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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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13話 ミルンと楽しくお買い物.4


 12/10 加筆修正致しました。



「ハイオークの魔石、金貨七十枚。呪詛返しの指輪、金貨二百枚。防護の腕輪、金貨百五十枚での買取りとなります。お確かめ下さい」


 ドシャっと重たい音と共に、目の前に置かれた皮袋から覗く、光り輝く硬貨達。


「……それで、これって実際、幾らなの?」


「はい?」


「田舎から来たから、金持つの初めてなんだ」


 ネリアニスさんが、何を言ってるんだろう、この男は。みたいな顔で、こっち見てるんだけど、貨幣の価値なんて知らんて。


「はじめてのっ、おかね!」


 ミルンさんや、俺もだぞ。

 と言う事で、ネリアニス副ギルド長による、簡単貨幣講座の開催です。


 お金の単位は、ストールと言うらしい。

 ジアストールだからストールって、物凄く安直な気がするけど、分かり易いから良いのか。


 美味しいパン一つで、百五十ストール。銅貨一枚と、石貨五枚で買えると。


「今回の買取りって、俺は何ストールなの?」


「流さんは、七百万ストールになります」


「……マジかっ」


 金貨一枚十万ストール。

 銀貨一枚一万ストールで、どうやら、千ストールの貨幣は無い様だ。

 銅貨一枚百ストール。

 石貨一枚十ストール。

 

「と言う事はっ、ミルンは三千五百万ストールって事にっ!? 偉い大金だぞ……」


「おかねがたくさん!」


「ミルンさんや。お肉……店ごと買えちゃうぞ」


「おみせごと?」


 簡単貨幣講座、以上になります。

 それと同時に、ネリアニスさんの、ミルンの尻尾モフモフタイムも、終了となります。


「有難うネリアニスさん。今まで村で過ごしてたから、気にした事なくてさ」


「それにしては、商談に慣れているご様子でしたが……まあ良いでしょう」


 あっぶねーっ、ギリギリ誤魔化せた。

 違う世界から来たので、貨幣の価値を教えてぷりーずなんて、言える訳が無い。

 因みに、ギルド長のゴッズは、悔しそうに裏に引っ込んで行った。


「そんじゃっ、お暇しますか」


「おにくをかうのっ」


 ミルンがシュバっと、ネリアニスさんから離れて、今度は早歩きで戻って来た。

 長居をする気は、無い様だな。


「えっ……もう行かれるのですか……」


 ミルンは大金を手にして、御満悦な様子。

 日本でも、こんな大金を一瞬でゲットだなんて、早々無いからな。


「それじゃあ、また何か有れば来ますね」


「ばいばいねりあにす」


「あっ……」


 ネリアニスさんが、手をワキワキとさせながら、名残惜しそうに手を振っている。

 さらば冒険者ギルド。

 また何か有れば来ますねと言う言葉は、日本で言うところの社交辞令です。


「よっしゃミルンっ、色々買い漁るぜひゃっはああああああ────っ!!」


「おにくをかうのおおお──っ!!」


 冒険者ギルドを出た瞬間、予想外の大金を得た喜びに、感情が爆発しちゃいました。

 恥ずかしく無いぞ?

 無一文から、脱出出来たからな!!

 お金は勿論っ、『空間収納』にばっちり保管して、盗まれる心配も無しっ!!


「最高のスキルじゃん」


「はやくおにくっ!」

 

           


 ミルンを肩車して、周りからの視線を無視しながら、王都の繁華街を歩く。

 スラムでは気にしなかったが、歩いていると、通行人がジロジロ見て来るんだよなぁ。

 主に、ミルンに対して。


「先ずは、肉屋を探して、香辛料やら野菜やらを買う……違うっ、最初は服だ!!」


「おにくじゃない!?」


「ミルンっ、先ずはお洋服を買おう!!」


 通行人が、視線を向けて来る理由。

 俺とミルンの、服の所為だ。

 俺は、門兵に赤ジャージを燃やされてから、ずっと門兵風の服を着ている。ミルンは、あの村でパクっ…見つけた、見窄らしいボロ着をずっと着ている。

 イコール、臭い、汚い、逃げましょうな状態な訳で、周囲の人達の服装とは、雲泥の差だ。

 

「服屋はどこに……っ、今なら買える!」


「おとうさんっ、あっちにいくの!」


「流石ミルン、見つけたのか!」


 ミルンが指差す場所へと移動したら、『へぃらっしゃい!』ザッ、串焼きの店でした。


「ミルン違う……これは服屋じゃ無い」


「おなかすいた!」


「……分かった。買うから涎を滝にしないっ」


 マー◯イオンみたいになってるけど、その量の涎が出てるのって、おかしくね?


「店主、幾らだ?」


『串焼き五本で、六百ストールになりやす!』


「はいよ銅貨六枚ね……ほい」

 

『毎度っ、また来てくだせぇね!』


 ミルンの嗅覚って、本当に凄いよね。

 人混みの中、串焼きの匂いを嗅ぎ分けて、こうして来れるんだから。

 少し離れてミルンを下ろし、人混みを見ながらの、実食タイムです。


「ムゴムゴッ」


「ミルンさんや、美味しいかい?」


「ムーっ!」


「俺に一本くれるのか? それじゃ、頂きますよと…むぐむぐっ……っ!?」


 このタレの甘じょっぱい感じっ、醤油程濃くは無いが、肉に合う様に調整されておりっ、この異世界に来て初めて出逢うっ、しっかりとした味付け肉っ!!


「うっっっめええええええ────っ!!」


 ミルンが、串焼きを口に入れたまま、固まって泣いている程に、旨過ぎる。


「モゴモゴっ、ぐすっ……モゴモゴっ」


 泣きながら食べるのを再開したな。

 尻尾がぶんぶんローリングしてるし、嬉し泣きする程って……欲しいな、タレ。


「良しミルンっ! さっきの串焼き屋から、タレの情報を貰いに戻ろう!」


「モゴ──っ!」


 ミルンの目が、燃えています。


「おーいっ! 串焼き屋のおっちゃーっん!」


『ありゃ? さっきの兄さんと、嬢ちゃんでないですかぁ。どうしたんで?』


「その串焼きのタレの配合……教えて?」


『いや兄さん無茶ですわ。このタレは、ワテの秘伝ですから、譲れませんて』


「ミルンの餌食となるか、今直ぐ教えるか、二つに一つだぞ? なあミルン?」


「おにぐぅぅぅっ、じゅるっ……」


 ミルンさんや、店主を喰う気なの?

 流石にそこまでしちゃうと、お尋ね者になるから、大人しくしてような?


『っ……どうしても言うならぁ、五十万ストールでぇ、レシピは渡しますけど……兄さん達払えないでしょ?」

 

 おっ、見た目で判断しやがったな。

 ボロを着ててもっ、今の俺にはお金が有るから、超余裕で払えますねっ!!


「はい金貨五枚。確かに渡したぞ! レシピを早く出せレシピ!!」


「おにぐぅぅぅっ、じゅるっ……」


 串焼き屋のおっちゃんは、唖然としつつも、言ってしまったからにはと、追加で商売には使わないように厳命され、自家用だと力説して納得して貰い、レシピをゲットしました!!


「やったなミルンっ! これで美味しいお肉が、いつでも食べれるぞっ!」


「おにぐぅ、おにぐぅ、おいしいおにぐぅ!」


 俺とミルンはその場で踊り、串焼き屋のおっちゃんに、営業妨害するなと怒られ、その場を後にしました。

 有難う串焼き屋のおっちゃん。

 いつかまた、買いに来るからね。

 そして直ぐ様、ミルンを肩車セットインっ!


「……今度こそ、服屋を探すとしますか」


「おとうさん。あそこ、おようふくいっぱい」


 あそこって、何処なのミルンさん。

 俺には見えないから、また指差しで、誘導係をお願いします。

 

「ミルンの振り振りスカート姿……っ、楽しみだっ!!」



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