2話 この子誰の子元気な子.2
うっ…んっ…熱い。
何だこの熱さ…汗が止まらないし…朝か?
「むぅうううんっ、ハッ!!」
何か聴こえる…まだ眠いのに…熱いな。
「ぬぅうううんっ、ハッ!!」
何だ…? 何をしている? 熱いな。
ゆっくりまぶたを開けると。
「ぬっ? おはよう流君!! ハッ!!」
狭いテントの中で半裸の村長が汗で身体を光らせ、マッスルポーズしながらー
「いやぁあああ!? 変態よぉおおおおお!!」
ー白い歯をみせて挨拶してきたよ熱い訳だ。
「変態では無いぞ!! 朝から失礼な事を言わないでくれたまえ!!」
お前だよ村長、なんで朝っぱらからこの狭いテント内で半裸になってムキムキマッスルしてるんだよいい迷惑だ早く外へ行け。
「外でやっていたらドゥシャ殿に、眼の毒なのでテント内でお願い致しますと言われたのだ! 仕方あるまい!!」
じゃあ一人の時にして下さい暑苦しいんだよあとやるならせめて服を着ろよ村長アンタ騎士様だろ? 変態騎士ってアダ名広めるぞ。
「それは勘弁してくれ! 分かった、流君が居ない時にでも汗を流すとしようではないか!!」
初めからそうしろよ…脳内筋肉め。
※
「おとうさん、おはよう!」
テントを出ると其処には犬耳天使ミルンが走りながら俺に向かって来たのですかさず脇の下に手を入れ持ち上げて一気に肩車セットオン!
「おはようミルン、今日も可愛いぞ」
ミルンは今何が起きたのか分からず走って来たままの可愛い顔で首を傾げたが、いつの間にか肩車されている事にびっくりして尻尾を背中に叩きつけてくるよ良いマッサージだぁ。
「おとうさんのうごきがみえなかった!?」
それはそうだろう。
だって時を止めたからな! 嘘です条件反射と言うか自然に身体が動いてミルンを肩にセットしたんです俺もびっくりだよ。
「きょうはなにするの?」
そうだなぁ、家建てる為の杭打ちの続きに石壁の出来具合を見てから、ケモ耳男女の毛並み具合の確認と、ケモ耳っ子達とお遊びかな。
「じゃあみんなとあそんでます!」
そう言って肩から降りていっちゃった…ミルン待ってくれ俺を一人にしないでくれー!!
「どうした流君? そんな所で固まって」
村長が服を着てテントから出て来たよ煩いなぁ、俺は悲しみがいっぱいで働く意欲が無くなって来たよ元から無いけど。
早く杭打ち終わらせて…ミルンと遊ぼう。
「何かは知らんが元気を出して頑張りたまえ!」
言われなくてもやりますよ! …はぁ。