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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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10話 影さんと一緒.9



 ミルンは血の繋がらない本当の家族だった。

 俺は、家族はもういないからと人生に疲れ、諦めていたが、異世界でミルンに出逢えた。


 其れは良かった。本当にミルンに会えて良かった。


 しかしだ。


 母さんは死んで異世界に転生して、俺は気付いたら森の中にいた。明らかに何か意図があって、誰かが俺達に干渉している? まあ、誰かは分かってるんだけど…あの迷惑アナウンス。


「リシュエルか…俺の家族で遊びやがって。会うことがあったら、本気で殴る。蹴るし、張っ倒すだけじゃ済まさない」


 俺は眼が涙の跡でパンパンに腫れ、鼻水を垂らしながらミルンを撫で、キリッとした顔でアイツをボコる意思を固めるがーーー


「おとうさんきたない…これでふくの!」


ーーーミルンに布切れを貰い色々格好つかないな。


「ありがとうミルン」

「どういたしまして」


 尻尾をモフモフ。

 何かミルンのおかげで元気が出て来た。

 もう大丈夫…かな。


「影さん、話してくれて有難う。お陰で一層、ミルンが可愛くて仕方がない!」


 影さんは安堵した表情で肩の力を抜きーーー

「こちらこそ辛い話をした様で、申し訳ございません流さん」

ーーー微笑みを浮かべ謝って来た。


 んっ? そう言えば…こっちでの母さんの旦那って、元王子様なんだよな…元王子様?


「影さん、こっちの母さんの旦那って元王子様なんだよな?」


「はい、現在の女王の兄君にあたります」


 あっ…と言う事は。

 俺はミルンを撫でながらモフモフしながら、嫌な事に気付いてしまった。


「ルシィの姪がミルンか!?」

「はい、ですのでその事も含め女王に報告せねばなりません」


 本気かーミルンさんや、貴女さまは王族の血の一族で御座います事よおほほほ。


「ミルン、何かミルンは偉い人みたいだぞ?」

「えらいひと?」

 

 まあ、何の事か分からないわな。

 さて、じゃあどうしたものか。

 まずは、影さんのお願いであるここのケモ耳っ子達を何とかする…かな!


「なあ影さん、女王に今の話を報告するついでで良いからさ、今から俺が言う事も伝えてよ」


 先ずは、女王を使ってみますかね。


「畏まりました。まあ、私が伝えなくともそこに居る影、が今の話の内容を隠さず伝えるでしょう」


 影…? 影さんは貴女だろ?


「出て来なさい、影」


 影さんがそう言うと、一瞬にして俺の背後に影さんが現れた!?


 うわっ!? どこから現れたの! あと、いつからいたの? ねえ、いつからいたの? 無言!? 恐いんですけど!?


「お久しぶりです影」

「お久しぶりです影。衰えていない様で安心しました」

「いえ、ここ十年と少しで衰えて、もう貴女には敵いませんよ影」

「謙遜しなくても、貴女は影の中でも歴代の力持つ影ではありませんか」

「変わりませんね影は」

「そちらこそ影も」 

「「ふふふふふ」」


 ねぇ、影さん達や、貴女達は皆んな影って呼び合ってるの分かり難くないの!?


 とりあえず院長は影さん。それで、俺をストーキングしてたのは、影さん(二号)とでも命名しようそうしよう。じゃないと影影影影とどっちが喋っているの? 分からないよ口調も声色も同じだし!?


 双子なのかと思いながら、俺はある事を影さん(二号)に伝えた。


「それでは今の話、女王陛下へ」(影さん)

「承った。影、また近いうちに」(影さん二号)


 これで良し。

 そう言って普通に扉から出て行くのかよ!?

 こうっ現れた時みたく一瞬で消えた!

 みたいな事少し楽しみにしてたのに。


 あ…あー疲れた。

 ミルンも眠たそうだし。

 尻尾もへにゃって下がってる。

 影さん、話終わりなら少し休むよ。


「そうして頂けると有り難いです。今日はここでゆっくりして下さい。子供達も、喜ぶでしょうから」


 そう言って、影さんは出て行った。


 よし、起きるんだミルン! 外で遊ぼう!

 ミルンの尻尾が元気になった。

 

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