表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/416

10話 影さんと一緒.3


 12/4 加筆修正致しました。



 皆さま、こんにちは。

 今回も、当物件を案内させて頂くのは私、小々波、流に御座います。何卒最後まで、お付き合い頂きます様、お願い申し上げます。

 

 先ずはこちらっ、見てくださいこの立地。

 辺りの道には、大量のゴミが散乱し、腐臭漂うこの香り。鼻に臭いがこびり付き、鼻うがいをしても取れませんっ。

 勿論っ、ご近所付き合いも問題無し!

 全裸で寝て居る方や、ゴミを漁る方が、常に貴方の側で、見守って居ります!

 何か起きたとしても、セキュリティが全力疾走して来ますので、安心安全!

 尻を守って、走って下さい!

 皆んなで逃げれば、生存確率が上がります!


 さあさあっ、見えてまいりました……当物件の目玉っ、有刺鉄線で御座います!

 これ以上先へは進ませまいとする、この有刺鉄線が有れば、常人は道を変え、関わりを持とうとは、思わない事でしょう。


 先に進みますと、見えて来ました!

 頑強な、鉄の扉に御座います!

 両端には、守衛の様な姿をした若者が、眼を光らせており、ボスがいる事間違いなし!



「さあ皆様っ、逃げる御準備をっ!!」



「なあ……流にーちゃんは、何しとんのや?」

「おとうさんは、ときどきこうなる!」

「気持ち悪いですねぇ」

「流君、着いた様だぞ」


 おっと、意識が遥か彼方へと旅立っていた様だな、危ない危ない。


「おうっ! リスタ、アジュ、聖女様が帰って来たでっ! 早よぉ扉開けんかいな!」


 リティナが馬車から降りて、扉の両端に立っている若者向かって、大股で歩いて行く。

 アレが、聖女な訳無いって。どう見ても……ただのチンピラじゃん。


「リティナさんや……レディースなのか?」


『あいっ、何するんやボケェ!?』

『お前なぁ! 何心配かけてんだ馬鹿が!!』


 リティナの頭に、拳骨落とされたぞ?

 リスタって呼ばれてた奴が、リティナに見事な脳天クラッシュをして、アジュと呼ばれた若者が、凄い剣幕で、リティナを説教してる。

 

「長い説教だなぁ……いつ迄待てば、良いんだろうか……こっちに来たな」


「すみません、家族がご迷惑をお掛けしたようで。僕はリスタと申します。直ぐ開けますので、暫くお待ち下さい」


「あっ、ああ……」


 凄い良い感じの、好青年じゃん。

 リティナに拳骨落としてたけど、家族……にしては、似て無いんだよな。

 

「よぉっ! アンタが魔王様って奴か。リティナが迷惑かけて、すまねぇな! 俺はアジュって者だ! 宜しくな!」


 こっちも、口調は荒いが、礼儀がしっかりしていて、中々好感が持てる。

 リティナの方を見ると、とぼとぼとこっちに戻って来てるけど、この差は何なんだ?


「何や……ウチ今疲れとんねん」


「残念聖女とは、大違いだな」


「何がやねん!?」


 リスタとアジュは、笑いながら扉を開け、俺達はそのまま、中へと入って行った。

 そして俺は、この世の天国を知る。

 俺にとっての、天国とは何か。

 ミルンの様な天使のケモ耳が、沢山居る場所が、俺にとっての天国だ。


「なんっ……だとっ!?」


 馬車から降りたミルンが、俺の身体をよじ登り、この場所は私の場所だと言わんばかりに、鼻息を荒くする。 


「おなかまいっぱい!!」


 そう、今俺の目の前には、天使達が沢山。


 犬耳猫耳何の耳。

 尻尾がふりふり遊んでる。

 角っ子羽っ子獣っ子。

 皆んなキャッキャと遊んでる。

 一人止まってこっちを見たら。

 皆んな止まってこっちを見たよ。

 お目々が爛々輝いて、皆んなが走ってこっちに来るよ。

 俺は両手を大きく広げ、さあっ、この胸に飛び込んでおいでと、合図は完璧。

 俺の横を素通りしたよ。

 そしてリティナにタックルだ──っ!


「「「リティナお姉ちゃ──んっ!」」」

「ぐぇっ!? やめいチビ共っ!」


 広げた両手をそのままに、俺は全力地団駄踏んで、心の奥から叫びを上げるね。



「何故だああああああああああああああああああああああああああ────っ!!」


 

 ケモ耳っ子達に、もみくちゃにされるリティナを見て、俺は……血の涙を流した。


「おとうさんにはっ、ミルンがいる!」


「そうだね……ミルンだけだよ」

 

「流君っ、君に恐怖を感じたぞ」

「怖いですぅ」


 村長とニアノールさんが、俺の叫びを聞いて、ドン引きしてるけど、気にしない。

 仕方無いだろ。

 ケモ耳天使の、集団なんだから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ