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VS ゴブリンキング(2)

<ゴブリンリーダーを確認しました>


大きく牙を剥いたゴブリンリーダーと配下のゴブリン達10匹近い軍勢が愛と紗良に向かって突っ込んできた。


先頭を走るゴブリンリーダーが紗良に襲いかかる瞬間、紗良は深くかがみ込み、背後にいた愛の右手から爆裂ヨーヨーが放たれた。


「えんじょい!」

「ぐゲボン!」


本日最初のコーレスが決まった。


そのまま愛と紗良は背中合わせとなり、愛がゴブリン達を爆裂させ、紗良が愛の背中を守る陣形となった。


ゴブリンにとって、ヨーヨーは意外な方向から襲いかかる刺客であった。


愛の真正面にいたゴブリンがヨーヨーを顎にくらって爆散したかと思えば、次の瞬間には前列のゴブリン達の間をすり抜けたヨーヨーが、後列のゴブリンを爆砕した。


愛と紗良は背中合わせのまま、一心同体、くるりと回って前後を入れ替え、愛のヨーヨーは後方のゴブリンをも爆砕する。


命を知らぬゴブリン達は逃げるということも知らなかった。


最初にゴブリンリーダーが爆散してから10匹近くいたゴブリン達が消え去るまで、1分もたっていなかった。


「はあ、はあ、はあ。

 今日はやけに数が多くない?」


かがみ込もうとした愛を紗良が突き飛ばした。その刹那、矢唸りを立てて何かが通り過ぎた。


ゴブリンアーチャーが廊下の先から、愛を狙って矢を放っていたのだ。紗良が愛を突き飛ばしていなかったら、矢は愛の体を貫通していたかも知れなかった。


<ゴブリンアーチャーを確認しました>


「もう、もっと早く教えてよ!!」


矢の来た方向をみると、さらなる増援のゴブリン達が集結しつつあった。


「こっちも来た!」


紗良が廊下の反対方向を指さした。そこにもゴブリン達が数匹あつまり、こちらをうかがっていた。こういう場合の戦闘のセオリーを愛も紗良もエルデリアで学んでいた。


「各個撃破!」

「あるのみ、やね」

「どっちに行く?」

「アーチャーが危険だね」


そうと決まれば、二人の動きは早かった。


愛を先頭にして、ゴブリンアーチャーを擁したゴブリンの一団にむかって駆け出した。


次々と必殺の威力を込めた矢が飛来したが、愛はその全てを冷静かつ確実にヨーヨーで弾き飛ばした。


愛と紗良はゴブリン達の集団に殴り込み、乱戦が始まった。乱戦のなかでは弓矢は無用の長物である。ゴブリンアーチャーは何も出来ずに爆散した。


愛は正面から襲いかかるゴブリンの棍棒を避け、そのままの姿勢から右手首のスナップだけでヨーヨーを放つ。


愛のヨーヨーは変幻自在にゴブリンを爆砕し、紗良はゴブリンを殴りつけ、愛の背後を守った。


すべてのゴブリンを殲滅しきる前に、廊下の反対側にいたゴブリン達が合流し、総勢20以上の戦闘者が入り乱れる大乱戦となった。ゴブリン達の中心で、二人は旋風のように暴れ回った。


「爆裂右ストレート!」


紗良もここぞとばかりにスキルを使用してゴブリン達を爆散してゆく。


ほんの刹那、ゴブリン達の注意が紗良に向いた。今がチャンスだった。


「紗良、ダック!」


紗良が屈んだ瞬間、爆裂ヨーヨーが頭の上を通り過ぎた。


「トルネードヨーヨー!!」


右手を高く掲げた愛を中心に、爆裂ヨーヨーが旋回し薙ぎ払った。円周上のゴブリンが次々に爆散していった。


エルデリアで猛練習した技が、ぶっつけ本番で成功した。


戦いは尚も続いた。愛も紗良も体のところどころをゴブリンに強かに打ち据えられたが、そのたびに一層の敵愾心を燃やし、投擲し、殴り、フェイントを使い、壁に叩きつけ、倒れてもなおしがみつこうとするものは容赦なく蹴り飛ばした。


粉砕した連中のなかにはゴブリンリーダーやゴブリンアーチャーが複数いたようだったが、それと気がつく前に消し飛ばしてしまっていた。


気がつくと、動くものは愛と紗良、背中合わせの二人だけとなり、辺り一面には瘴気が立ち込めていた。


全力での戦闘が急にゼロと化した反動で、二人は気が抜けて、背中を合わせたまま、廊下に腰をおろした。


「はあ、はあ、はあ、はあ」

「はあ、はあ、はあ、はあ」


聞こえてくるのは二人の荒い息遣いだけだった。


「はあ、はあ、30匹はやったよね?」

「はあ、はあ、ってことは、少なくとも81匹いるね。あと……50匹ほど?」

「エグい……」


しばらくそうしていると、赤毛の猫が愛の目のまえを過ぎた。


「はあ、え?」


赤毛の猫は瘴気を見つけると、前足の爪でひっかいて消し去った。


「ゴエモン?」

「うにゃあ!」

「どうしたの?」

「ドロボウ猫が……」


言葉が続かなかった。赤毛の猫は全ての瘴気を消し去ると、どこかに走り去ってしまった。


(夢でもみたんやろうか)


しばらくすると、ようやく会話が続けられる程度に息が落ち着いてきた。


「愛、落ち着いた?」

「うん」

「ごめん、爆裂右ストレート、4発打った」

「そっか。あと何発打てそう?」

「3発かな」


3のべき乗ルールによると、まだゴブリンロード以上の大物が残っているはずだった。


【ステータス】

 名前:波方 愛

 種族:人間

 職業:巫女

 称号:-

 レベル:6(↑+1)

 体力:60 / 60(↑+10)

 チャージ:-/-

 力:25(↑+5)

 俊敏:60(↑+10)

 装備:爆裂ヨーヨー(USR)

 スキル:隠密、暗視

     ヒール(小)

     浄化(小)

     ヨーヨー連撃

     奥の手

     トルネードヨーヨー

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