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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女の居る世界

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11話 お偉い人には徹底的に.2


 2026/06/28 改稿



 騎士達を横目に、ミルンの後を付いて行くと、お疲れ顔の村長と、やさぐれ顔のリティナ、周囲を警戒するニアノールさんがいた。


「おーい三人共、一日ぶりっと言う事で、リティナさんや。俺の火傷を治してくれ」


「戻って来て言う言葉が、それかいな……っ、えっぐい火傷やん。腕の欠損とは違うて、パッとは治せへんで」


「言ってる事、可笑しくね?」


 腕の欠損はパッと治せるのに、火傷を治すのに時間がかかるとか、意味不明なんですけど。


「まったく……無事でなによりであるが、心配をかけさせるのではないぞ」


「何だ村長、心配してくれてたのか?」


「当たり前であろう。ミルン君がいつ暴れるものかと、心配しておったわ」


 俺の心配ではなくて、ミルンが勝手に暴れないかと、心配していた訳か……何それ?


「ほれっ、早よ背中こっち向けーや。えらい時間使うてもうたから、早よしたいねん」


「どういう事?」


「後で説明したるわ。ほらっ、背中向けって」


 意味が分からないままに、リティナに背中を向けると、「痛っ……」普通に火傷に触れてきて、激痛が襲ってきています。


「……泣いて良い?」


「こん程度、我慢せいっちゅーねん」


 無茶を言う聖女様だよ……涙が出ちゃう。


「んで、何でさっきから、村長とニアノールさんは、跪いているんだ? 腰痛か?」


「流君……頼むから、言葉は選びたまえ。陛下の御前なのであるぞっ」


「流さぁん。ヘラクレス様とは違ってぇ、私はまだぁ、そんな歳ではないですよぅ」


 だったらどうして、自称女王と宣うエロい姉ちゃんに、跪いているのだろうか。

 そしてなんで、このエロい姉ちゃんは、ミルンを抱いたまま、放さないのだろうか。


「おいあんた、ミルンが嫌がってるだろ。良い加減に、ミルンから放れろよ」


「ミルンは嫌がってないよ?」


「貴様……嘘を申すでないわ。金眼の犬人なぞ、初めて見るのでのぅ。少しばかり、愛でておるだけなのじゃ」


 あのミルンが、初見の奴を嫌がらないなんて、中々珍しい光景だな……それはそれとして、俺が嫌だから、離れて欲しい。


「ミルンさんや、お父さんの所においでーっ」


「はーいっ」


「えっ、ちょっ、待つのじゃっ!?」


 止めようとする女の手を、スパンッと叩いて、そのままミルンは、俺の胸の中へスッポリと、収まりました。


「ぬっ、ぐっ……儂は女王なのにっ」


「はいはい、女王様ねぇ。ワロスワロス」


「貴様っ……儂を馬鹿にしておるな?」


「馬鹿になんてしてないぞ。揶揄ってるだけだ」


 馬鹿にする気なら、煽りに煽って踏ん付けて、徹底的に心を折りにいくからな。そんでしっかりと、その後に揶揄う。


「ふっ、不敬ではあるが、今は不問としてやろう。事情も聞きたいしのぅ」


 女の視線が、俺の背中を治療中の、聖女リティナに向いているが、そのリティナはお澄まし顔のまま、無視をかましている。


「貴様に言うておるのじゃぞ、リティナや」


「……ほいっ、治療終わったで。火傷の痕も残っとらんけど、痛みは少し続くやろうから、あまり無茶な動きはすんなや」


「もう終わったのかよ。確かに……少し痛みはあるけども、さっきよりかはマシだな。あんがとさん、リティナ」


 リティナは徹底して、女を無視するようだ。


「ほな行こか。こないなとこで、時間食うとは思てへんかったから、早よ行かな」


「待て聖女……儂は事情を聞きたいと、申したぞ。このまま行かせると思うか?」


「チッ、うっさいなぁ。そんなんやから、十八にもなって、婚約者もおらんねんで? 事情ぐらい、あっちの兵士にでも聞きーや」


「儂は敢えて、婚約をしておぬだけじゃっ! 良いからさっさと説明せいっ! なぜ"ラクレル村に居る筈"の此奴が、ここに居るのじゃ!」


 俺を指差すなんて、失礼な女だなぁ。こいつはアレか、人に指を差す事が、失礼な事だと教わらなかった、類の奴か?


「んなもん、見れば分かるやろ。ウチが所用で連れて来ただけや。あんたには関係ないで」


「きっ、貴様……ここまでの事をしておいて、儂に関係がないと申すかっ!」


「当たり前やん。こん門の兵士な、赤やから言うて、流にーちゃんを捕まえて、ウチにまで剣を向けたんやで。自業自得やろ」


 リティナに剣を向けた? ここの兵士が? まあ、ここの兵士なら、やりそうな事ではあるけど、やけにこの二人、仲が良いな。


「なあリティナ。その女って、友達なのか?」


「誰がこんボケと友達やねんゴラァっ!」


「貴様っ、不敬罪で処罰してやろうかあっ!」


 二人して、俺を詰めてきます。タイミングもバッチリだし、やっぱり友達じゃん。勿論、悪い意味での友達。


「んしょっ、んしょっ、ここが落ち着くっ」


「ミルンセットオン! 合体完了っ!」


「お父さんが変になった!?」


「うん、何かね、あの二人は睨み合ってるし、村長は空気だし、ニアノールさんはナイフを研いでるから、頭がバグっただけだよ?」


 王都に来て早々、意味不明な事が起き過ぎて、一周回って頭がパンクしました。

 おっさんの脳内キャパ、舐めんなよ。

 もうずっと、容量不足なんだよ。


「……もう、面倒臭いなぁ。おいリティナ、さっさと用件済ませて、王都観光させろっての」


「っ、分かっとるわ、そない睨むなや。という事やから、ウチらは行くで、女、王、様っ」


「貴様らっ……ふぅぅぅ。せめて、どこに行くのかだけでも教えんか。儂も、そこの魔王に、用があるでの」


 女王が俺に、何の用だよ。正直言うと、ミルンがこの場に居なかったら、女王とやらを撃詰めして、ガチで泣かしているぞ。

 兵士の手綱も握れず、ミルンを殺そうとした奴らの、親玉なんだからな……今からでも、一発ぐらい殴っておこうか。


「ウチんとこや。ここまで言えば分かるやろ」


「……チッ、彼奴の所か。ならば、あの影に後を付けさせるぞ」


「そん程度構わんわ」


 話が終わったっぽいな。それなら試しに、女王とやらに聞いてみるか。


「なあ、女王様」


「何じゃ、魔王」


「取り敢えず、一発殴って良いか?」


「なぜじゃっ!?」



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