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VS オークキング(2)

 オークキングは前方から獰猛な砂塵が押し寄せてくるのを見た。オークキングは巨大戦斧を右手に持ち仁王立ちとなり、その周囲にはオークナイトとオーク達20匹が守りを固めていた。


 やがて砂塵が止んだ時、オークキングの前には4人の挑戦者の姿があった。


「ゔも〜〜〜〜〜」


 オークキングが咆哮し、最後の戦いが始まった。


 どすん、どすん、どすん


 オークキングが巨大戦斧を上段に構え、まっすぐに愛をめがけて突進してきた。愛は半身になり、右手のヨーヨーを正面に構え、受けて立つ構えだ。


 突進するオークキングの隣には、近侍のオークナイトが紗良をめがけて突進していた。紗良は中腰になり、右手を後ろに引き一撃必殺のカウンターに意識を集中した。


 オークキングの戦いの邪魔はさせじと、周囲をオークが取り囲めば、それに呼応して、花梨と明奈がそれぞれ右と左に分かれて愛と紗良をガードした。


 再び、2つの戦闘者達は正面からぶつかり合った。オークキングの巨大戦斧が大上段から愛に振り下ろされた。


 ズドーーン


 戦斧が大地を突き割り、のめり込み、その先数メールの大地を割った。愛は戦斧が振り下ろされる瞬間、前方上空へと駆け抜け、白銀に輝くヨーヨーをオークキングの顔面に放った。


 しかし、この巨体にして何たる反射神経、オークキングは咄嗟に首を横に傾けこれをかわした。


 ほんの刹那、愛の闘志とオークキングの怒りが空中で交錯する。


 愛はヨーヨーを手元に戻しながら、空中でトンボをきって着地した。オークキングは潔く巨大戦斧から手を離し、愛を両手につかもうとしたが、愛は低い姿勢のまま、オークキングの股下をスライディングでくぐり抜け、背後からオークキングの背中にヨーヨーを叩き込んだ。


「ゔ、ゔゔ、ゔもも〜〜〜」


 オークキングの怒りの咆哮が大地を揺るがした。オークキングは戦斧を大地から引き抜き、愛に向き直ると、頭上で巨大戦斧を回転させ始めた。回転は次第に速さを増してゆき、オークキングを中心に竜巻が生じていた。


(これは……、風魔法?)


 竜巻の勢いはすぐに頂点に達し、オークキングが咆哮した。竜巻がオークキングから放たれた。


 愛は竜巻から逃れようと左にサイドステップしたが、竜巻は方向を変え愛を追ってきた。愛はさらに左後方にステップしたが、それすら追尾して竜巻は愛に直撃した。竜巻は愛の小柄な体を振り回しながら上空に巻き上げ、そして大地に叩きつけた。


「ぐあぁっ」

「愛!」


 紗良が駆けつけようとしたが、そうはさせじとオークナイトが戦斧の連撃を紗良に叩きつけた。


「くっ」


 オークナイトが時間稼ぎの戦い方をしているのは明らかであった。花梨と明奈もオーク達に囲まれ、愛の援護に向かうことができなかった。


 オークナイトが巨大戦斧を大きく構えた。間に合わない、と誰もが思った瞬間だった。


 パァンッ!


 一発の銃声とともに、白光がオークキングの頭部を打った。


「ゔもも〜〜〜、ゔもも〜〜〜」


 オークキングが戦斧を落とし、両手で頭を押さえて呻いていた。校舎の3階の窓には白銀に輝くステッキをスナイパーライフルのように構えた志津香の姿があった。


(みんな、頑張って!)


 志津香の念話が応援の波動とともに、愛、紗良、花梨、明奈の心に届いた。愛が意識を取り戻した。


「志津香??」

(愛、オークキングが戦斧を持ち上げたよ。気をつけて!)


 志津香の緊張の波動が戦いが続いていることを教えてくれた。愛はよろめきながらも立ち上がった。愛は半身になり右手のヨーヨーを正面に構え、オークキングを睨んだ。


 巨大戦斧を拾い上げたオークキングは、再びそれを頭上で回転させ続け、竜巻を生み出した。竜巻はオークキングの咆哮とともに、愛に向かって放たれた。


「お前の技は、見切った!!」


 竜巻が放たれるやいなや、愛は自ら竜巻の中に飛び込んだ。荒れ狂う暴風に体を持っていかれる前に竜巻の中心を探し出し、身をかがめ、風の凪いだ中心から上空に飛び上がった。


 オークキングの顔のすぐ近くで目と目が合った。


「そこだあ! 爆裂ヨーヨー!!」


 白銀の輝きがオークキングの眉間に直撃した。


 愛が静かに着地し片膝をついた。


「……えんじょい」

「ゔゲボ〜ン!!」


 オークキングの頭部が爆散しながら、巨体がゆっくりと背後に倒れた。衝撃が地面を揺るがし、砂埃が舞った。


 着地した愛が周囲を見渡すと、既にオーク達との戦いは終わっていた。愛達の勝利だった。


 志津香が校舎の3階の窓から笑顔で両手を振っていた。愛が志津香に向かって声を上げた。


「志津香!! いつの間にスキルを身につけたんよ!?」

(うふふ、内緒だよ)

ここまでお読み頂き、ありがとうございます!

今回のお話、少しでも「いいな」と思ってもらえてたら嬉しいです。


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