表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/407

間話 ジアストール王国の小さな悪魔.2


 11/10 加筆修正致しました。



 今日は何だか慌ただしい。

 朝早くに叩き起こされる事無く、皆んなゆっくりと、寝る事が出来た。

 だってもう、朝日が昇ってるよ?

 折檻されない?


 そう思っていたら、監督が来た。

 何かいつもと、様子が違う。


『お前ら! 少しでも良いから汚れを落とせ!』


 私達が汚いと?

 あそこの井戸で、毎日尻尾の手入れしてますが、それでも汚いと?


 監督さん大正解! 

 超汚いです。

 ボロ布でいくらお手入れしても、埃まみれの垢まみれで、フケがこんなに沢山。


 全員で拭きあいました。

 焼け石に水だろうけど。


 そして私達は、いつもの様に穴の中へ行き、いつもの様に、岩と格闘。

 また汚れてるんですけど?

 えっ……監督は馬鹿?

 

『おいお前らっ! 集まれ!』


 急に監督が現れ、濁声で叫んで来た。

 心を読まれた?

 馬鹿なのに?


『お前らぁ! 集まって"飯"だ!』


 監督のその言葉に、皆んなが一斉に、ツルハシを振る手を止め、首を傾げる。

 監督の言葉が、頭に入らないのだ。

 だって、ご飯で集まるなんて、今まで一回も無かったのに……なんで?

 

『早くしろ!』

 

 その濁声に怯え、しぶしぶ一人、また一人と、休憩所と言う名の、監督の私室へと入って行った。


 するとそこには────今迄に見た事が無い、豪華な料理の数々と、ぴかぴか光る宝飾を身に付けた、笑みを浮かべる男の子が、立っていた。


『取り敢えず、これで全部でさぁ、旦那』


 監督が下手に出ている。

 珍しいと言うか、下っ端感が凄い。


 その下っ端を従えている、男の子。

 何と言うのか……ぴかぴか?

 ぴかぴかの金髪で、ぴかぴかの宝飾も付けてて、全体的に眩しい。

 しかも、顔は男の子なのに、背が高い。

 王子様?

 似た様な姿が、昔の私の記憶に有るなぁ。


 男の子が、一歩前に出て来た。


『初めましてだね。僕はゼイルノース。ゼイルノース・ゲイ・ジアストール。この国で、王太子と呼ばれている者だ』

 

 やっぱり王子様だった。

 正直眩しいので、宝飾取ってくれない?

 私達は、貴方を見るよりも、そこの湯気全開なお料理に目を向けたいの。

 小さい子達の目が、ヤバいでしょ?

 お預けするなら、喰われちゃうよ?


『……そうだね、食べ終わってから話そうか。デル、良いだろう』


 デル? 誰?

 反応したのは……監督?

 名前がデル。何がデル。腹がデル?

 初めて監督の名前聞いたよ。


『分かりやした。お前らっ! 有難く頂け! 食って良しっ!』


 その監督の号令で、私達の戦が始まった。


『私の肉だ離せえええっ!』

『痛っ、誰よ! 尻尾引っ張んな!!』

『この野郎っ、尻から食ってろ!』

『あんっ? テメェは雑草でも食ってろよ!』

『皆んな落ち着いてっ、ぶふっ!?』

『ウチュのよにく……』

『どうぞぉ、美味しいですよぉ』


 誰か飛んで行った?

 私はこうして、確保済みです。

 喧騒を見ながら、モゴモゴ、食べてると、モゴモゴ、お祭りを思い出すなぁ。


『隣、良いかな?』


 モゴモゴと食べていたら、ぴかびか王子様が寄って来た。

 何か距離近いな、この王子様。

 勝手にどうぞと、私は頷いた。


 私の隣に座ったぴかぴか王子様は。目の前の喧騒を眺めて直ぐ、こっちに目を移す。

 私の身体を、上から下まで、舐め回す様に見た後、お尻辺りでその目が止まる。


 こいつ、変態?

 そう思っていたら、私の尻尾目掛けて、手を伸ばして来た。


 パシッ────尻尾を鞭の様にして弾く。


 あっ、また手を伸ばして来た。


 パシッ────尻尾を鞭の様にして弾く。


『……少しだけ、触らせては貰えないだろうか』


 今度はお願いをしてきた。

 私は今食べてるの、モゴモゴモゴ。

 そう易々と、触らせる訳が無い。


『私の尻尾を触って良いのは、ここに居る家族だけ。見ず知らずの貴方には、絶対に触らせないからモゴモゴ』


『そうか……失礼な事をした。許してくれ』

 

 そう言って、離れていった。

 やっぱり変態?

 王子様に対して、言い方不味かったかな?


『おい! 百五十二番、こっちに来い!!』


 おっと、監督がお呼びだ。



 

 監督の後を延々と、洞窟の奥に進んで行く。

 お喋りな監督が、何も声を発さない。

 不気味だなぁ。

 そう思いながらも、歩いていたら、洞窟をくり抜いた様な部屋に到着した。

 何故かそこには、錆び付いた檻が有る。


 疑問に思ったその時────急に監督が振り返り、私の体が浮き上がった。

 私の目に映ったのは、ツルハシを振り抜いた、監督の姿。


 お腹が熱い。

 痛い以上に、熱い。


『このっ穢れたっ! 醜いっ! 化物が!』


 倒れ込む私のお腹に、まるで傷口をえぐるかの様に、ツルハシを打ち付けてくる。


『旦那のっ! 命令をっ! 無視しやがって!』


 さっき食べたモノが、口から溢れ出てきた。

 胃酸の嫌な臭いが、鼻を刺激する。


『俺のっ! 出世にっ! 響くだろぅが!!』


 監督は、血走った眼を向けて来る。

 髪を掴まれ、引き摺られていき、そのまま檻の中へ投げ込まれた。


『お前はそこで、大人しくしてろ!』


 監督が声を上げて、戻って行く。

 その後ろ姿が見えなくなり、足音が聞こえなくなって直ぐ、お腹の傷を確認。


 結構抉れて、若干アレが見えた。

 冷や汗で体を濡らしながら、集中する。


 痛みで、直ぐにでも泣き出したい。

 泣いてしまったら、あの監督が戻って来て、更に酷い状態に成るだろう。

 それに、泣いたら傷の処置が出来ない。


 私は、痛みを堪えて唱える。


『癒しよ司る、大いなる風にっ、乞い願う』


 負けてたまるかっ、負けてたまるかっ。


『願くばっ、御御力の一端で、矮小なるこの身をっ、御助け下さい……』


 でも痛いし熱いっ、あと一声っ!!


『ヒーリングウインドッ』


 獣族は、魔法を使えない。

 但し、私はそれに当てはまらない。


 転生者特典かな?

 ぶっちゃけ、コレ使えなかったら私、既に死んでますからね?


 何で使い方知ってんのって?

 私だって知らないわ!

 何となーく使ったらっ、適当に使えた! 以上!!


『あーっ、お腹空いたぁ』


 食べたモノ、全部ゲロっぱ。

 お腹の中はが、空っぽですからね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ