9話 真紅の瞳の享楽の女王.7
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俺は門兵の馬鹿の尻穴を破壊。
門兵の馬鹿は、そのまま城壁から転げ落ち、この必殺、全力悶絶尻穴殺しを、後世の世に、残す事が出来た。
『バガルドおおおおおお──っ!!』
『貴様っ、卑怯な!』
『こいつを殺せえええ──っ!』
「かかって来いやあああ──ぶっ!?」
それを見た他の門兵達に、フルボッコされ、顔面がタコ焼きになったんだけどね。
この感じは違うか。
何パンマンになったんだけどね。
んで、そのまま門兵達に引き摺られて、門兵詰所に到着しました。
「みぶん、ばびぼうぶが?」
「おとうさんのおかお、ゴブになってる!?」
ミルンさん、それは酷いよ。
間違い無く、ゴブリンより酷いお顔になってるから、ゴブリンに失礼だろ?
そんな俺の姿を見て、ミルンが尻尾を逆立てたと思ったら、視界から消えた。
「おまえらのタマっ、ぜんぶひっこぬく!!」
それは、ほんの一瞬の出来事だった。
メキィッッッ────『えぶっ!?』
グチィッッッ────『あひゅっ!?』
ブチィッッッ────『ひぎゅっっっ』
俺の周りに居た門兵達が、次々と泡を吹きながら、股間を押さえて倒れて行く。
ミルンの手には……見事な片玉。
ミルンさんや、殺人拳の使い手なのかね? そんなモノ、汚いからポイして欲しいな。
そのままミルンは、次の獲物に狙いを定め、抜き手を放つが、『影、止めよ』エロい女の一言で現れた、黒外套に、ミルンはそのまま、捕えられてしまった。
「みぶんっ!」
「大丈夫じゃ、危害は加えぬ」
男か女かも分からない黒外套は、激怒ミルンの頭を優しく撫でており、危害は加え無いんだろうけど……マジで巫山戯んなよ。
ミルンを撫でるのは、俺の特権だ!!
「ルルシアヌ・ジィル・ジアストール。何でアンタが、ここにおるんや……」
あの聖女らしからぬ聖女が、真剣な顔をしながら、まともに口を開いた?
いつも喧嘩腰なのに、なんでやねん。
「聖女、リティナ•オルカスか。久しいの……院長は息災か? いや、彼奴は、病気になる様な者では、無かったのぅ」
どうやら、この派手な女と、何ちゃって聖女は、知り合いの様だな。
「ぼびばべず……ぶばぶばべべばい……」
取り敢えず、影さんとやら、ミルンを離してあげてねと言いたいのに、顔がタコ焼きのお陰で、喋れないんですけど。
「……魔王のにーちゃん、顔こっち向けぇ」
「ぼん? ばんばぜいじょ」
そう言われたので、聖女の方へ顔を向けた。
向けた瞬間、聖女の平手が鼻をヒュンッと擦め、せっかく止まっていた鼻血が、また飛び散ったんですけど!?
「っ、危ないだろ!?」
「チッ、避けたら完治せえへんやろ!」
「何が完治っ……んっ?」
普通に喋れるぞ?
顔をぺたぺた触っても、タコ焼きの感じがせずに、多少痛みが有る程度。
「これ……どゆ事?」
「ウチに感謝せーよ」
「感謝? 意味分からん……」
意味は分からないけど、これでちゃんと目が見えるし、状況確認が出来るな。
あそこの筋肉村長と、ニアノールさんまでも跪いて、全く動かない。
勿論、他の門兵達も跪いたままだ。
その頭を下げた先に居る女。
「なあ、そこの派手なエロい姉ちゃん。あんたは一体、何なんだ?」
「ボソッ(儂に対してっ、エロ……)」
俺の問いに、周りの空気が変わる。
門兵達から、凄い殺気を感じるぞ。
村長も変に汗をかいてるし、ニアノールさんは何故か、俺に合掌してる……何で?
そう言えば、城壁の上に居た時、門兵達が何か言ってた様な……陛下?
「なあ、そこの派手なエロい姉ちゃん。エロい姉ちゃんは、女王様なのか?」
「ボソッ(またエロと言いよるのかっ……)」
「どうした? 鳩が豆鉄砲を食ったよう顔して」
「貴様……名を何と言う?」
何だよこの、エロい姉ちゃん。
物凄く上から目線で、腕を組み、胸を強調させながらって、礼儀知らずかよ。
「人に名前を尋ねるのなら、先ずは自分から名乗れ。親に教わらなかったのか?」
「……えっ?」
エロい姉ちゃんの目が、点になってるぞ。
それでもエロいんだから、不思議だ。
「ボソッ(流君……)」
「村長? 何で声が小さいんだ?」
「ボソッ(そのお方は、この国の女王で有らせられる、ルルシアヌ・ジィル・ジアストール陛下その人であるぞっ)」
「んっ? やっぱり女王様なのか」
この派手で、エロい姉ちゃんが、この国の女王様……夜の蝶的な人じゃ無くて?
「なあ、エロい姉ちゃん。あんた、この国の女王様なのか? 夜の蝶じゃ無くて?」
「くっ……くははっ、ぷぷぷっ、くっくっくはーはっはっはっ!!」
何か急に笑い出した。
ただのヤベェ姉ちゃんなのか?
「はーっ、すまぬすまぬ。夜の蝶とやらは知らぬが、その様な雑な態度は、初めてであるぞ」
「そりゃどうも」
「貴様の言う通り、先に名乗らせて貰おう」
「聞いてないけどな」
「我が名は、ルルシアヌ・ジィル・ジアストール。このジアストール王国の、女王である」
ただのエロい姉ちゃんじゃ無くて、やっぱり女王様だったのか。
「ルシィと、気安く呼んでくれて構わぬぞ? 宜しくな魔王殿」
見る者全てを魅了する、真紅に染まった眼。
流れるような睫毛に、細い顔立ち。
長い銀髪を纏め上げ、腰に手を当て、長く引き締まった脚を見せつけて来る。
「……どう見ても、ただのエロい姉ちゃんだろ。そんな事より、ミルンを返してくれ」
「返す前に、魔王殿……その粗末な物を、隠せ」
「そまっ……」
俺はそっと、両手で股間を隠しました。
粗末ってっ言ったよね?
このまま全力で、追いかけてやろうかな。




