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105/105

105 考えてたところだし

お読みくださりありがとうございます。

 使用人の反省会もといクラークからの評価も無事に終わり、ディオが目を覚ますとクラークがディオに会わせたい人物がいると言った。


「オレに?」

「はい。最終判断はディオ様にご判断頂きたく」


 そう言ったクラークはそこに至るまで経緯を語り始めた。


 ことの起こりはディオがアルドを拾ったのと同時期、クラークが病気で療養することになった頃のことである。


 ある日突然、城の方にクラウディオ王子の下で働かせて欲しいと言う2人の男女が来たのだという。


 見張りの騎士は追い払おうとしたのだがシルク商会でもいいのだと言いだした2人組にこの場で騒がれては困るとやむなく城の中にいれ話を聞くことにしたそうだ。


 ここまでクラークの話を静かに聞いていたディオたちは疑問をこぼす。


「それはまた妙な話だね」

「そうだよね。妖精が見えてるからだとしてもさ、ディオ様のところで働きたいなんて」

「はい。城の専属の方々でもないというのに」


 クラウディオ王子がシルク商会をやっていること自体ほぼ知られることはないはずで、何よりディオが妖精の力を使っての認識阻害があるので、ディオのことに気づくこともないはずだ。


 まぁ、妖精が見えるのであれば認識阻害が効かないこともあって気がついてもおかしくはない。もっとも、例外というのはどこにでもあるが。


 それから直接話を聞いた騎士団長と、報告を受けた陛下からクラークに話が回ってきたのだと言う。


 クラークは2人の思いを無下に出来ず、色々と教えていたらしい。元々働き詰めだったクラークは療養に出るとやることもなくなり困ってしまっていたのちょうど良かった。

 というか、陛下はそれを見据えて2人をクラークのところに送ったのだろう。なんか色々と手配されていたし。


「そっか、わかった」

「そろそろ来る頃と思います」


 ――コン、ココン。


「失礼します」


 部屋の扉がノックされ数秒の後に、扉が開く音が響いて中に人が入ってくる。


「きょ……」

「ク、クククラウディオ王子」


 入ってすぐの短い廊下を曲がりクラークに挨拶をしようとしていた2人は、ディオの姿にすぐに気づくと信じられないと言うふうに固まってしまった。


「うーん、ジーク様よりだね」

「奇特なやつもいるものだな」


 ディオを見た反応にフランとシドがほのぼのと会話をする。

 この様子じゃディオの下で働くというのは難しいだろう。世間には内緒だがディオ親衛隊という名前を持つジークベルトの側仕えの方が可能性はあるはずだ。


「この2人がそう?」

「はい。アイビスとセイラです」


 クラークが2人に声をかけて我に返すと、2人は深々と頭を下げるのでディオは困ったように頬をかいたあと頭をあげるように言った。


「ク、クラウディオ王子に再びお会い出来るとはこの身に余る光栄、いや、天にも昇るような――」

「再び?」


 (アイビス)の言い方だとどこかで会ったことがあるのだろう。ディオは首を傾げ心当たりを探している。


 セイラはどこで出会ったのかをディオに伝えていいものかと確認のようにクラークを見た。


「……クラーク様」

「この場であれば構わないでしょう。ディオ様、彼らは誘拐事件の被害者です」

「あー、あの時の!同じ牢屋にいた2人」


 ディオが思い出したことで、感激をするアイビスとセイラ。めったにない反応をされるとやりにくい。


「そっか、あの時の子供だったんだ」

「はい!ご恩を返したく」


 シドは陛下やクラークたちから話を聞いているがフランとトリス、アルドは知らない話に険しい顔をする。


 ディオが誘拐されたなんて聞いたことがない。もちろん、それは隠しておくべきものだと言うのも分かるのだが。


「詳しくは割愛するけど妖精絡みで昔ね」

「俺がクラウディオ様にお仕えすることになったきっかけだ」


 それだけの説明で片付けたディオはさっさと本題に移る。


「2人さえ良ければなんだけど――」


 シドたちのように側仕えというわけにはいかないが、ここまで慕ってくれてるのにはいさようならというのも素っ気なさすぎる。


 それにシドと相談して、近々募集をかけようと思っていた思っていたところだ。ちょうどいい。


「シルク商会の従業員をやってもらえないかな?」


 旅を止める時に店仕舞いするつもりだったのだが、カトリーヌやエルのようなことがあって商会はあった方がいいと判断したのだ。


 しかし自分たちがずっと今の形で続けるわけにもいかないので人手は必要だったので渡りに船である。


「よ、よよよろしいのですか?」

「……クラウディオ王子のお力になれるのであれば喜んでやらせて頂きます!」


 2人からしても願っていない申し出だ。

 二つ返事で了承した2人は全力で頭を下げた。


 ディオはやりにくいと困ったように笑って、ひとまずクラークが仕事に復帰するまでの間しっかりと学んでおくようにと指示をする。


 それからアイビスとセイラの授業の邪魔になるからとディオは帰ることにする。

 どのみち、予定があるのでそんなに長居も出来ないのだ。


 名残惜しそうにしながらも、もうすぐクラークも復帰が出来るのだからとシドに言われながらディオはクラークの元をあとにした。

Q.ディオ親衛隊って?


A.ジーク様のとこって、ディオ様のこと溺愛してる人が多いんだよね。 byフラン


多いというか、ジーク様が専属に求める条件の1つだからな。 byシド

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