11話 ここがオアシスパラダイス.1
俺は頭を使い過ぎてもう癒しが欲しいの!
という思いでミルンを肩車して、いざ、ケモ耳っ子達がいるであろう建物の外へと向かう。
「ミルン、ちゃんと挨拶するんだぞ」
「だいじょうぶ。ちゃんとちからをみせる!」
ムフゥッと息を荒くして、なんかここのボスに成ろうとしてませんかミルンさんや。喧嘩は許しません!
なんて話をしていたらーーー
「ふははははっ! もっとこうして、そうだ良いぞっ子供達!」
ーーー村長の声が響いて来た。
仲良くやってる様で良かったと思い、俺とミルンも混ざろうと見に行くと…んっ?
「さあっ次はこのポーズからのぉ…笑顔!」
「ぽーずからのえがお!」
「ふんぬぅ…笑顔っ!」
「むーんっニコッ!」
「ぬうううえがお!」
「はあああっえがお!」
「むずかしいっえがお!?」
「きんにくぅ! きんにくぅ! はぁはぁえがお!」
「わたちはきんにくむすめになるっえがお!」
おい…村長。
「良いぞ子供達! キレてる! キレてるぞっ良い笑顔だ! 次はそのポーズから回してえええ笑顔!」
おい…筋肉村長。
「回してえええ笑顔!」(白い歯が輝いた)
「まわしてえがお!」 (白い歯が輝いた)
「ぬーんっえがお!」(白い歯が輝いた)
「まわしぃててえがお!」(白い歯が輝いた)
「はああああっえがお!」(白い歯が輝いた)
「こうっいけぇええがお!」(白い歯が輝いた)
「きんにくぅうううえがお!」(覚醒した)
「わたちはまけないいえがお」(白い歯が輝いた)
おいっ…ヘラクレス筋肉馬鹿村長。
「おお、流君か。ここの子供達は素晴らしいな、覚えが早くて教え甲斐がある。子供達よ、流君とミルン君が来たぞ!!」
ケモ耳っ子達が首を此方へ俺とミルンを見て。
「「「まわしてぇえええええええええ笑顔!」」」
輝く白い歯を見せ一斉にポージング!?
しかも息ピッタリ!
やめてくれっ恐いわ!?
一人取り返しの付かない子が誕生してるし。
何か全身…光ってるし。
あの子はもう…助けられない。
「良いぞ! その笑顔が素晴らしい!! では次っぐはっ!?」
俺とミルンは、とりあえず村長の腹を力の限りぶん殴った。
村長の肩の上では、フンッフンッとミウちゃんも…マッスルポーズを可愛くとっていた。
筋肉に洗脳されてるぞ…ケモ耳っ子達よ。
【11話 ここがオアシスパラダイス】
とりあえずマッスルポーズは禁止。
村長には罰としてミルンによる全力股間撲滅パンチをお見舞いする事に決まり、ならばとケモ耳っ子達にも参加する様伝え、今は。
「流君辞めさせたまえ!?」
村長が全力で逃げている。
「筋肉が逃げたぞ!」
「まわりこめっそこ!」
惜しいっあと少しで潰せてた!
「ミルンがつぶす! ミルンがつぶす! あのときのおかえし!!」
ミルンが突っ込んでいったがどうだ?
「ミルン君っ目が本気だがっ!?」
おー村長かわすなぁ。
「きんにくぅうううううふぁいっとおおお!」
覚醒者が村長を背後から抑えた!?
凄いな…あんなに小さいのに…恐いけど。
「わたちがどどめをさすのおおおおお!」
一番小さな子が下から当たるかなーっ。
「やらせない」
おっミウちゃんが村長から降りて援護した!
「このおじちゃんはミウのもの!」
気に入られてるねぇ村長。
「この時をまっていた!」
おっ、一番小さな子の後ろから角っ子!
ヤレるか! 村長の股間!?
その瞬間村長は、スキルを使った。
輝く身体。
移動時には使えない…防御特化のスキルを。
全力で…股間を守る為に。
「フハハハハハッ甘いぞ子供達っ!?」
「「「はんそくだー!?」」」
うん…村長、それは大人げ無いぞ。
ミルンは諦めずに股間を殴っていた。
手が痛そうだ。
※
院長にここに至る経緯を報告する為に別れた聖女リティナとニアノールは、その報告後、自室へと戻っていた。
「ニアお茶淹れてーもうくたくたや」
「はいはいリティナ様」
物凄い濃い数日間だったと思っとる。
というか何やホンマ、流にーちゃんが居るだけで何某かの問題がおきて飽きへんわ。
「どうぞリティナ様」
「ありがと。ニアもゆっくりしーやズズッ、疲れとるやろ?」
くはっーやっぱりニアの茶は旨い!
「そうですね。それでは、お言葉に甘えますねぇ」
そう言って何でウチの後ろに回るん?
何でウチの体に手まわすん?
「すぅうううう…はぁあああああ」
「コラッ何匂いかいどんねん!?」
やめろや!
まだ身体洗っとらんから臭いねんて!?
あっニアの顔がクワッて…やっぱり臭いやんけ!
尻尾を身体に絡めるな!
身体を擦り付けるな!?
やめろってほんまに怒るで!!