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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界
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7話 魔王?違いますニートです.3


 光を失ったおっさん共を村長が引き摺りながら、俺は聖女の元へ向かっていた。


 そしてミルンは引き摺られてるおっさん共から剥取った装備を身に付け、尻尾をご機嫌に振りながらいつもの定位置である俺の肩に乗っている。


「それで、その聖女様って何処にいるんだ。失礼だけどこの村に偉い奴が泊まれる場所なんて無いはずだろ?」


 俺だって幽霊屋敷で寝泊まりしてるんだぜ。

 無料だけどな!


「其れならば問題は無いよ流くん! 聖女様は護衛付きの馬車で泊まられるとの事だからね!」


 ほぅ、流石聖女と呼ばれる程の人柄だ。

 俺の勝手な想像だと、大体この手の人間は高飛車、傲慢、偏屈と三拍子揃ったオホホわたくしナイフとフォークより重たい物を持った事が有りませんのーとか、言う事を聞かないと死刑よ死刑とか、イケメンフェイスにコロッとなびいて他の人見捨てたりとかする最悪な奴だったら嫌だなぁ。


「流さん見て見てーぴかぴかー」


 ミルンは腕に着けている剥取り品を付け替えながら遊んでいる可愛い俺も遊びたい。


「ほら、流くんあそこだ」


 村長が指差した場所。

 確かに馬はいるな馬馬…馬?

 異世界の馬って脚が六脚あるのなぁスゲェかっこいい!


「お肉!」


 待てミルンさんやあのお馬さん達はお肉じゃ無いよと言うかお馬さんこっち見て一歩下がったよ御免ね繋がれてるから逃げられないもんねあぁ暴れ出した。


「馬しかいないけど?」

「繋がれた先を見たまえ!」


 繋がれた先…先…先?


「なぁ村長」

「どうした流くん?」 

 

「これを馬車とは言わない」


 コンテナハウスって言うんだよ?


             ※


「あぅどうしたのっ!?」


 お馬さんが暴れた事に気付いて誰か出て来たよ。


「よーしよし、どうしたのこんなに震えて」


 ブルゥブルゥッと鳴くお馬さんを優しく撫でてあやすその女の子。


「あれ? ヘラクレス様じゃないですかー」


 俺は…その姿に眼が釘付けになった。


 こちらに気付きトコトコと近づいてくるその姿はフリフリのメイド服に身を包み青ずんだサラサラの髪の毛を肩まで短く揃え頭からピョコッと言わんばかりにでている三角に尖った両耳が辺りを伺うようにピクピク揺れておりメイド服が其れ合うような使用にされたのか細くて長い尻尾があとから着いてくるかのように揺れるその姿はまるで天から与えたもうた人類の至宝。


 胸元に左手を当てて片膝を付き、右手の手のひらを上にしたたまま前にだす。


「貴女が、聖女様ですね」


 俺の瞳から涙が止めど無く溢れて来た。


「ヒィッ!?」

 その子は何故か、腰を抜かして後退りをしている。

「流さん!?」

 ミルンが俺の背中に強めに尻尾を当ててきた気持ちいい。

 

 その後、村長の拳骨とミルンの後頭部ナックルを受け、俺は我にかえった。


 少し時間を置きご挨拶。


「彼女は聖女付きのメイド兼護衛をしている」


 メイド服のスカートの両端を指で摘み軽く持ち上げ流れる動きで頭をさげる。


「初めまして、私は、ニアノールと申します。先に言われ通り、聖女様のお付きをさせて頂いております。宜しくお願い致します」


 笑顔が可愛い。

 ニアノールさんだねハァハァ。


「ヒィッ!?」


「流くん!」

「流さん!」


 二人にまた怒られた。


「でっでは、こちらで…お待ちください」


 急いで何処かへ行っちゃった…ネコ耳。


 コンテナの中に入ると成程、太めの仕切り板を立てて壁を作り、それを組み合わせて各用途に合わせた部屋として使っているのか。


 ふむふむと考えるがぶっちゃけ何も考えていないミルンとニアノールさんの事だけで頭がいっぱい心がいっぱい。


「どうしたのだ流くんは」


 村長が凄く心配してくる。


「流れさんは私と初めてあったときも身体を弄ってきて喜んでいた」


 ちょっとミルンさんや其れ違う!?

 ミルンさんの爆弾発言に村長は真面目な顔をして俺の腕を捻り潰す様な力で掴みーーー


「流くん。頼むから、頼むから聖女様に失礼の無い様にだけ頼む!!」


ーーー凄い念押しをしてきた。


 俺がいつ誰に失礼を働いたと言うのか。


「お待たせ致しました、此方へどうぞ」


 ニアノールさんの案内で、ドアの前に立つ。

コンッコンッ

 ドアをノックして返事を待ソワソワ。


「どうぞ」


 少女の様な声が聞こえた。

 さぁさぁ聖女様とご対面だ。


 ゆっくりとドアを開きー目の前にはー。


 頭がデカく。

 プギィ(片目ウインク)


 顔もデカい。

 プギィプギィ(片脚立ち)


 身体は丸身を帯びており。

 プギィプギャ(腹肉掴みブルブル)


 腕はミルンの大きさで。

 プギプギ(力こぶ)


 度デカい椅子に座りつつ。

 プギィィィ(大股)


 鼻息荒くその姿。

 プギィ(腕を上げ)


 忘れはしない夢の中。

 プギィ(マッスルポーズ)


「もう嫌ぁあああああああああああああ!?」

 プギィィイイイイプギャァグロオ!?


 俺は意識を失った。



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