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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
33/317

9話 真紅の瞳の享楽の女王.4


 明日、貴様のスキルを鑑定してもらう。

 その後なら幾らでも水を飲むと良い。


 流石に…逃げないとなぁ。

 門兵のおっさんの言葉が頭から離れず、悶々としつつも夜を迎えて物凄く焦ってますはい。

 

 幸い門兵は鉄格子の外で見張っているし。

 まずは枷を外さない事には動けん。


「ははっチート様々じゃん」


 俺は持っている。ぶっちゃけコレだけで一生暮らして行ける最高のチートを! 但しあの赤くなる石が有る場所には一生入れないし一生お尋ね者だけどね!


 俺の物と認識すれば良いだけ…俺の物と認識すれば良いだけ…良し鍵は俺の物、鍵は俺の物 鍵は俺の物、鍵は俺の物、鍵は俺の物、鍵は俺の物、鍵は俺の物、鍵は俺の物、鍵は俺の物。鍵は俺の物。


「全ての鍵は俺の物ぉおおお!!」

 

 さあチートだこの野郎っ空間収納!!

 

「ふぅ、入ってるかな? 入っているよな? 入って無いと困るぞ…どうだ?」 


 ステータスの一覧っと。

 

 空間収納スキル半径二十メートルの鍵。

 そりゃあ、鉄格子の鍵だけじゃないわな。


 (一覧)

 ハイオークの魔石

 ミルンの尻尾の毛玉

 ミルンの耳毛

 ミルンの髪の毛

 肉屋の在庫▼

 花屋の在庫▼

 農作物▼

 資材▼

 汚れた村人A装備セット

 流のリュック▼

 門兵Aの家の鍵

 門兵Bの家の鍵

 門兵Cの家の鍵

 門兵Dの家の鍵

 門兵Eの家の鍵

 門兵Fの家の鍵

 門兵Gの家の鍵

 門兵Hの家の鍵

 門兵Dの不倫相手の家の鍵

 門兵Fの不倫相手の家の鍵

 門兵Hの不倫相手の家の鍵

 門兵Eの貞操帯の鍵

 隊長室の扉の鍵

 門兵詰所の鍵

 門兵女性用詰所の鍵

 手錠の鍵×二十五錠

 手枷の鍵×十二錠

 牢屋の鍵A

 牢屋の鍵B

 牢屋の鍵C

 牢屋の鍵D

 牢屋の鍵E

 牢屋の鍵F

 通路の鍵

 

 …見てはいけない物だ。

 門兵D、F、Hっお前ら妻帯者でしかも不倫してるってマジで巫山戯んなよ俺なんて…俺なんて…まだ手も繋いだ事無いのに!?


 いつか必ず奥さん探してちくってやる。

 あと門兵Eさん絶対女の子だよねマジで御免よいつか必ず返すからね。


「とりあえず直ぐ近くには八人居るのか」


 後ろ手に手枷の鍵を取って…腕捻らにゃ…痛いっめっさ痛い手首死ぬる死ぬるってぇーとっ届くかなぁっ…鉄格子外の門兵おっさんは…寝てるのかよ!?


「あー腕ヤバいわ」


 枷を外して…腕をぐるぐるよしっ!


 抜き足、差し足、忍び足。

 そーとっカチリッと鉄格子の鍵も開けてそーとっ門兵のおっさんの顔を見つつの…T字路。


 両側に扉がある。

 あれ? 俺どっちから来たんだっけ…?

 こっちかなぁ…鍵を開けて…またT字路。

 じゃあ次こっちかなぁ…鍵を開けて…また。

 じゃあ次こそこっちかなぁ…アレ合わない、じゃあこの鍵かなぁと…開けませう…おじゃましますぅ?


「えっ?」

「はっ?」


 目の前には貞操帯を必死で外そうとしている太腿全開の多少筋肉が見え隠れしているが健康的な御御足でこれはこれで有りと言える尚且つ身体のラインとそのバランスが絶妙にマッチしており暗がりでも分かる活発的なその顔立ちとの相性は抜群でありこれはもう。


「きゃぁああああああああああああ!?」

「ご馳走様でしたぁあああああああ!?」


 ヤバいっヤバいってー!

 俺はすかさず扉を閉めて逆ダッシュ!!

 こっちか!? こっちかな!? だぁああああああああ広いんだよ無駄に!! 直ぐ近くで門兵達の声がする!? 目の前に階段!? 上るか、違う道を行くかーどうするよっ俺どーするよっ!?


「いたぞ!」

「逃すな!」

「俺達の好一点を泣かしやがって、殺す!」


 ヤバい階段上るしか無い!?

 一人だけ殺るき全開かよ!?


「目の前の敵を焼き尽くせ!」


 えっ…マジで殺す気…。


「豪炎よ!!」


 ヤバいこっちも魔法をっ間に合わない!?

 俺は咄嗟に空間収納から出して投げつける。

 愛用の、もう二度と手に入らないかもしれない特に大事でも無いリュックをーーーその中身はーーー


 バシュッウウウウウウウウウ!!


ーーー炭酸飲料とカップ麺!!


 目の前で破裂した炭酸を全身に浴びて火を防ぎつつカップ麺…カップ麺! くそっカップ麺食べてないんだぞぉおおお!?


 全力で階段を駆け上がる。


 熱っ糞っ火が残って!?

 階段を上りつつ赤ジャージを脱ぎ、勿論下も脱ぐと同時に下着も脱げ、光が差し込むその先へ。


「すげぇ高いんだけど!?」


 脚がすくみ、俺の睾丸が縮こまる。

 後ろから足音が近づいて来る。

 大きく息を吸い。


「まっ行くしか無いかなぁああああああ!!」


            ※


空が視界を覆い尽くし、照りつける陽の温かみを全身で浴びつつ石畳の上を走り続ける。


「フッフッフッハーッフッフッフッハーッ」


 ただ前を見ながら脚を上げ、腕を振り。


「フッフッフッハーッフッフッフッハーッ」


 ただ眼前に続く細道を、後ろを気にせず。


「フッフッフッハーッフッフッフッははっ」


 高低差約三十メートルの城壁の上を。


「待てっぇえええ!!」

「止まれえええ!」

「騎士団に連絡しろぉお!?」

「くそっ何で追いつけないっ!?」


 風を切り走っていた。


「「「待てぇえええ!変質者ぁあああ!!」」」


 産まれた時の姿で…笑いながら。


「待てと言われたら全力疾走だ馬鹿共がぁああああはっはっはっ!フッフッフっッハッ!!」


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