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成人の儀

遠くから見えていた教会に、ようやく辿り着いた。

ただ大きいだけではない。


白く滑らかな壁面は継ぎ目がほとんどなく、まるで一枚の巨大な石から削り出したように見える。

高く伸びた塔の先端は空へ突き刺さるように聳え、その中央には巨大な鐘が備え付けられていた。

その姿を見上げていると、思わず圧倒されてしまう。


僕は圧倒されながら教会の中に入る


「あの、成人の儀をしに来ました。」


声を掛けると、眼鏡を掛けた神官姿の初老の男性がこちらへやって来た。男性に案内され、教会の奥へと歩いていく。やがて、一枚の扉の前で足を止めた。

男性が扉を三度叩く。


「コンコンコン」


扉の外で女性の声が聞こえた。


「はい、何か御用ですか」


「成人の儀で参られたそうで」


「分かりました、準備をしますのでお待ちを」


しばらくすると、再び扉の向こうから女性の声がした。


「どうぞ、お入りください」


そこで、僕は言葉を失った。

目の前に立っていたのは、僕より遥かに背の高い女性だった。

並んで立つと、胸元がちょうど僕の頭の高さにある。そして何より目を引いたのは、その髪だった。床につきそうなほど長い白髪。白いまつ毛も長く、その姿はどこか神秘的だった。

白いローブを纏った姿は、教会に相応しい清らかな雰囲気を感じさせる。


けれど、ローブ越しには僅かに腹部の丸みが浮かんでいる。神々しい姿とはいえ、確かな肉体を持った一人の女性なのだと感じた。


その姿に目を奪われていると、女性が声を掛けてきた。

「どうかなさいました。」


その声で、僕は正気に戻った。


「その、僕達成人の儀をしにきました」


「では、こちらへ」


そこには、地面に魔法陣が書かれていて、その周囲には、等間隔に蝋燭が並べられている。

僕には何が行われるのか、さっぱり分からない。


僕は魔法陣を見つめながら、息を呑んだ。

女性に促され魔法陣の中央に僕とリアは並ぶ


「では、両膝を立て目を閉じて祈って下さい」


僕は言われた通りに、目を閉じた。


歩く音が聞こえる。


そこで、意識が途切れた。




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