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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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13話 ミルンと楽しくお買い物.3


 12/10 加筆修正致しました。



「ヤ◯ザ顔のおっちゃん……マジで怖かったぁ」


 ミルンはアレだ、怖い物知らずだよね。

 もう叩かないと言ったから、大丈夫だとは思うけど、心臓に悪過ぎるわ。


「スンスンッ、あせくさいの」


「冒険者ばかりなんだから、仕方無いだろ?」


「ひだりからにおう……」


 確かに臭うけど、言葉は選ぼうね。

 左に座ってる人が、『えっ、臭い?』みたいな顔をして、自分の臭いを確かめてるだろ。


「う◯ちのにおいっ」


「ミルンさんや、お口チャックしなさい」


「ちゃっくって、なあに?」


 それは知らないのか。

 確かに今着てる服とか、チャックじゃ無くてボタンで止めてるし、見た事無いもんな。


「お口を、んーってする事だよ」


「おくちとじるっ。ちゃっくします」


「何このミルン可愛いっ」


 お口を、んーってしながら閉じてるミルンも、可愛い過ぎて鼻血が出そうだ。


『次の方どうぞーっ』


「おっ、行くぞミルン。俺達の番だ」


「んーっ」

 

「もうお口を、開けて良いぞ?」


「ぷはぁっ」


 やっぱりミルンは、癒しの天使だよ。

 ケモ耳の妖精さんとも言える。

 

 ミルンを肩車したまま、受付の椅子に座って、マジで今から問診始まらないよね?

 受付のお姉さん、超美人なんです。

 

「ようこそ、冒険者ギルドへ。本日は、どの様な御用件でしょうか」

 

「えっと…知人から、こちらのギルドで、魔石の買取をしていると教わりまして、その相談に来たのですが……」


「はい。当ギルドは魔石だけで無く、宝飾品やアイテム等の買取も、行っております」


 俺は魔石しか持ってないからね。

 ハイオークの魔石って、幾らになるのかな。

 

「それじゃあ、『空間収納』っと。この魔石の買取を、お願いしたいのですが」


「ミルンはこれをうるのっ!」


 肩の上に居たミルンが、膝上に移動して、皮袋から出して来た、やたら高そうな宝飾品。

 ミルンの腰に付いていた、やたやと大きな皮袋の中身が、これだった様だ。


「ミルンさんや、何でこんなん持ってんの?」


「はぎとったのっ」


 剥ぎ取った……あの光おっさんの装備っ!!

 そういや、最近付けて無いなと思ってたけど、まさか売る気なのか?


「お気に入りじゃ無いのか?」


「ミルンのおにくっ、たくさんかうのっ!」


 流石ミルン。剥ぎ取った後に楽しんで、飽きたからお金に換えて、最後は胃袋に収めると言う錬金術ですね。


「んじゃぁ、これ全部売りたいんですけど」


「畏まりました、拝見致します」


 その場で査定すんのって、プロの仕事だ。

 まじまじと魔石を見て、顔色変えて、宝飾品見て、頭を捻らせて……何してんの?


「ハイオークの魔石っ、呪詛返しの指輪と……防護の腕輪……っ、本当にお売りするのですか?」


 魔石よりも、指輪と腕輪に驚いてるよね。

 呪詛返しに防護って、レア装備っぽいけど、ミルンは売る気満々だからな。


「売りたいのですが……どれも手に入れるのに、それなりに苦労したので、それを踏まえての価格を、希望したいですね」


 ここからは交渉だな。

 受付さんの反応を見る限り、貴重な物なのは間違い無いし、買取りたい雰囲気が出てる。


「大変失礼ですが、冒険者登録はお済みでしょうか。登録をしていなければ、買取価格が下がってしまいますが……」


「下がるのか。どれくらいですか?」


「一割減となります」


 一割減は大きいな。

 冒険者は、異世界あるあるだけど、肉体労働はパスしたいので、一割は諦めよう。


「それと、ハイオークの魔石は、直ぐ買取り出来ますが、他の二品は、ギルド長に相談してからの査定となります」


「……そのレベルの宝飾品なのか」


「効果付きの宝飾品は、貴重ですので」


 あのおっさん、金持ちだったのか。

 教会の人間だっけ?

 悪徳宗教とかじゃ、無いだろうな。

 

「冒険者登録は無しで。装飾品の査定を、ギルド長へお願いしたいです」


「ぼうけんしゃに、ならないの?」


「ミルンさんや、肉体労働が嫌なんだよ」

 

 ニートのままの方が、気楽で楽しい。

 冒険者の依頼受けるのって、責任重大だろうし、俺には向いて無いと思うからね。


「畏まりました。ギルド長に、査定をお願いして参りますので、暫くお待ち下さい」


 そう言って離れていく、美人の受付さん。

 お尻がふりふり良いお尻?


「ミルンさんや……膝の上で立たれると、前が見えないんですけど?」


「おとうさん、めっ!」


「尻尾が当たって癒されるぅ」


 可愛く怒られました。

 でもね、これは仕方が無いんです。男の性と言うか、勝手に目線が泳ぐんです。


「ミルン……斧から手を離そうな?」


「まだみてるのっ」


「ここで斧なんて振り回したら、俺の胴体真っ二つになるから、駄目だあああ────っ!?」


「わるのっ!!」


 膝上に立って居るミルンが、斧を手に持ちフルスイングッッッをする前に、全力で斧を掴んで、回転しない様に押さえています。


「お待たせ致しました」


「おいおい……物騒な物を、ギルド内で振り回さないでくれよ。危ないだろ?」


 ようやく、受付さん戻って来たな。

 村長よりも遥かに、雰囲気ヤバい奴が隣に居るけど、誰だこのおっさん。


「すまん。ちょっと娘と、戯れあってたんだ」


「かいとりっ!」


 ミルンの意識が、お金に向かって助かった。

 このおっさんが、ギルド長か?

 片目潰れてて傷痕凄いし、髭面で白髪。服越しでも分かる、引き締まった身体に、歩く音がしない隠密性。

 何処ぞの傭兵だろうか?


「そうか……娘? 獣族の子供が娘とは、おかしな奴が居たもんだな」


「あん? お前今……何て言った」


 このおっさん。ケモ耳幼女が娘なのは、可笑しいって言ったのか?

 えっ、ミルンの事、馬鹿にしてる?

 

「まてっ、悪い意味で言った訳じゃ無い。その物騒な殺気を抑えろ……っ」


「殺気なんて、出してないぞ。それで、悪い意味じゃ無ければ、何だって?」  


 俺は、ミルンを貶す奴には容赦しない。そう言う奴を、人と見ない事にしている。

 

「すまなかった……言葉を間違えたな。その子を貶したので無く、獣族の子を娘と言う人種が、珍しくてな」


 そう言って、頭を下げて来た。

 ギルドの一番偉い人が間違いを肯定し、頭を下げた事に、俺は少し安堵する。


「成程、俺に対して可笑しな奴って事か」


 それでも十分失礼だけど、ミルンを貶した訳じゃ無いなら、怒る必要も無いな。


「このケモ耳幼女は、俺の娘のミルンだ」


「ミルンなの。おとうさんっ、おこったら、めっ!」

 

「悪かったよ。もう怒らないからな」


「中々礼儀正しい娘じゃないか。俺は、ギルド長をしているゴッズだ。宜しくなミルン君」


「受付を担当している、ネリアニスです。ミルンさん……少しだけでも良いので……尻尾をっ…」


 ギルド長だけじゃ無くて、何故か受付さんも挨拶して来た。ミルンの尻尾を見つめながの挨拶だけど……そう言う事か。


「ミルン。ネリアニスさんが、ミルンの尻尾を触りたいって言ってるけど、どうする?」


「しっぽ……」


 ミルンは、ネリアニスをジッと見て、何かを考えた後、俺の膝から下りて受付に入り、そのままネリアニスさんの、膝の上に乗った。

 少し驚きの光景です。

 ミルンが自ら、尻尾を向けるなんて。


「さわるだけっ!」


「有難う御座いますっ……ぁぁ…柔らかい」


「そんな簡単にっ……羨ましいっ」


「ネリアニスよ、職務中だぞ。すまないなミルン君……後で説教せねばっ」


 そんなギルド長の言葉を無視して、ネリアニスさんは恍惚な表情を浮かべ、ミルンの尻尾を撫でている。


「んで、宝飾品の査定は終わったのか? 実際この三点で、幾らになるんだ?」


「そうだったな。問題無い。魔石も宝飾品も買い取ろう。ハイオークの魔石が金貨五十枚。宝飾品は金貨二百枚。これでどうだ?」


 うん。貨幣の価値なんて、知らんよ。なので少しだけ、吹っ掛けよう。


「嘘だろ? 安過ぎだ。希少な魔石と、このランクの宝飾品だぞ。ぼったくる気か?」


 それを聞いたギルド長のゴッズが、険しい顔をして、うんうん唸っている。


「ならばっ、ハイオークの魔石が金貨二十一枚。宝飾品が金貨二百十枚でどうだ?」


 まだギルド長には、余裕の顔が見える。

 こちとら、社畜経験豊富な、人の顔色伺うのが日常茶飯事の、日本産まれだぞ。


「足りないよな?」


 ギルド長のゴッズが、更に目頭を押さえて、うんうんと考えている。


「ぐぅっ、ハイオークの魔石が金貨五十五枚! 宝飾品が金貨二百五十枚! これなら満足だよな!?」


 必死に見える顔に、まだ余裕が見える。

 甘い甘い。甘過ぎるぞギルド長。


「ミルンさんや、帰えろうか。どうやら縁が、無かったようだ」


「かえる? いくの!」


 ミルンが俺の声を聞き、ネリアニスさんからシュバっと離れてゆっくり歩く。

 流石ミルン……俺の考えを察したな。

 にしてもネリアニスさん……真っ青な顔してどれだけモフりたいの?


「ハイオークの魔石が金貨六十枚。宝飾品が金貨三百枚。こちらの金額で如何でしょう」


「んっ?」


 なんと、受付である筈のネリアニスさんが、金額提示をしてきた。ギルド長のゴッズが、顔を押さえて溜息を吐いてるし、なんで?


「ネリアニスっ、何を勝手に……」


「ギルド長。副ギルド長としての、進言です。今後の事を踏まえて、多少、色を付けたと思えば、安い金額かと」


「へぇーっ、副ギルド長だったのか……ミルンさんや、もう少しだけ、ネリアニスさんにモフられて来なされ」


「わかりました!」

 

 ゆっくり歩いて居たミルンが、シュバっとネリアニスさんの膝上に戻った。

 ミルンさん、有難う。


「だってさギルド長。買取……どうするよ?」


 俺はニヤニヤと、ギルド長のゴッズを見つめて、その反応を楽しむ。


「……分かった。この際だっ、ハイオークの魔石は金貨七十枚っ! 宝飾品は金貨三百五十枚! これで買い取る文句は言わせん!!」


 はい商談成立しましたーっ、拍手!!

 ネリアニスさんは、その金額を聞いて、『赤字ですね』とぼやきながら、ミルンの尻尾に顔を埋めていた。


「……見栄っ張りなギルド長あざっす!!」

 


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