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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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9話 真紅の瞳の享楽の女王.8



 女王、ルルシアヌ・ジィル・ジアストールのおかげで何とか無事、ミルンと合流できたよ! あざっーすっと全裸を見せつけていたら粗末な物を隠せ、と言われたよ…粗末って。

 

 女王ルルシアヌ…なんか面倒臭いので言われた通りのルシィで良いか。


 ルシィの命令で、門兵詰所から新品の服を貰い、ちゃんと粗末では無い物を隠してミルンを肩車っと。


「やっぱりここがおちつく」

 

 尻尾を俺の背中に擦り付け、頭をヘッドロックッと言わんばかりに締め付けるミルンさんや頭が割れそうですよーいと遊んでいたらルシィが門兵達に何か言って近づいて来る。


 因みに影さんとやらはいつの間にか居らず、替わりに文官っぽい人が側にいた。


「それでは魔王殿、このまま一度王城に来て貰い、話をしたいと思うておるのじゃが?」


 いや、文官っぽい人がこっちを見て首が千切れそうな程左右に振っているけど。


 見てる分には面白いな…首振り。


「待てや女王! 先約はこっちや。魔王のにーちゃんには先ずこっちの用事をすませて貰わなあかん!」


 聖女が女王へ突っかかるって大丈夫か? まあ、聖女に連れられて来た訳だから言ってる事は合ってはいるが。


「なあ、ルシィ陛下。俺はこの聖女、リティナ・オルカスに連れられてここに来たんだ。アンタの呼び出しには応じるけど、先に聖女の用件を済ましてからでも良いか?」


 女王をルシィ呼びした事に文官っぽい人が目を細め、右手を挙げそして。


「やめよ大臣。そう呼べと儂が命じたのじゃから手を出せば儂が貴様の首を落とさねばならぬ」


 何か知らない内に地雷踏んだ?

 でも、何か、門兵もそうだけど、この大臣?文官?も…女王もなんか…見てて苛々する。 


 何、人を見下しているんだコイツ等。


「何しようとしたのか分からないけど、友好的じゃないのは理解した。分かった。無理だ。からルシィ、今決めた。やっぱり王城には行かない」

 

「貴様っ陛下に向かって呼び捨てでっ」


「やめよと儂は言うたぞ大臣。して、何故かの魔王殿?」


 女王の顔から先程までの笑みが消えている。

 まあ、良いかな言っちゃって。

 もう王都到着してからストレスフルだぜ!


「一つ、来て早々に訳の分からない事で拘束された。」


 まあこれは俺にも責任あるのかな?


「一つ、拘束された上で拷問されそうになり、逃げ出そうとしたら焼かれて全裸になった事」


 赤ジャージ燃やしやがって。


「一つ、あろうことか罪が無いのにミルンや他の奴らも捕らえて拷問にかけようとした事」


 あいつまだ生きてるよ糞っ。


「これが最後な。女王ルルシアヌ・ジィル・ジアストール陛下。アンタがコイツ等、門兵の親玉だ。トップであり、リーダーだ。じゃあ何でこの門兵達に謝らせない。俺にじゃあ無い。真心の水晶とやらで透明イコール何もしてないと判断されたにも関わらず、聖女や、ニアノールさんや、村長やミルンを恐がらせて。あと、あの俺が落とした門兵な、ミルンの事を獣族だから生きてるだけで罪だってよははははははははははははははははははははははははははっそんな奴等の親玉が、誰に、王城に来て貰い話をだ?」


 あーもうミルンが肩に乗ってるのに。


「寝言は寝て言え糞餓鬼がぁあああ!! 先ずはミルンに御免なさいだろこの馬鹿者共がぁああああああああああああ!!」


 ミルンを見下し、蔑み、傷つける奴等が、俺は堪らなく許せない。そんな国の王を、俺は堪らなく許せない。 


 また…あの時の…怒りがぁあああ!!


 俺は一歩、踏み出そうと。


「おとうさん」


 ミルンの手が、俺の頭を撫でている。

 怒りが…ゆっくりと治っていく。


「じょおうさま、ないている」


 えっ?


 大臣は腰を抜かし怯え、門兵達は数人、気を失っており、目の前の女王は…。


「わたくしだってっ…どうにかしようと…頑張ってっ…おりますのっ…にっひどりでっ獣っ族もわたっ…わたくしっ頑張ってっミルっンだってっ目がっおにぃっ…ひっくっ…」


 一人称儂じゃないのかよ!?

 あっうずくまった。

 女王の三角座り。

 あの腰に手を当てて偉そうに言って来た女王が。


「良い歳した大人が、泣いたらそれで済むと思うなよルシィ陛下様」


 俺は伝える言葉は捻じ曲げない。

 泣き声が更に酷くなったな。


「なぁ、魔王のにーちゃん、流石に若い子に言い過ぎやで」

 

 女王と言い合っていた癖に、聖女が嗜めて来た。


「十八歳で女王やっとるんや、もう堪忍したってや」


 えっ…本当に糞餓鬼だったの!?


「流君…言い過ぎだぞ」


 村長が俺の背中を軽く叩く。


「流さんっ…恐いですよ」


 ニアノールさんに至っては気絶している門兵を盾にしてこっちを見ているし。


 仕方ない…ここは大人の対応で。


「さっさとミルンに謝れ糞餓鬼がぁあああ!!」


 俺は女王に追撃を入れた。

 


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