13話「装備購入×黒竜と海神」
世界一の武器屋、ヘイストアーセナル
二人が購入する装備とは…
サイロは震えていた。
恐怖、驚愕。自分の気持ちに整理がつかない。
いや――どれも違う。
これは、歓喜だ。
汗が頬を伝う。
熱い。だが、それすら心地いい。
不思議と口角が上がる。抑えきれない。
「まさか生きてるうちに、この目で拝めるとはよぉ」
サイロの目が、職人の目をしている。
獲物を見つけた獣のような、純粋で、狂気じみた光。
視線は自然と爆炎装甲を見ていた。
逸らせない。逸らす理由がない。
そう。誇らしいのだ。
【クラスSS】――公式記録では。
歴史上見つかったのは、一本。
胸の奥で、何かが弾ける。
心臓が、強く打つ。
握る拳に、力が入る。
指が軋む。
今日、歴史的瞬間に立ち会えたこと――
まさに武器職人としての、誉れだ。
「っておい!サイロー!どうなんだよ!」
「あ、あぁ、このレガリアは――“B“だ」
「お!まじかよ!!」
「良いな」
両拳が空へ跳ねる。アルマ。心が躍る。
無邪気な喜び。隠しきれない高揚。
羨ましそうに見つめる。レイ。
その視線の奥に、わずかな悔しさ。
「よ、よし!とりあえず、レガリア測定はここまでで、防具の方へ案内するぞ」
アルマはレガリアを、ブレスレットに形状変化させた。
炎が収束する。熱が消える。
もう、コツを掴んだみたいだ。
サイロは、何かを隠すように。
入ってきた扉に、目線を向ける。
一瞬だけ。
ほんの一瞬だけ、警戒の色が混じる。
「良かったね兄さん」
「おう!」
――再び、鍛冶場へ戻る。
蒸し返す熱気。
肌にまとわりつく熱。
肺に入る空気すら、重い。
汗が首を伝う。
背中を流れ、服に染み込む。
職人達が、刃を打つ後方を歩いていくサイロ。
カァン、カァン――
金属音が、鼓動と重なる。
「こっちに来てくれぇ」
奥に、扉が見える。
重い。分厚い。
ただの扉じゃない。
扉には大きな、鍵穴が見える。
無骨で、しかし精密。
「ちょっと待ってくれぇ」
金属が擦れる音が、耳に入る。
ジャラ……ジャラ……
出てきたのは――
輪っかに通された、鍵の束。
束の中から、複雑な形をした鍵を鍵穴に刺す。
ガチャリ。
内部で歯車が噛み合う音。
「厳重だな、この中に武器や防具が?」
「あぁ、用心に越したことはねぇからな」
扉が開く。
ギィ……と鈍い音。
扉の先には――また、扉が現れる。
さらに重厚。さらに分厚い。
二重、三重の防壁。
かなり厳重に保管してある。それもそのはず、ヘイスト・アーセナルの武器や防具となれば、一本で五百万。
高いものともなれば、一千万を超えるのだ。
ガチャリ。
再び鍵が回る。
扉が開く。
「いらっしゃいませ!ようこそ!ヘイストアーセナルへ」
聞き心地の良い、統率された声。
空気が一変する。
仕立て係、専属の女性スタッフ達が縦に並んで、出迎えてくれる。
揃った所作。無駄のない動き。
「どんなご入用も……私たち、ヘイストレディにお任せください!」
一気に空気が変わる。
さっきまでの“戦場のような鍛冶場”とは別世界。
アルマとレイの目が見開く。
「す、すご……」
思わず、声が漏れる。
開いた先には、広々とした、四角い部屋が現れる。普通に歩いて回ってたら迷子になりそうだ。
天井が高い。空間が広い。音が響く。
広々とした室内には、台座が並べられている。
「サイロ!すげえなこれ!」
「そうだろう、俺たちは武器や防具に食わせてもらってる、武器を粗末に扱わねぇ」
台座の上には一つ一つ、丁寧に武器や防具が飾られている。
埃一つない。磨き上げられている。
鍛冶屋とは思えないほど、綺麗にされている。
武器や防具の光が反射している。
今にも動き出しそうな……そこにあるだけなのに。
圧倒的、存在感。
空気が張り詰める。
“ただの物”ではない。
「まあ、ビックリするだろうなぁ、おぃ、コイツら頼むぞ」
「承知しました、サイロ鍛治長」
アルマは、まだ動けずにいた。
目の前には武器や防具がずらりと並んでいた。
剣、槍、斧、細剣、刀、レイピア、大剣、弓矢、銃。
鋼の匂い。油の匂い。
ありとあらゆる武器が所狭しと並ぶ。
鎧、軍服、レザーメイル、シルクのローブ、獣の柄が入ったマント、布の戦闘服、甲冑。
もはや、数えるだけ無駄だ。
「うぉー!レイ!色々あるぞ!」
「うん」
とうとう、武器と防具が買える。
鼓動が早くなる。
胸が熱い。
目の前から近づいてくる。
コツッコツッ
ヒールの音。
規則正しく、静かに響く。
メイド服を纏い、黒髪を束ねた女性が現れる。
切れ長の目。冷静な視線。
「アルマ様、レイ様、本日、仕立てを担当させていただきます。イゼンといいます、よろしくお願いいたします」
イゼンは静かに、深々と頭を下げる。
「本日は、どのような装備をご所望でしょうか?」
「俺は肩から手首にかけて、レガリアが出るから……できたら肩がない防具がいいな」
「承りました」
「切れ味、動きやすいのがいい」
「承りました」
「アルマ様、レイ様ついてきてください、ご案内、致します」
先導してくれるイゼン。
ついていく二人。
コツッコツッ
ヒールの音が、室内に鳴り響く。
イゼンは振り返る。
その視線は、鋭い。
「アルマ様!こちらが防具になります!古代生物の素材を活かした物から、純度の高い鉱石から作り出した物、全て揃えております」
「おー!!」
「レイ様、こちらが“ドレス“になります!シルクを使い、肌触りは勿論のこと!フリルが人気の一品となっております。」
――ブチッ
空気が裂けた。
静かに。だが、確実に怒りが室内を満たす。
温度が一瞬で下がる。
「レ、レイ様!ど、どうされましたか!?」
取り乱すイゼン。
アルマに抑えられるレイ。
レイの目からは、怒りと殺意が迸る。
瞳が鋭く細まる。
「ま、まぁまぁ!落ち着けよ!レイ!」
――
空気が、ピリつく
ま、まさか…こんなにお綺麗なお顔立ちで…
イゼンの額に、じわりと汗が滲む。
冷や汗だ。明らかに、変なスイッチを押してしまったと悟っている。
「ゴ、ゴホン、気を取り直して……アルマ様、こちらは如何でしょうか?肩がないタイプの防具で、なんと製作者はあの、“名匠“と謳われたサイロ鍛治長です」
イゼンの指す台座には。
――ある。
存在感を放つ“何か“。
ただ置かれているだけなのに、目を奪われる。
視線が吸い寄せられる。
全てを飲み込むような、黒。
光を吸うような深い黒だ。
肩のない。
黒色の生地の防具が、ただそこに置いてある。
静かだ。だが、静かなのに威圧感がある。
普通に見れば、ただの布生地の服だ。
だが、近づくほどに違和感が膨らむ。
これは、ただの布ではない。肌が先に理解する。
しかし、目の前に立つだけで分かる、
圧。
空気が変わる。
肌の上を、何か冷たいものが這う。
ゾワッ
「イゼン……この防具、何の素材使ってんだ…」
「アルマ様、流石でございます、こちらは……ただの防具ではありません」
イゼンは、防具に視線を移しながら続ける。
声色が、ほんの少しだけ誇らしげになる。
この一品に、絶対の自信があるのだろう。
「全身の皮は、細かい鱗で覆われており、竜族の中でも最強種にして最大種、討伐難度SSSの黒竜の皮を加工して作った一品になります」
言葉の一つ一つが、重い。
最強種。最大種。討伐難度SSS。
どれを取っても、常人には縁のない領域だ。
「持ち帰ったのは、あの伝説の旅団、真実の砂時計だといわれております」
「す、すげぇ」
ゴクリ、とアルマの喉がなる。
無意識に、息が浅くなる。
「ちなみに、合わせる履き物と腰マントは、同じく黒竜の皮を加工した、竜皮繊維で編み込んでありますので…鋼鉄以上の強度を誇ります」
【黒竜装備】
黒く。荒々しい気を放つ防具上下。
紅く、染め上げられた腰マント。
まるで、黒炎と血を纏っているような色合いだ。
「じゃあ――」
「待てぇ」
サイロが真顔で、アルマを遮る。
声に、先ほどまでの柔らかさはない。
空気が、一段階沈む。
「そいつは……売れねぇ」
「は?なんでだよ!」
「竜ってのはなぁ、あまりにも強大な生き物でよぉ、死んだ後も…その怒りを素材に残すんだ」
黒竜装備を見ながら、サイロは続ける。
その目は真剣だ。冗談でも脅しでもない。
実際に何かを見てきた者の目だ。
「アルマよぉ、竜の怒りってのは滲み出て装着者をも歪ませる、だからソイツだけは、やめとけぇ」
サイロは、この真っ直ぐな瞳を持つアルマを気に入っていたのだ。
だからこそ、言う。
危険だと分かっているからこそ、止める。
「ありがとよ!でもよ……コレ作ったの、サイロなんだろ?なら、安心じゃねえか!」
サイロは一瞬、言葉を失う。
喉が詰まる。
予想外だった。
アルマは、弾けんばかりの顔で笑ったからだ。
迷いがない。
疑いもない。
ただ、信じていた。
サイロは目を見開き、柔らかく微笑む。
驚きのあとに、じわりと熱が広がる。
こんな風に、真っ直ぐ信じられることが、少しだけくすぐったい。
「わかった、わかった!好きにしな!イゼン、包んでやんなぁ」
サイロは少しだけ、嬉しそうだ。
声が、ほんの少しだけ弾んでいる。
「はっ!かしこまりました!」
「続きまして、レイ様は動きやすいものと伺っておりますので――こちらを用意しました」
蒼いマントと腰マントを羽織る装備が台座の上で輝く。
黒竜装備とは対照的だ。
静かで、澄んでいて、洗練されている。
襟の部分にも細かな刺繍が施してある。
光を受けるたびに、糸が淡く煌めく。
鎧は銅部分と肩のみとなっており、防御と軽さを兼ね備えている。
過剰ではない。
だが、必要なところはしっかり守る。
いかにもレイ向きだ。
「この鎧には神の鉱石アダンヴェルム、マントと鎧下の服には、海の古代生物、水鯨亀の体毛繊維を使用、染め上げることで、大胆にして美しい、強靭にして軽やか、を成立させた至高の一品となっております」
イゼンはマントの鮮やかな生地を手に取り、興奮気味に捲し立てる。
普段は冷静なのだろう。
だが、良い品の話になると止まらないらしい。
「製作者はサイロ鍛治長の師匠であり、かの有名な世界連合騎士団の鎧をも手掛ける“世界の神匠“エイトル様になります」
【海神装備】
淡い白銀色に輝く、銅と肩当て。
蒼に、見事な金刺繍を施したマントと服。
静かな威厳がある。
荒々しさではなく、気品で圧を放つ装備だった。
「ふーん、じゃあそれで良いよ」
「え!はや!」
「僕は防いでくれたら何でも良い、素材とか製作者に興味ない」
レイは、現実主義であった。
だが、ほんの一瞬だけ、その蒼い装備を見つめる目が柔らかくなったのを、アルマは見逃さなかった。
「そして……“切れ味“といえば、もはやコレしかありません」
武器の台座の前に立つ。
空気が、また変わる。
今度は、防具とは別の緊張。
刃物だけが持つ、鋭い存在感。
刃が少し長めの細剣。
美しい。
ただ細いだけじゃない。しなやかで、張りつめている。
空気が変わる。
触れる前から分かる。
これは、“切る”為だけに研ぎ澄まされたものだ。
鞘は白く染め上げられており、綺麗な刺繍が入っている。
上品だ。
だが、飾りではない。
刃を納める器として、異様なほど完成されている。
鞘から剣を抜くレイ。
シャリ……と、澄んだ音が鳴る。
空気が切れる。
刃を、見上げる。
目線が自然と引き寄せられる。
透き通るような白刃、光があたると鋭く光る。
白いのに、冷たい。
静かなのに、恐ろしい。
「キレイ」
レイの顔が、刃に反射する。
その横顔もまた、刃と同じように静かだった。
「コイツはなぁ、レガリアを超える剣を作るって人生を剣に捧げた、東の島国“ワドウ“の名工アメノマの作品の一本だ」
「はい、レガリアを除くのであれば、間違いなく最強と名高い武器です」
「コレにするよ」
迷いがない。
その言葉には、珍しく即断の熱があった。
【白星剣】
ヘイストに並ぶ、剣の鍛冶国家・ワドウ。
世界に数本しかないといわれる、アメノマ作品。
下位クラスのレガリアをも凌ぐといわれる。
「よっしゃ!これで全て揃ったな!」
「うん」
――お会計
イゼンが計算をしている。
古い紙に。羽ペンで数字を書いている。
ペン先が紙を走る、かすかな音。
その時間が、妙に長く感じる。
フッ
木製カウンターの上に紙が置かれる。
軽い音なのに、やけに重く響いた。
「締めて………六千五百万ガルになります」
「………は?」
沈黙。
思考が、一瞬止まる。
アルマはレイの方を振り向く。
首がぎこちなく動く。
手持ちは二千万ガルしかない。
「レ、レイ…足りるよな…?」
「無理」
即答。
容赦がない。
そして正しい。
「って!足りねぇじゃねえかよ!おい!サイロ!どうなってんだよ!」
「落ち着けアルマ、まあそりゃぁ、オメー黒竜だのアダンヴェルムだのを選べば、そうなるだろ」
「じゃあどうすんだよ……」
「ドヮハハハハハ!俺はお前らが気に入った!だから足りねぇ分の四千五百万はツケといてやる!定期的に素材をもってこい!それで差し引きだぁ!」
「ほんとかー!持ってくる!何でもいけるぜ!」
アルマの表情が、曇りから一気に晴れる。
分かりやすい。
レイはそんな兄を見て、半ば呆れ、半ば安心した。
「では、こちらへどうぞ、装着室を用意しております」
奥の方は案内される二人。
仕切られた部屋に到着する。
既に装備はそれぞれに置いてあった。
整然と。
持ち主を待っているみたいに。
サイロの野郎、ハナから足りねえの知ってて譲るつもりだったんだな。
アルマから笑みが溢れる。
胸の奥が、少しだけ熱くなる。
ボロボロに傷んだ服を見る。
先の方は糸がほつれ、ヒラヒラしている。
血のシミが、冒険の激しさを感じさせる。
ここまで一緒に戦ってきた服だ。
みすぼらしいが、嫌いじゃない。
服を脱ぐ。
手に取り見つめる、アルマ。
「プッ!よく考えたら俺もレイも…ずっとこんなボロ雑巾着てたんだな…」
新しい装備に、視線が向く。
新しい装備を、手に取る。
感じた事のない肌触り、柔らかいのにちぎれそうもない。
指先に吸い付くような感触。
しなやかだ。
なのに、芯がある。
頭から通して、着る。
肌に、黒竜の繊維が密着する。
冷たい。
だが、その冷たさがすぐに熱へ変わる。
ドクン――
まるで、噛みつかれてるみてぇだ。
首筋から背中へ、何かが這うような感覚。
生き物じみている。
でも、不思議だ。
馴染む。
拒絶じゃない。
受け入れられている。
首元から胴にかけて、肌に密着する。
漆黒の装備。
アルマの鍛えられた体のラインを形取る。
重くない。
むしろ、身体の一部みたいに自然だ。
肩から腕はないが、それで良い。
レガリアがここに装着されるからだ。
真紅の腰のマントを、革ベルトを通して固定。
色が、映える。
黒の中で、血のように鮮やかだ。
黒竜の息吹が、体に纏わりつくようだ。
静かなのに、荒々しい。
心の奥を掻き立てる。
「これなら……」
負ける気がしねぇ。
胸の奥から、妙な自信が湧いてくる。
早く遺跡に潜りたい、レガリアを呼び出して戦いたい。
アルマに不思議な高揚感が宿る。
少し危ういくらいの高揚だ。
「兄さん、まだー?」
どうやら、レイは着替え終わってたみたいだ。
扉の向こうから、落ち着いた声が飛んでくる。
扉を開ける。
レイが立っていた。
蒼いマントに身を包み、胴と肩には鎧をつけている。
白を基調とした服、襟には、美しい刺繍が入っている。
腰には白く輝く剣を携えて、レザーベルトを通した腰マントを羽織っている。
レザーの手甲、レザーブーツ。
静かで、鋭い。
まるで、物語の中の剣士みたいだった。
見違えるようだ。
「似合ってるじゃねぇか」
「兄さんこそ動きやすそう」
「いや、そこは似合ってる、だろ!」
二人はサイロとイゼンの元へ戻った。
「ほぉー、まぁちったあ様になったじゃねぇか」
「アルマ様、レイ様、お二人とも、ご立派なお姿をしております」
少し照れ臭かった。
悪い気はしない。
むしろ、くすぐったい。
それでも二人は確信する。
これで、もっと深い所まで潜れると。
ここから先に進めると。
「素材で残りの金払うまで、死ぬんじゃねぇぞ」
「たりめーだろ」
「サイロさん、何から何までありがとう」
「さぁさぁ、湿っぽいのはごめんだ!金もスッカラカンだろ!遺跡にでも行ってこい!」
目を合わせない、サイロ。
照れくさいのだろう。頬が赤く染まっている。
大男のくせに、こういうところは妙に不器用だ。
――その瞬間。
激しい炸裂音が鳴り響く。
ドオォンッッッ!
空気が、震える。
鼓膜を殴るみたいな衝撃。
床が跳ねたように感じる。
「………は?」
建物が、大きく揺れる。
棚の金具が鳴る。
天井のどこかで、金属が軋む。
建物が鉄製だからか――鼓膜が震える。
低い共鳴が、耳の奥に残る。
たまらず、耳を塞ぐ。
職人たちも手を止め、視線が一斉に入り口へ向く。
中にいる職人たちも、手を止める。
火花が止む。
鍛冶場が、初めて静まる。
閉まっている門の向こう。
音がする。
静かな、だが確実な音。
コツ……コツ……
硬い靴底が、地面を叩く。
ゆっくりだ。
なのに、妙に近く感じる。
男は門の前で、目を細めいやらしい笑みを浮かべる。
姿はまだ見えない。
だが、その気配だけで分かる。
普通じゃない。
装備を整え終わった、アルマとレイを不穏な空気が包み込む。
さっきまでの高揚が、一瞬で消える。
背筋に冷たいものが走る。
アーセナルの前に立っている男とは――
不穏な空気が確実に、ただゆっくりと…
アルマとレイを包囲していた




