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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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9話 真紅の瞳の享楽の女王.6


 11/30 加筆修正致しました。



『おと──さああああああ──ん!!』


 俺は、門兵達に追われてる最中、何処からか聞こえて来た、ふわふわ天使の尻尾を持つ、ミルンの声に反応した。


「っ、何処から……左斜め下後方!!」


 直ぐにミルンの姿を確認。

 俺とは違って、無事な様だ。万が一ミルンまで捕まって居たなら、ラクレル村宜しく、ここの城壁内の奴等を、殲滅してたぞ。


『詰所に居るものおおお──っ! そこの獣族を捕らえろおおおおおお──っ!!』


 背後から追って来ていた門兵が、馬鹿でかい声で、ヤバい事を指示しやがった。

 俺だけじゃ無くて、ミルン達にまで敵意を向けてっ、何考えてやがる!?


「っ、ミルン逃げろおおおおおお──っ!!」


 どうやらあの場所は、門兵の詰所の様だ。

 門兵共がわらわらと……聖女やニアノールさん、村長も一緒になって出て来たな。

 ミルンを守る様に動いてるけど、囲まれてるし、臨戦態勢じゃん。


「あの数の門兵っ、三人じゃ突破は無理だろ」


『ふはははっ、おい変質者! 早急に牢に戻らねば、下の者達にも、たっぷりと事情を聞かねばならぬが……』


「はぁ? 何言ってやがる……」


『まあ……あそこの、貴様を呼んだ獣族は、どちらにせよ同罪だ』


 コイツ、頭沸いてんのか?

 誰が同罪だって?


『いや……アレは、穢らわしい獣であったな。貴様より念入りにっ、より詳しくっ、罪を問う必要があるぞ……くひっ』


 獣って……ミルン?

 

「おい待て……ミルンは関係ないだろ! あの石も透明だった!」


『いやいや、貴様は人種、あれは獣だ。なればこそっ、奴は生きているだけで罪だろう?』


「本気で言ってんのか……」


『本気だとも! 真心の水晶だろうと、間違える事はあるのだよ。そうだな……先ずはあの、穢らわしい耳と尻尾を、切り落とす。人種の姿として────』


 ああ……コイツの話を聞いていると、マジでキレそうになるんだけど。

 俺は少し、楽しみにしていた。

 野営地で聞いた話と、全然違うじゃん。

 女王とやらが獣族好きで、しっかりと保護されてんじゃ、無いのか。

 

「どこが……っ」


『何か言ったか、この変質者めっ!』


「黙れよこの糞共がっ……」


『この私にっ、糞だと……』


 俺はステータスと念じ、確認する。

 この称号……半魔王。


====================


・半魔王(ぎりせ〜ふ〜ふふふ)

 基本魔法制御解放

 心の揺らぎにより範囲威力増減の効果を抑制 

 特定の魔物好感度上昇

 レベルアップ時INT成長を妨害


====================


 謂わゆる"心のぶれ"が、意味の分からない魔法や、巫山戯た威力を出せた理由。

 それなら、今はどうなのか。

 制御解放。それが文字通りの効果なら、"魔法を使い放題"と、言う事じゃ無いのか。


 魔法はイメージが大事。

 今までに実際、使って来たから良く分かる。

 この効果が、どれ程のモンなのか分からないが、あの魔法で有れば、イメージは容易い。


「糞に糞と言って何が悪い……俺はな、ミルンのお父さんなんだよ。お前らがっ、ミルンに少しでも傷をつけようとするなら……」


『はっ、穢れた獣の父とのたまうか! ならば即座にっ、その首刎ねてやるわ!!』


 意識を集中しろ。

 お手本は、さっきこの身に受けただろ!!


「ミルンの為ならなぁ……魔王にでも何でもっ、成ってやるわ糞がああああああ──っ!! 焼き尽くせっ、豪──」

『そこまでじゃああああああ────っ!!』


 魔法を発動しようとした瞬間、門兵とは比較にならないほどの声量で、俺の動きが止まる。


『貴様の連れは無事じゃ! ゆっくりとそのまま、降りて来るがよい!!』

 

 俺は、憤怒の形相で、前の門兵を牽制しつつ、ゆっくり下を見た。

 門兵達が、一人残らず跪いている? 


「あの女……今の声は、あいつか?」


 その女性は、ミルンを背中から抱き抱えるようにしながら、こっちを見て微笑んだ。


『へっ、陛下!?』

『何故こちらにっ!!』


 近くに居る門兵達から、驚きの言葉が発せられているが、コイツらは馬鹿だろう。

 陛下陛下と……陛下?


「ボソッ(今はそれよりもっ、アイツだっ……)」


 ミルンを傷付けようとした、門兵馬鹿の背後に忍び寄り、未だ視線を下に向けている、その立派な尻穴目掛け、人差し指をぶっ刺した。


「お前は死んどけやゴラアアアアアアッ!!」


 必殺、全力悶絶尻穴殺し!!

 ボズッッッ────『……あっ!? あああああああおおおおおおおおっ……あっ』

 

 城壁の上から、下を見ていたからね。

 そんな場所で暴れたら、足を踏み外すに、決まってるじゃん。

 さらば糞野郎。

 お前の事は、直ぐ忘れよう。


『嫌あああぁぁぁぁぁぁ────』


 さて、下に行くか。

 門兵達に、囲まれながらな。



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