VS 4つ首大蛇(1)
(愛ちゃん、こっちはエライことになってるぜ!)
ジェイソンが愛に念話を飛ばし、中庭に蛇の魔物が発生したことを伝えた。愛は念話を使えない。志津香が代わりに答えた。
(随分親しいようですけど、ジェイソンさんは愛の何なんですか!)
(え、なんで怒り口調??)
ジェイソンと志津香が念話で会話している間、3階の廊下から中庭を見下ろした4人が驚きの声を上げた。
「何あれ!」
「うわ〜、でか〜」
「私、ヘビは苦手だわ」
5人はすぐにジェイソンが潜む体育館へとやってきた。
体育館裏の中庭では、食事を終えた四ツ首大蛇がとぐろを巻いて休んでいた。
体育館の窓からあらためて観察すると、時折、頭の1つが黄色い目を開けては長い舌をチロチロと動かしたり、尻尾の先が地面を打っており、完全に眠っているわけではないのが分かった。
愛は大蛇をみているうちに、気持ちが悪くなってきた。
「どうしよう?」
「みんな、チャージあとどれくらい残ってる?」
紗良、花梨、明奈はスキルでの攻撃にチャージを使用したため、ほとんど残っていなかった。
しばらくの沈黙のあと、ジェイソンが志津香の顔をみた。
「志津香ちゃん、アキ先生と相談してみるか?」
「気安くちゃん付けはやめて下さい!」
「え、なんで? おじさん、悲しい」
悲しげなジェイソンに紗良が説明した。
「志津香はジェイソンさんに嫉妬してるんですよ。愛と仲が良さそうだから」
志津香がコホンと咳払いした。
「えー……と。アキ先生と相談ね。やってみる……」
志津香が何かに集中するように眼を閉じた。
(アキ先生、聞こえますか? こちら地球の志津香です)
(エルデリアのアキターレス。志津香、聞こえますよ)
他の5人にも念話での会話を聞くことができた。
志津香が続けた。
(ゲートを破壊してゴブリンも全て討伐したんですけど、大きな蛇の魔物が現れました)
(こちらからは見えないの。志津香の眼で鑑定眼を使ってみてもらえないかしら?)
志津香が鑑定眼を使った。
【ステータス】
名前:4つ首大蛇
種族:サーペント
職業:ー
称号:変容せしもの
レベル:1
体力:???? / ????
魔力:???? / ????
力:???
俊敏:??
装備:なし
スキル:噛みつき、魔眼、????、????
(確認できたわ。なるほどね。どうやら蛇が魔物化したようね。
実体を持った魔物だから、かなり厄介ね)
志津香が皆を代表して会話を続けた。
(アキ先生、どうやったら討伐できるのでしょうか?)
(いくつか方法はあるけれど、実体化した魔物には通常の武器も効果があるわ)
(では、警察や自衛隊の人たちにまかせますか?)
(それだと時間がかかるうえに、少なくない犠牲がでるでしょうね)
周りの人々に犠牲がでるのは避けたかった。
(他に方法はありますか?)
(あるわよ)
(それは何でしょうか?)
(この世界の神様の力を借りて大規模魔法 爆熱火炎煉獄を行使するのよ)
(メ、爆熱火炎煉獄?)
皆で顔を見合わせた。志津香が片眉をあげた。愛が顔を横に振った。
これまでアキ先生からこの世界の神様や大規模魔法という言葉を聞いたものはいなかった。
(どうやったら、その、、爆熱火炎煉獄、が使えますか?)
(志津香、あなたの持っているマジシャンズステッキを使うのよ。
まずは屋根がない開けた場所にでて、魔物に対して鑑定眼を発動させる必要があるわ。
魔法の詳細はあとで志津香に教えます)
アキ先生は皆に向かって念話を続けた。
(地球の子供たち、問題は爆熱火炎煉獄は非常に威力の大きい魔法だから、
4つ首大蛇を半径50m内に人のいない広い場所におびき出さないといけないの)
愛達5人には広い場所に心当たりがあった。
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