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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
一章 異世界とはケモ耳幼女が居る世界

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12/417

5話 異世界の現実.3


 11/9 加筆修正!!




 脚がぷるぷる、腰がズキズキ。

 あれだけ反復横跳びしたらね、三十半ばのおっさんには、キツいのよ。

 特に、ニートで籠ってた、腹ぷよ中年には、アレは駄目だって。

 しかもここ最近、ランニングマンしてたし。


「筋肉痛、明日、明後日、明明後日。爆弾抱えて、眠気と戦う……行くか」


 普段であれば、二度寝三度寝は当たり前の、生活だったのになぁ。

 朝のウォーキングの時間です!

 異世界で歩きましょう!

 さっきまで、反復横跳びしてましたよ?


「あぁ……ビールが飲みたい」


 村の中央に行く為、獣道を進む。

 とりあえず、あの村長に家に行って、何か食い物恵んで貰おう。

 何をするにしても、先ずは腹ごしらえだ。


 そう思い、村の出入り口を横切ろうとした時、何やら塀の外から、村長と村人達の、物騒な声が聞こえてきた。


『追い詰めろー!』

『遠くから弓隊で縫い止めろ、戦士隊は包囲にて逃げ場を与えるなー!』

『冒険者は隙を見て、奴を仕留めろ!』

 

 さすが異世界。弓隊、戦士隊、冒険者と、正にファンタジーな世界だな。


「魔物でも、追いかけてるのかね……」


 君子、危うきに、近寄らず。

 そそくさと、その場から離れた行った。

 豚野郎だったら、怖いからな。


「村長は外か……取り敢えず行って、村長の帰りを、待つとしましょうかね」




 村長の家の前に来た。

 居ないのは分かってるんだけど、ここは礼儀として、ちゃんとやろう。


 コンコンッ────「おじゃましまーす」


 普通に入れたぞ?

 鍵掛けてないって、不用心だなぁ。


「まぁ、入るんだけどね……」

『※ただの泥棒です。止めましょう』


 何か今……変なノイズが……良いか。

 さてと、優雅に朝のモーニングタイムだ。


「どれどれ」

『※ガチの泥棒です。止めましょう』


 良い茶葉っぽいのがあるな。

 ここの戸棚はっ、異世界のパン!

 それじゃあ、これをテーブルに並べてっと。


「頂きます! ムグムグ……うまぁい!」

『※不法侵入、窃盗、器物破損の罪に、問われる可能性が有ります』


 また何かノイズ?

 頭にモヤがかかった様な……んっ?


「お帰り村長。これ、貰ってるぞ」


「おはよう流くん。不法侵入と言う言葉を、君は知っているかね?」


「不法侵入? この俺が? ははは、ナイスジョークだな村長」


「君は何を言っておる?」


「昨日村長に聞いたじゃん。ご飯食いに行っても良いかって。そしたら村長、オーケー♪って言ったから、こうして来たのに」


「オーケー♪何ぞ言うものか!?」


 うん言ってないな。

 そんな筋肉で、可愛らしくオーケー♪何て言われ日には、その瞬間に殴る。

 しかし、ここは折れる訳にはいかない。


「確かに言った」


「いや、私は言っておらぬ!」


「言ったぞ村長!」


 一切の曇りも無い綺麗な眼で、村長の顔を堂々と見詰める。

 死んだ魚の眼だからこそ、眼を大きく見開けば、輝いている様に見えるのさ。


「言った事忘れたのか村長?」


 相手に考える隙を与えるな。


「どうやら村長様は、記憶力が、乏しい様でいらっしゃる。脳味噌も筋肉じゃないのか?」


 先ずは煽って、相手を怒らせろ。


「それともナニか。俺に飢えて死ねと? 昨日は牢屋に繋がれてて、何も食べてないのに?」


 怒らせた先に、俺の勝利がある!


「村長は、俺に死ねと言うのか? 死ねと言う気か? あと、俺のリュッー鞄返して?」


 うんうん、村長の笑顔がピクついてる。


「ふむっ、先ずは鞄を返そう。ご飯も構わん。後で仕事を紹介するから、取り敢えず、その顔を止めてくれぬだろうかっ」


 おっと、煽りフェイスになっていた様だ。

 反省反省パン美味ぇ。




 そして次の日。


「流くん。昨日あの後紹介した仕事は……どうしたのかね?」


 勝手知ったる村長宅のモーニングを、優雅に堪能しながら、しっかり答える。


「畑作業の邪魔になるって、その場でクビになった。少し寝てただけなのに……酷くない!」


 また次の日も。


「流くん。村の外の見回りは、どうしたかね?」


 勝手知ったる村長宅モーニングを、静かに堪能しながら、間違い無く答える。


「武器なんて持った事が無いので、こんなん使えないと伝えたら、呆れられてクビになった」


 そのまた次の日も。


「流君っ! 村の子供達にっ、変な事を教えないでくれたまえ!」


 勝手知ったる村長宅モーニングを、自然な動作で堪能しながら、普通に答える。


「聞かれたから答えた。村長は優しい、モンスター(魔物)だよって」


 少し、楽しかった。いや、楽しかったんだ。

 異世界に、俺は浮かれていた。


            


 今日も今日とて、村長宅へ飯をたかりに行きましょう! と、鼻歌を口ずさみながら、村の中を歩く。


『おーい、にいちゃん! これ、村長のとこ持って行きな!』


 肉屋のおっちゃんから、すんごい大きいブロック肉を持たされる。


『流にいちゃーん今日も遊ぼー』

『今日も働いてねーの!』

『やーい! 駄目にんげーん!』


 はいはい朝飯食べた後で遊ぼうなーっと。

 他の二人は拳骨だな。

 村の子供達に手を振り合図する。


『お仕事見つかるといいわねぇ』


「お構い無くっ!!」


 花屋のお母さんから、嫌味を言われる。


「ここ数日で、そこそこ顔が知られたなぁ。人畜無害なニートですからね!」


 そう自分を、納得させながら歩いていると、村に設置している櫓がある方角から、鐘の音が響いてきた。


────カンカンカンッ!!


────カンカンカンッ!!


 初めて聴くこの音を、疑問に思っていると、背後から声をかけられた。


『おい、にいちゃん。あの鐘が鳴ったら、討伐完了しましたって合図だな!』


「討伐完了? あの豚野郎か?」


『見に行きゃ分かるよ! 今日は店閉めて、おいらも行かねえとな!』


 肉屋のおっちゃんだった。


 そう言えば、ここに来てから、豚野郎以外の魔物を見たことが無い。

 少し興味が沸いたので、鐘を鳴らしたであろう櫓へ、のんびりと足を進めた。


 先へ進むと人だかり。


「多いな。村の人全員、集まってんのか?」


 中央にはお立ち台で、その上に村長の姿があり、声高らかにあげ、叫んでいた。


『村人達よ! 今日この時っ、ラクレル村に迫る脅威をっ、取り除く事が出来た!』


『いいぞー!』

『流石はヘラクレス様だ!』

『さっさと殺せーっ!』


 周りの村人達の熱狂ぶりが怖い。

 そんなにヤバい魔物だったのか?


『この魔物! 数年前よりっ、この地に現れっ、我々の暮らしをっ、悉く脅かして来た!』


「どんな魔物だ……」


 凄く気になるな。

 俺は、魔物見たさに、村人達の間を通りぬける。


『見よ!この醜い姿を! 我らの神々を冒涜し! 貶め! 踏み躙るこの魔物を!』


 ようやくっ、人混みをっ、突破!!

 ふぅ……膝に手を当て、一息一息。


『私は!! この様な獣共をっ、この世界から根絶する事をっ、皆に誓う!!』


 よいしょっと!

 どんな魔物さんなのかね。

 そう思い、前を向き目を見開く。


「────はっ?」


『良いぞーっ!』

『穢らわしい獣は殺せーっ!』

『皮を剥いで晒し首にしろーっ!!』

『殺せーっ!!』


 村人達の、歓喜の声が、頭に響く。

 意味が……分からない。

 どうして?

 

「……ミルン?」

 

 お立ち台のすぐ下で、犬耳幼女"ミルン"が、血溜まりの中、倒れていた。

 



 流のクソさは修正してませんw

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― 新着の感想 ―
主人公が余りにもクソ過ぎるので読む気が失せた。
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