11話 ここがオアシスパラダイス.1
12/5 加筆修正致しました。
影さんとの話が終わったので、ケモ耳っ子達と遊ぶ為、ミルンを起こしていざ行かんっ!!
「んしょっ、んしょっ、ていいち」
「ミルン合体完了! 流号っ、発進します!」
「てきをせんめつなのっ!」
ミルンさんや……敵は居ないからね?
「ミルン。ちゃんと皆んなに、挨拶するんだぞ」
「ムフーっ、ちゃんとちからをみせる!」
鼻息荒く、やる気満々なんですけど、ここのボスに成ろうとしてませんか?
喧嘩したら、必殺っ、お遊び強制終了を発動させて、お布団で寝かせるからね?
ミルンを肩車したまま部屋を出て、ケモ耳っ子達が遊んでいるであろう、正面の広場に向かっていたら、筋肉村長の暑苦しい声が、聞こえて来た。
『ふはははっ! そうである! その腕をっ、ぐるっと回してっ、良いぞ子供達!!』
「何して遊んでんだ?」
「はやくいくの!」
正面の広場に到着した。
到着したんだけど、そこに広がる光景に、これ以上進みたく無いっ。
「さあ次は、このポーズからのぉーっ、笑顔!」
「ぽーずからのえがお!」
「ふんぬぅ…笑顔っ!」
「むーんっ、ニコッ!」
「ぬうううえがお!」
「はあああっ、えがお!」
「むずかしいっ、えがお!?」
「きんにくぅ! きんにくぅぅぅっ、えがお!」
「わたちはきんにくむすめになるっ、えがお!」
これは、筋肉の洗脳なの?
小さなケモ耳っ子達が、村長とタイミングを合わせて、見事なマッスルポーズを、披露している。
「良いぞっ、良い笑顔だ! 次は、そのポーズから回してぇぇぇっ、笑顔!!」
「おい……筋肉村長?」
「回してえええ笑顔!」(白い歯が輝いた)
「まわしてえがお!」 (白い歯が輝いた)
「ぬーんっえがお!」(白い歯が輝いた)
「まわしぃててえがお!」(白い歯が輝いた)
「はああああっえがお!」(白い歯が輝いた)
「こうっいけぇええがお!」(白い歯が輝いた)
「きんにくぅうううえがお!」(覚醒した)
「わたちはまけないいえがお」(白い歯が輝いた)
「おいっ! ヘラクレス筋肉馬鹿村長!」
「むぅっ、流君か。ここの子供達は、覚えが早くて教え甲斐があるぞ。子供達! 流君とミルン君が来たぞ!!」
ケモ耳っ子達が一斉に、俺とミルンに首を向け、物凄く嫌な予感が……止めてくれっ。
「「「まわしてぇぇぇぇぇぇっ、笑顔!!」」」
「怖すぎるわっ!?」
「みんなのおめめっ、こわいの!」
輝く白い歯を見せ、一斉にポージング。
しかも息ピッタリ。
一人だけ、取り返しの付かない子が誕生してるんだけど……何か光ってね?
何で光ってんの?
あの子ケモ耳無いし、人間だよね?
「良いぞ! その笑顔が素晴らしい!!」
「ミルン……準備は良いか?」
「じゅんびよしっ!」
「さあっ! 次っ『やめろ筋肉っ!!』」
スパァァァンッ────と、良い音が出る程の力で、村長の後頭部を平手打ちっ!!
ミルンも、肩の上から手を伸ばし、全力で村長に可愛いパンチ……手が届いてないけどね。
「何をするのかね……流君」
「ケモ耳っ子達を、ゴリマッチョにする気か?」
「きもちわるいの」
ケモ耳っ子達に悪影響です。
村長の肩の上に、ミウちゃんが居るんだけど、『きんにくっ、きんにくっ』て口遊みながら、上腕二頭筋を鍛えてるんだぞ。
可愛いケモ耳が、シックスパックでムキムキになるのは……勘弁して欲しいっ。
マッスルポーズは禁止です。
村長には罰として、ミルンによる、全力股間撲滅パンチをお見舞いする事に決まり、それならばと、ケモ耳っ子達参加型の、鬼ごっこをして貰ってます。
逃げるのは、勿論村長だけ。
狙うは、村長の股間だ。
「流君っ、止めさせたまえ!?」
「筋肉が逃げたぞ!」
「まわりこめっ、そこおおお──っ!」
「ぐっ、危ないのであるっ」
惜しいっ、あと少しで潰せてたな。
「ミルンがっ、ミルンがつぶすのっ! あのときのっ、おれいまいりなのっ!!」
ミルンが突っ込んで行ったぞ。
御礼参りって言葉、よく知ってるな。流石ミルンさん、博識でいらっしゃる。
「ミルン君っ、目が本気なのだがっ!?」
「しぬのおおおっ!」 ────ブゥンッッッ!!
「危っ、振りかぶって、潰す気満々っ!?」
村長避けるの上手いな。
でも、そっちに避けたら、迫ってるぞ?
「きんにくうううううっ、ふぁいっ!!」
覚醒者がな。
上手い感じに、背後から村長を押さえて、意味が分からない力を、発揮してんじゃん。
あんなに小さいのに、凄いな。
普通に恐いけど。
「わたちがどどめをさすのおおお──っ!!」
一番小さな子が、下から行ったぞ。
「やらせないっ。このおじちゃんは、ミウのものだから、たたいちゃだめっ!!」
ミウちゃんが、村長から降りて援護って、気に入られてるじゃん。
羨ましいんだけど……何なのあの筋肉?
「この時をまっていた!」
おっ、一番小さな子の後ろからっ、角っ子が飛び出して来た!
今だ角っ子っ!!
村長の股間の玉をっ、叩き潰すんだっ!!
「ふっ、ふはははっ! 甘いぞ子供達よ!!」
角っ子の一撃が、村長の股間を捉え、見事に砕くかと思ったその時、村長が淡く輝いた。
「あれって……っ、スキルか!?」
防御特化スキル、『輝く身体』。
その場でポージングを行い、動かない限り、防御力を向上させると言う、ある意味でチートなスキルだ。
「「「はんそくだ──っ!?」」」
「村長……それは、大人げ無いと思う」
ミルンは諦めず、村長の股間を、ひたすら殴打しているけど……後で手を洗おうね?
◇ ◇ ◇
院長に報告を終えた、聖女リティナと、ニアノールは、自室へと戻っていた。
「ニアーっ、お茶淹れて。もうくたくたや……」
「はいはいリティナ様」
物凄い濃い数日やったと、思っとる。
というか、何やほんまに。
なんで流にーちゃんが居るだけで、色々と問題が起きんねんな……意味分からんわ。
「どうぞぉ、リティナ様」
「ありがと。ニアもゆっくりしーや。ズズッ……疲れとるやろ?」
やっぱ、ニアの茶は旨いなぁ。
疲れた体に、沁み渡るわぁ。
「そうですねぇ。それじゃあ、お言葉に甘えてぇ、失礼しますねぇ」
「何してんの……ニア?」
何で、ウチの後ろに回るん?
何で、ウチの体に抱き付くん?
「すううう──っ、はあああ──っ」
「コラッ! 何匂い嗅いどんねん!?」
「まぁまぁ、良いじゃ無いですかぁ」
「止めろってっ、まだ体洗っとらんのにっ、ウチの体汗臭いやろ!?」
「すううう──っ、カっ!!」
ニアの顔がクワッて、何しとんねんっ、やっぱり臭いやんけ!!
尻尾を体に絡めんな!
体を擦り付けんな!?
「やめろってっ、ほんまに怒るで!!」
「すううう──っ、カッ!!」




