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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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1話 やらかし男の後始末.4



 ミルンの頑張りでロールキャベツ百個出来上がりましたよ食べきれるかなと思ってましたが無くなりました。はい、ケモ耳子達が見事食べきりましたとも。


 皆んな満足そうだな。

 ミルンもお腹が丸いというかスイカみたいになってるぞ大丈夫か?


「うっうごけない…おとうさんたすけて」


 食べる量を考えなさいなミルンさんや。

 また抱っこ? 良し。

 腰を回してストレッチしたらせーの! 

 ふん!! 重く無いよっ!! 軽いよっ!!


 一歩一歩踏み締めてドゥシャさんがどうやってか用意した二階の寝室にあるベットまでっ…もう少しだっ! どぉりゃぁあああ!!


「わぷっ」


 ミルンをベットに放り投げ顔面から突っ込んだけど大丈夫。ふかふかベットさんがありますからね! あー、腕死ぬかと思った。


「ふがふがっ…スゥ…スゥ」


 えっ、寝るの早く無いかミルン。

 本当に寝てる…もう夕方だし、お腹いっぱいになったからかな、俺も眠いぞ。


「ふぁあああふ、俺もちょっとだけ寝ようかね」


 ミルンに毛布を掛け、俺はその隣で横になって直ぐ抗いがたい睡魔が襲い夢の中へと沈んでいった。


            ※


 なんか凄い夢を見た気がする。

 ミルンが俺に、朝だよ! お兄ちゃん! と妹キャラになって俺を起こした夢だ。なかなかにリアルだったが、確かに犬耳妹ミルンでも俺は踊り狂って喜ぶとは思うが夢の話なので現実では無い。


 だって腹ダイブで起こされて、お兄ちゃんおはよう! ってどんなギャルゲーだよ。最高に良い夢だったけどね!!


 そんな日々がゆっくりと過ぎて行き、王都から職人や移住希望者を連れてリスタとアジュが帰ってきたよ移住希望者ですか? 外で待ってる? 分かった行くぞ、村長連れてな。


 移住希望者は主に王都で奴隷として扱われていた獣族達で、女王ルシィの鶴の一声で解放されついでにラクレル村へ連れて行く様にと命令されたそうだ。その際、村が文字通り灰燼ときしたと報告したようだが、ならば尚更新しく村を作れるから良いでは無いかと笑っていたらしい。


「ルシィの奴、押し付けやがったな」


 俺の目の前には獣族達が並んで立っており不安そうにこっちを見てくる。


 成人男性三十人、成人女性百人、子供が五十人と女性の割合多いけど…成程、そう言う事ね。


 男性は皆痩せてはいるが逞しく、肉体労働をさせられていたと。女性は、あまり考えたく無いが美人揃いだからなぁ、俺を見て何かソワソワと目線を逸らしてる。子供達は俺に肩車されているミルンを見て寝転がり、腹を見せたり伏せたりして何か服従の姿勢してるよミルンさん睨まないであげてね。


「遅くなりました流さん、ヘラクレス様」

「戻ったぜ兄ちゃん、ヘラクレス様!」


 有難うなリスタ、アジュ。

 そんで、こっちの人達が建築担当の親方と、食料を運び商いをする商人さんに、新しくギルドを立ち上げる為に来たネリアニスさんだな。んっ? ネリアニスさん?


「王都の副ギルドマスターがどうして来たの?」


 ミルンの尻尾が揺れる度ネリアニスさんの目がそれを追いかけているよ大丈夫か?


「ラクレル村が一から造られると聞き及び、その新しく造られる村の冒険者ギルドマスターとして派遣されてまいりました。お久しぶりです流さん、ミルンさん。宜しくお願い致しますわ」


 我慢できず俺の肩からミルンを取り上げて撫で回しはじめたよネリアニスさん…ミルンも嫌がって無いし寧ろ気持ち良さそうにしている。


「おうっ! 儂が建築担当するバリアスじゃ! 宜しくの騎士殿!」

「私は王都御用商人のネガリと申します。本当に更地が拡がっておりますねここは。お金の匂いが漂って来ますな、おっほっほ」


 親方と商人は村長に挨拶しているな。

 村長も流石の筋肉だ、礼儀正しく応対しているよ俺には無理だな。


 そんな事を考えてたら移住希望者の中から一人、白い翼を持った女性が俺の方へと歩いて来た。コルルと同じ種族かな?


「あのぉ、貴方様は…魔王様ですか?」

 

 急に何を言い出すんだこの姉ちゃん、俺が魔王な訳無いでしょう。


「俺は魔王じゃないぞ? なぜそんな事聞くんだ?」


 そう言うと白い翼を持った女性が俺をまじまじと見て来て…この感じどっかであった様な。


「ひっ、申し訳ございません! でもぉ…貴方様の称号が…そのぉ」

 

 不味い!? 鑑定持ちじゃんこの姉ちゃん!


 それが聴こえていたのだろう。

 震え怯える者、恍惚とした表情の者、眼を輝かせ希望に満ち溢れた顔をする者、移住希望者全員が俺に伏したよ不味いって。


 そして、俺の前まで来ていた白い翼を持った女性がゆっくりと膝を着き頭を下げこう言った。


「魔王様、どうか我等に…安住の地を」


 離れた場所で影さんが頭を抱え、ドゥシャさんは何事かと向かって来て、村長と親方、商人は呆然と見ており、ネリアニスさんはミルンの尻尾に夢中で状況に気付かず、俺は青く澄み渡る空を見上げ、ただ一言。


「働きたく無い…」



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