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魔物退治チーム VS 妖怪退治チーム(2)

「あの子達、ほんとに強い」


 飛鳥が両手の握り開きを繰り返しながら呟いた。まだ両手に紗良と掴みあったときの痺れが残っていた。握力60kg超の飛鳥と互角に渡り合った紗良も、握力は60kgを越えているのであろう。


「ウチ、花梨ちゃん、少し舐め取ったわ。元ヤンかも知れん」


 明奈の肩に花梨のタックルを食らった時の軽い痛みがあった。


「まともにやり合ったら、互角かそれ以上ね」


 飛鳥が正直な感想を述べた。仲間の前で強がっても意味はない。石持はメモ帳にペンを走らせる。飛鳥が胸の下で腕を組み、皆の顔をみた。


「作戦は奇をもって良しとすべし。私達は挑戦者じゃない? 私達に失うものなど、そもそも無い。そうだよね?」


 瑞鶴みつるの目がいたずらっぽく笑った。


「じゃあ、あれ、やる?」



*****



 集団戦のあとは残った騎馬同士による一騎打ちであった。西軍には紗良の騎馬が一騎のみ、腕組みをして東軍を睨んでいた。いっぽうで東軍には騎馬が6騎も残っていた。西軍が圧倒的に不利な状況といえた。


 どん


 一騎打ち開始の太鼓が鳴った。西軍からは紗良の騎馬が、東軍からも騎馬が一騎進み出て、グランド中央で接触した。両者立ち上がり4本の腕が交錯したが、すぐに紗良の右手が東軍の白ハチマキを奪い取った。


「わ〜」

「紗良ちゃん、かっこいい〜」


 グランドに全校生徒の大歓声があがった。紗良達の強さは圧倒的であった。その後も東軍の騎手から白ハチマキを奪い取るたびに、男子女子入り混じった大歓声があがった。紗良達は連続で5騎の騎馬を打ち破った。


 紗良と相手の騎手が騎乗のまま握手をすると、観衆からは割れんばかりの拍手が起こった。


 最後の一騎打ちは飛鳥達4人が相手であった。これで紗良達が勝利すれば西軍の逆転勝利である。東軍の陣地で飛鳥達4人が騎馬を組んで立ち上がった。


 紗良は自分の目を疑った。てっきり飛鳥が騎手で出てくると思っていたのだが、グランドに進み出てきたのは明奈が騎手、先頭が石持、後方が飛鳥と瑞鶴の騎馬であった。


 どん


 開始の合図の太鼓が打ち鳴らされ、最後の一騎打ちが始まった。グランドを取り囲む生徒達から溢れんばかりの大歓声が上がった。全ての声援が紗良達に向けられていた。


 両者は右側を取ろうと互いに右回りのアプローチを行い、しばらくの巴戦となったが、やがて両手が届く距離になると紗良が立ち上がった。観衆からは明奈は腰が引けているように見えた。


「いけ〜、紗良ちゃ〜ん」

「そこだ〜」


 紗良が勝利を確信したとき、紗良の視界から明奈が消えた。


 明奈は紗良の上空で倒立していた。騎馬から上空へとジャンプしたのだ。


 紗良が明奈を見失ったその一瞬で十分だった。上空で倒立した明奈が右手を伸ばして紗良の赤ハチマキをもぎ取ると、体操競技のような美しい動きで前方に回転しながら、紗良達の騎馬を飛び越えた。


 飛び越えた先には、明奈がジャンプすると同時に紗良達を両側から迂回した飛鳥と瑞鶴が既に騎馬の後部を形作っており、そこに明奈が着地した。そこに少し遅れて石持がやってきて、騎馬の先頭のポジションに収まった。


 グランド中が静まりかえった。


 明奈が笑って右手を掲げた。紗良が信じられないものを見るかのように明奈の手を見た。明奈の手には紗良の赤ハチマキが握りしめられていた。


 一人の観客から拍手が起こった。2人、3人と拍手が続いた。まばらな拍手の数は増してゆき、やがて割れんばかりの拍手がグランド中を包み込んでいった。

このお話これからどうなるんだろうと、少しでもワクワクしてもらえてたら嬉しいです。

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