、渡したぞ。レシピを早く出せレシピ!」
串焼き屋のおっちゃんは唖然としつつも、言ってしまったからにはと追加で商売には使わないように厳命され、自家用だと力説して納得して貰いレシピをゲットだ!
「ミルン! これで美味しいお肉がいつでも食べれるようになったぞ!」
「おにくーおにくーおいしいおにくー」
俺とミルンはその場で踊り、串焼き屋のおっちゃんに営業妨害するなと怒られその場を後にする。
「よし、今度こそ服屋を探すかな」
「おとうさん、おようふくいっぱい」
流石に肩車してるだけあって見つけるの上手いなぁミルンさんや、よし、行って買うぞ! 買いまくるぞ! ミルンのフリフリスカートが見たいからな!