9話
小部屋に繋がる最後の通路を歩いて進むが道中でスライムが現れることはなかった。
「んーん?」
小部屋ではスライムがリポップしていたのだから先にあの冒険者が通っていたとしてもスライムが現れるかと思ったがそうでもない様だ。
通路の先に小部屋が見えたのだが小部屋にはスライムが居るのが見える。
俺は小部屋の中に入った。
『スライムの群れが現れた!』
『だが奇襲を受けてしまう!!』
『スライムBから5のダメージを受けた。』
「奇襲ってなんだよ!?」
時が止まった中で声を荒げてしまう。
小部屋の中に入ったら突如左側からスライムBから体当たりを太ももに受けてしまった。
「もしかして感覚が高かったら奇襲されなかったりするのか?」
太ももから未だに痛みを感じる中で奇襲を受けた原因はなんだったのかと考えてしまう。
攻撃、防御、回避、特技、魔法、逃走と選択肢がある中でどの行動を取るのかを考えてやっぱりここは攻撃一択だ。
奇襲を仕掛けてきたスライムBを狙って俺は攻撃を行なった。
すぐ近くにいるスライムBを剣で切り裂いた。
『スライムBに16のダメージを与えた。』
『スライムBは倒れた。』
「よし倒せた。残りはアイツだけ。」
『スライムAは震えている。』
ぷるんぷるんと体を震わせているスライムAだけになった。
スライムAが震えるだけで何もしなかったのはありがたい。俺が選択肢を選べる様になった。
『スライムAに15のダメージを与えた。』
『スライムAは倒れた。』
『スライムの群れは魔石を2つ落とした。』
『スライムから6の経験値を得た。』
またレベルは上がらなかった。
「もうそろそろだと思ったんだけどなぁ。」
レベルアップしなかったのは仕方ない。
採取ポイントがあるかどうか俺は小部屋の中を確認した。
「あった。よかった。」
1つだけ採取ポイントがあった。
奇襲を受けてダメージを負ったし、あの採取ポイントで手に入った薬草を使うとしよう。
『手を使って採取しました。』
『薬草が採取できました。』
『薬草を使った。』
『HPが13回復した。』
「おし、太ももも痛くない。」
薬草で回復したこともあってすぐにでも動ける様になった俺は小部屋の通路は2つだけだからそのまま進むことにした。
「分かれ道だよ。どっちにしようか。」
左に進むことにした。
だが、左を進んで1分もせずに行き止まりになる。
「行き止まりかよ。はぁ……ん?」
ため息を吐きながら採取ポイントを探していると違和感に気付く。
なんだこれ?と行き止まりの壁の地面に近いところにある穴をしゃがんで見てみる。
『隠し部屋のボタンを見つけた。』
『ボタンを押しますか?』
「隠し部屋?そんなのがあったの初耳なんだが?」
このダンジョンは発生からそこそこ時間が経っているのに隠し部屋が発見されたなんて聞いた事がない。
俺が初めて発見したのか、それとも誰か他にも見つけている人が居て隠しているのかどちらなのだろうか。
まあどちらだとしても隠し部屋のボタンを押すかどうかだ。
隠し部屋の中にお宝があるかもしれないし、危険なモンスターがいる可能性だってある。
「やっぱりここは押すべきだよね。」
『隠し部屋のボタンが押された。』
『隠し部屋が開放されます。』
ゴゴゴゴゴゴと音を立てて隠し部屋が開かれる。
行き止まりだった通路の壁が開いて通路の先が現れる。
俺は慎重になりながらも隠し部屋に繋がるだろう通路を進んで行く。
「宝箱だ!」
通路を進んだ先の小部屋の真ん中に宝箱があった。
小部屋に入る際に警戒したがスライムは見当たらない。戦闘はなかった様だ。
『宝箱を発見した。』
『罠が仕掛けられているかもしれない。』
『調べますか?』
調べれば罠があるのかを調べられるのだろう。ステータスの能力値によって罠の有無が分かりそうだ。




